労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  天雲産業 
事件番号  中労委平成16年(不再)第19号 
中労委平成16年(不再)第20号 
再審査申立人  全大阪金属産業労働組合 
再審査申立人  天雲産業株式会社 
再審査被申立人  全大阪金属産業労働組合 
再審査被申立人  天雲産業株式会社 
命令年月日  平成18年 2月15日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  会社は、(1)通勤手当の取扱いの変更、平成12年度賃上げ等及び同年夏季一時金を議題とする団体交渉に具体的な説明をしないなど誠実に応じなかったこと、(2)分会員2名を課長に昇格させないこと、(3)就業中の分会員2名に対し会社役員による監視をさせたこ と、(4)就業時間中にワッペンを着用した分会員2名に対し着用しないよう警告したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、大阪府労委は、会社に対し、通勤手当の変更及び平成12年度賃上げについて、(1)考課査定の内容及びその配分方法を示す等による誠実団交応諾、(2)(1)及び平成12年度夏季一時金要求に関する文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。
 会社及び組合は労使協定書作成に関する不誠実団交の申立てを棄却した部分を除きこれを不服として、再審査を申し立てたが、中労委は、本件再審査申立てを棄却した。 
命令主文  主   文
本件再審査申立てをいずれも棄却する。 
判定の要旨  1200 降格・不昇格
組合員X1及びX2の昇格について、会社では各部署に所属する従業員数も少なく、組合員らと同程度以上の年齢の従業員であっても管理職に昇格していない例があること、組合結成前においてX2よりも年齢及び勤続年数が下回っている従業員が管理職に昇格している例があることから、昇格がいわゆる年功序列的な傾向をもって行われているとは認められず、X1及びX2が組合員であること及びその組合活動を嫌悪していることを理由に、両名を課長に昇格させていないとは認められないとされた例。

2240 説明・説得の程度
本件通勤手当に係る団交において、会社は「明確でなかった部分を明らかにした」との回答をするに留まり、組合に対して具体的な理由を十分に説明せず、当該回答も就業規則の該当条項を読み上げたのみで、取扱規定についても社外秘を理由に組合に提示しなかったことから、会社の対応は労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するとされた例。

2240 説明・説得の程度
平成12年度賃上げ及び夏季一時金交渉において、会社は、経営上及び人事管理上の観点から組合員の考課査定のすべてを公表できないにしても、可能な限り査定項目に即して具体的に説明する必要があったというべきであり、会社の行為は十分説明していたとみることができないとされた例。

0210 リボン・ワッペン等の着用
1604 その他
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社は、ワッペンを着用して就労したことに対して懲戒処分をせず文書注意を与えるにとどまり、ワッペンを着用しての就労後も平成12年度賃上げ交渉に係る団交に応じたこと等を考慮すると、会社の文書注意は必ずしも不当労働行為意思によるとはいえず、この点に係る組合の主張は採用できないとされた例。

業種・規模  金属製品製造業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成12年(不)第60号 一部救済 平成16年2月19日
東京地裁平成18年(行ク)第223号 緊急命令申立の却下 平成19年4月9日
東京地裁平成18年(行ウ)第166号(第1事件)・平成18年(行ウ)第304号(第2事件) 棄却、却下 平成19年4月9日
東京高裁平成19年(行コ)第154号 棄却 平成19年12月12日
東京高裁平成19年(行サ)第192号、平成19年(行ノ)第186号 上告受理申立て却下 平成20年3月5日
 
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