概要情報
事件名 |
エスエムシー |
事件番号 |
東京地労委平成2年(不)第64号
東京地労委平成2年(不)第68号
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申立人 |
関東化学・印刷・一般労働組合エスエムシー支部 |
申立人 |
関東化学・印刷・一般労働組合 |
被申立人 |
エスエムシー 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 8月 6日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合及び支部からの工場移転問題に関する団交の申入れに対し、事務折衝のみに応じ、団交に応じなかったことが争われた事件で、団交応諾及び文書掲示並びにこれらの事項についての履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人エスエムシー株式会社は、申立人関東化学・印刷・一般労働組合および申立人関 東化学・印刷・一般労働組合エスエムシー支部が、平成2年10月19日付で申し入れた、草加 第二工場移転に関する件についての団体交渉に応じなければならない。 2.被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55cm×80cm(新聞紙2頁大)の白 紙に、下記文書を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関および草加第一、第 二、第三工場の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 平成 年 月 日 関東化学・印刷・一般労働組合 中央執行委員長 X1 殿 関東化学・印刷・一般労働組合エスエムシー支部 支部長 X2 殿 エスエムシー株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合の申し入れた、平成2年10月19日付議題についての団体交渉に応じなかっ たことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後この ような行為を繰り返さないよう留意します。 3.被申立人会社は、前記各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなけれ ばならない。 |
判定の要旨 |
2216 その他
組合が事務折衝とは別に団交を申し入れている以上、従前通り事務折衝には応じるとの態度をとったとしても、そのことをもって団交拒否の正当な理由とはなしえないとされた例。
2300 賃金・労働時間
2304 経営事項
年末一時金、工場移転問題等の要求事項について、団交議題としては不適当であるとの主張が斥けられた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
団交議題のうち年末一時金に関する部分についてはすでに支給済であり、支部組合員らも何らの異議なく受領しているので、もはや議題とする利益は失われているとされた例。
4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
工場移転に伴う労働条件の変更内容やその時期等について組合が関心を持つことは当然であり、組合が団交を求めている以上、団交において明らかにするのが相当であるとして団交応諾を命じた例。
4822 混合組合
組合は個人加入方式と団体加入方式の混在するいわゆる混合組合であるが、労組法2条の要件を満たしており、申立人適格を有するとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
支部は、独自の規約を持ち、独自の組織を備え、独立した財政を営んでおり、独立した労働組合と認められるので、申立人適格を有するとされた例。
5140 資格審査
組合の申立資格については、本案審査前に決定しないことは違法であるとの会社の主張に対し、組合資格審査は命令が発せられる時点までに決定されていれば足りるとされた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集126頁 |
評釈等情報 |
 
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