労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大手前高松高等(中)学校 
事件番号  香川地労委昭和56年(不)第2号 
申立人  香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 
被申立人  学校法人  倉田学園 
命令年月日  平成 1年 9月 8日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  学園が、(1)街宣活動を理由に組合員6名を出勤停止処分としたこと、(2)紙筒闘争、風船闘争及び自家用車内掲示闘争を理由とする組合員3名の出勤停止処分、(3)人員削減配転措置の一環となされた執行委員長の休職処分及び雇止め、(4)早期生徒指導命令の拒否を理由とする組合員2名の出勤停止処分及び降職処分としたことが争われた事件で、(1)(3)(4)は、出勤停止処分若しくは降職処分がなかったものとしての取扱い、原職復帰又は及びバック・ペイ(年5分加算)を命じ、(1)ないし(4)に関する陳謝文の掲示と(2)の闘争が正当な組合活動を逸脱したものとして棄却した。 
命令主文  1.被申立人学園は、申立人組合執行委員長X1、組合員X2、同X3、同X4、同X5、同 X6に対する昭和55年8月9日付出勤停止処分及び組合員X7に対する昭和55年8月10日付 出勤停止処分がなかったものとして取り扱い、同人らが受けるはずであった昭和55年8月分 給与(交通手当及び住宅手当を含むベースアップ後の給与)及び昭和55年度冬季一時金並び に昇給延伸による各給与差額の総合計額から既に支給した額を控除した額及びこれに各支払 期日の翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなけれ ばならない。
2.被申立人学園は、申立人組合執行委員長X1に対する昭和56年3月31日付休職処分がなか ったものとして取り扱い、同人を原職に復帰させるとともに、昭和56年4月1日から復帰す る日までの間に同人が受けるはずであった各賃金相当額(各一時金を含む。)から既に支給 した額を控除した額及びこれに各支払期日の翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で 算出した金員を附加して支払わなければならない。
3.被申立人学園は、申立人組合組合員X8、同X9に対する昭和56年8月4日付出勤停止処 分及び昭和57年3月31日付降職処分がなかったものとして取り扱い、同人らを原職に復帰さ せるとともに、昭和56年8月5日から復帰する日までの間に同人らが受けるはずであった各 賃金相当額(各一時金を含む。)から既に支給した額を控除した額及びこれに各支払期日の 翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければなら ない。
4.申立人組合のその余の申立ては、棄却する。 
判定の要旨  0200 宣伝活動
本件ビラ貼付及び宣伝車による街頭宣伝活動は、その内容において、表現に穏当を欠き、この限りにおいては正当な組合活動の範囲をやや逸脱しているとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
本件紙筒闘争、風船闘争及び自家用車内掲示闘争は、いずれも就業時間中に行われたもので、教育業務に支障を及ぼすおそれがないとは云えず、正当な組合活動の範囲を逸脱したものとされた例。

1106 契約更新拒否
休職期間満了による組合委員長の退職は、その前提である休職処分を不当労働行為と認定し、その撤回を命じたものであるから、本件退職の前提を欠き、当然なかったものとして取り扱われるべきであるとされた例。

1106 契約更新拒否
非常勤講師の雇止めについては、その前提となっている降職処分を不当労働行為と認定し、その処分の撤回を命じたものであるから、本件雇止はその前提を欠き、当然なかったものとして取り扱われるべきであるとされた例。

1400 制裁処分
共闘会議の活動の一環であるビラ貼付及び宣伝車による街頭宣伝活動に若干の行きすぎが見受けられるが、これを理由とする出勤停止処分は苛酷にすぎると考えざるを得ず、本件処分は不当労働行為であるとされた例。

1400 制裁処分
本件紙筒闘争等を計画、決定し、それを実施しことを理由に組合委員長らを出勤停止処分に付したことが不当労働行為には当たらないとされた例。

1400 制裁処分
生徒数の減少等を理由に組合委員長を休職処分としたことが不当労働行為であるとされた例。

1400 制裁処分
生徒指導係である組合員X8及びX9の始業・終業時刻を変更したのに対して、両名がこれに従わないことを理由に両名を出勤停止処分に付し、その後非常勤講師に降職処分にしたことが不当労働行為であるとされた例。

4825 その他
申立人組合は、いわゆる中間管理職などの使用者の利益代表者を組合員資格に含めており、申立人適格を欠くとの主張が斥けられた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集87集487頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成 1年(不再)第99号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  平成 6年 4月20日 決定 
東京地裁平成 6年(行ク)第44号 一部認容  平成 7年 6月13日 決定 
東京地裁平成 6年(行ク)第58号 全部却下  平成 7年 6月13日 決定 
東京地裁平成 7年(行ク)第28号 全部却下  平成 7年 7月28日 決定 
東京地裁平成 6年(行ウ)第186号 救済申立棄却命令の一部取消し  平成 9年 1月29日 判決 
 
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