概要情報
事件名 |
高見澤電機製作所外2社 |
事件番号 |
長野地労委平成14年(不)第1号
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申立人 |
全日本金属情報機器労働組合長野地方本部高見沢電機支部 |
申立人 |
全日本金属情報機器労働組合長野地方本部 |
申立人 |
全日本金属情報機器労働組合 |
被申立人 |
富士通株式会社 |
被申立人 |
株式会社高見澤電機製作所 |
被申立人 |
富士通コンポーネント株式会社 |
命令年月日 |
平成17年 9月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、①今後の経営計画・事業計画、雇用の確保・労働条件の維持向上のための方策に関する団体交渉について、会社が誠実に応じなかったこと、並びに会社の持株会社及び持株会社の親会社が拒否したこと、②会社から持株会社へ転籍した者と会社に残留した組合員との間に賃上げ・一時金等の労働条件の差を生じさせたことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。 長野地労委は、会社及び持株会社に対する誠実団交応諾・文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社高見澤電機製作所は、申立人より株式会社高見澤電機製作所信州工場の 経営計画・事業計画及び労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策につい て、団体交渉の申入れがあった場合には、誠実に団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人株式会社高見澤電機製作所は、本命令書写しの交付の日から1週間以内に、下記 の文書を申立人に手交しなければならない。 (大きさはA4判とし、年月日は手交する日を記載すること。)
(文書略)
3 被申立人富士通コンポーネント株式会社は、申立人より株式会社高見沢電機製作所信州工 場の経営計画・事業計画及び労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策につ いて、団体交渉の申入れがあった場合には、株式会社高見沢電機製作所の団体交渉の状況に 応じて、誠実に団体交渉に応じなければならない。
4 被申立人富士通コンポーネント株式会社は、本命令書写しの交付の日から1週間以内に、 下記の文書を申立人に手交しなければならない。 (大きさはA4判とし、年月日は手交する日を記載すること。)
(文書略)
5 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
統括業務部門の営業譲渡後の高見澤が組合の申入れた高見澤の今後の経営計画・事業計画と、同工場の労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策に関する団交において、自らの提案に理解と協力を求め、経営計画・事業計画を単独で立案しえず、具体的な説明を行ったとは認められず、高見澤のこのような不誠実な団交における対応は労組法第7条第2号に該当する不当労働行為とされた例。
2131 支社等の出先機関
高見澤の経営を統括する目的で設立されたFCLは資本関係、役員関係、営業取引関係、経営施策の展開関係、業務以上の指示関係からみて、高見澤の従業員が組織する組合の組合員の会社再編に伴う解雇、退職、雇用確保、会社間異動など労働者の雇用基盤に関係する労働条件に関して団交上の使用者性を有するところ、FCLは組合の申入れた高見澤の今後の経営計画・事業計画と、同工場の労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策に関する団交を拒否したことは労組法第7条第2号に該当する不当労働行為とされた例。
2130 雇用主でないことを理由
親会社、子会社、孫会社のような三層構造を持つ会社関係における孫会社の従業員が組織する組合の組合員の会社再編に伴う解雇、退職、雇用確保、会社間異動など労働者の雇用基盤に関係する労働条件に関する団交は子会社が応じない場合に初めて親会社団交応諾義務が及ぶものと考えられるところ、子会社であるFCLが高見澤の事業計画等についての団交能力を有していると認められ、親会社である富士通の使用者性を問題とすることはないとされた例。
1900 営業譲渡・合併
高見澤の統括業務部門の営業譲渡に伴い、同社に残留した組合員とFCLに転籍した従業員の労働条件が異なるのことは通常であり、組合員の労働条件が転籍した従業員より低いからといって、富士通、FCL及び高見澤の3社による労組法第7条第1号及び3号の不当労働行為に当たらないとされたれ例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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