労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  東京地裁平成27年(行ウ)第17号
明泉学園不当労働行為救済命令取消請求事件 
原告  学校法人X1(「法人」) 
被告  国(処分行政庁・中央労働委員会) 
被告補助参加人  Z1高等学校教職員組合(「組合」) 
判決年月日  平成28年6月29日 
判決区分  棄却  
重要度   
事件概要  1 本件は、①法人の運営する高校のクラス担任であった組合員A1が、授業時間中に教室に入らない約10名の生徒を指導した際、本件生徒らが感情的になり、トラブルとなったことを理由として、学園が組合員A1をクラス担任から外す発令を行ったこと、②法人が組合員A1の担当クラスの生徒に、本件生徒らの組合員A1に対する意見等を記載した文書を配布したことが、いずれも、労組法第7条第1号、第3号の不当労働行為に当たるとして、救済申立てが行われた事案である。
2 初審の東京都労委は、本件クラス担任外し及び本件文書の配布はいずれも不当労働行為であったと認め、法人に対し、組合員A1をクラス担任に就任させること、文書掲示等を命じた。法人は、初審命令を不服として、再審査を申し立てたが、中労委は、再審査申立てを棄却するとの命令(以下「本件命令」という。)を発した。
3 法人は、これを不服として東京地裁にその取消しを求める行政訴訟を提起したが、同地裁は法人の請求を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は、原告の負組とする。  
判決の要旨  第3 当裁判所の判断
2 争点(1)〔本件解任が労組法7条1号の禁止する不利益な取扱い,同条3号に禁止する支配介入に当たるか〕について
(1) 本件解任の必要性及び合理性について
ア 法人は、本件解任が、A1の本件生徒らに対する不適切な指導によって、本件生徒らとの信頼関係が崩れて成り立たなくなったことから、本件生徒らに落ち着いた学校生活を送らせ、また再発を防止するための対策を講じる緊急の必要性に基づき行った必要かつ合理的な措置であるとして、労組法7条1号の不利益な取扱いや同条3号の禁止する支配介入に当たらないと主張する。そこで、本件解任が法人の裁量に基づき人事権を行使した必要かつ合理的な措置といえるかについて検討する。
イ 本件生徒らに対するA1の指導に不適切な点があったか否かについて
(ア) ミモザ(コミュニケーションスペース)において教室に入るよう指導した点について
a 本件トラブルは、5校時の見回り当番であったA1が、ミモザを訪れたところ、既に5校時の始業時間を過ぎているにもかかわらず、本件生徒らがミモザに集まっていたことから教室に入り、授業に参加するよう指導したことを契機とするものであるところ、教員であり、かつ見回り当番の担当として巡回中であるというA1の立場に照らせば、A1の本件生徒らに対する指導は、至極当然のものであって、この点に何ら非難されるべき点はない。
b 法人は、EHが、前記A1の指導に対し、本件懇請発言をしたにもかかわらず、A1はEHの本件懇請発言を意に介さず、事務的、機械的に教室に入るよう指導したことが不適切であると主張する。
  この点、本件生徒らの意見書のうちEH、AZ、Z、S、M、T作成に係るものには、EHがA1に椅子を押し当てる前に本件生徒らが「今日でMAが最後だから少し待ってて」と本件懇請発言があった旨、あるいは本件トラブルの原因についてA1が本件懇請発言を無視したことにある旨の記載があり、他の記載部分について殊更虚偽の内容を記載していることは窺われず、A1作成の報告書にも、EHから椅子を押し当てられる際にMAが来るから少し待って欲しいと言われたことの記載はないが、その後、B2がミモザを訪れて立ち去った後に「生徒たちには『授業に行きましょう。』と言い続けていたが、『MAが来ると言ったのに、手紙が渡せなかったじゃないか。謝れよ。今日が最後なのに。事情を聞けよ。』と誰からともなく理に通らない言葉を浴びせるので、『授業に出ましょう。』と連呼し続けた。」とのEHがA1に椅子を押し当てる前に「今日でMAが最後だから少し待ってて」との発言があったことと矛盾しない記載がある。
  しかしながら、A1においてEHがA1に椅子を押し当てる前に本件生徒らが「今日でMAが最後だから少し待ってて」と説明した事実を否定しており、法人の主張する4日付け聴取の対象となった生徒の範囲も、証拠上認めるに足りない点があること、また、この聴取を主導したB2は、法人において原則として禁止する退学者が校内に立ち入り、在校生と交流することを授業中に認めることで本件トラブルの原因を作り、本件トラブルについて何らかの処分を受ける可能性があったこと、B4教頭らは本件生徒ら意見書の内容の真偽を確認する作業を行っていないことなどの事情を踏まえると、ミモザにおけるA1の教室に入るようにとの指導がされる前からEHからA1が椅子を押し当てられるまでの間に、本件生徒らの前記発言があったものと認めるべき的確な証拠はない。
(イ) 本件110番発言について
a そもそもA1の本件生徒らに対する授業に入るようにとの指導は、前記(ア)のとおり正当なものであるから、仮にその指導が事務的、機械的にすぎ、本件生徒らに対する配慮に欠ける面があると評価するにしても、これに対して、EHがA1に対して椅子を押しつけ、胸ぐらを掴む暴力に及ぶことは何ら正当化されない。
  そして、法人は、A1が椅子を押し当ててきたEHに対して、暴力を振るうのかとの趣旨の発言を強い口調でしてEHを挑発したと主張するが、A1に椅子を押しつけたEHの行動は、A1の授業に入るようにとの正当な指導に対して、暴力で対抗しようとする不当なものであって、これに対する暴力を振るうのかとの趣旨の発言は強い口調であったとしても正当な指摘であり、A1は教員としてEHの不当な暴力に屈することなく、EHに暴力に出ることの不当性を指摘しての毅然とした対応をしたものというべきであって、A1の発言がEHに対する挑発であるなどとして非難の対象となるべき理由は何ら見出だせない。
b A1は、EHがA1の暴力を振るうつもりかとの発言を受けて、さらにA1の胸ぐらを掴んだことから、「110番通報してください。」、「職員を呼んでください。」と発言したものであるところ、その発言は生徒の行為に対するものとしてやや穏当を欠く面があるものの、これをもって挑発と解すべき事情は窺われず、生徒が暴力を振るい、更なる暴力を振るおうとしている緊迫した状況において、教員として生徒の不当な暴力に屈することなく毅然とした対応を取ることが求められることも踏まえれば、A1の発言を教員として不適切な発言ということはできない。
  法人は、EHがA1に椅子を押し当て、さらに胸ぐらをつかむという事態をもって、緊迫した状況になかったとして縷々主張するが、A1の暴力を振るうのかとの正当な指摘に対して、EHが更なる暴行に及ぼうとしている事態そのものが、既に十分に緊迫した状況というべきである。
(ウ) 本件謝罪発言について
  A1の本件謝罪発言は、「じゃあ」という言葉によって、本件生徒らに対する謝罪が不本意な謝罪であるとのA1の心情を端的に表示しており、謝罪の言葉としてみれば、確かに、必ずしも適切なものではないということができる。
  しかしながら、A1がミモザにおいて本件生徒らに対して行った指導が正当なものであることは前記(ア)及び(イ)のとおりであって、A1が本件生徒らに謝罪しなければならない理由は見出せない。また、B4教頭らが英語教室において、A1の指導方法を不適切だとして非難したなどの事情は窺われず、かえってB2は、本件生徒らに本件B2説明をしてA1の指導に非がなかったことを説明しており、その客観的状況に照らしても、本件生徒らが法人の原則として禁止する退学者との校内での交流を授業時間中にできなかった責任がA1にあるとして不当に謝罪を求めているにすぎないものである。
  このように、A1の本件謝罪発言には謝罪としての適切さには欠ける面があったことは事実であるが、そもそも謝罪をしなければならない理由が見出せず、A1は謝罪をしなげれば事態を収束できないような状況において、やむを得ず不本意ながら謝罪をしたものと解され、このようにやむを得ずにした謝罪の際の文言の不適切さが直ちに教員あるいはクラス担任として不適格であることを基礎付ける事情とはいえない。
ウ 本件解任の決定が十分な調査を経て決定されたものであるか
(ア) 本件解任は、B3副校長が平成23年11月4日午前8時40分過ぎころにA1から本件トラブルに関する報告及び同人作成の報告書の提出を受けてから同日午後1時ころまでの約半日という短期間の間に決定されたものであり、この間に行われた本件トラブルに関する調査は、約10人いた本件生徒らのうち僅か4名に対する聴取と同生徒らによる意見書の作成、提出、この生徒らからの聴取を担当したB4教頭らによる記録書の作成、提出、B3副校長による本件トラブルの直接体験したB4教頭ら及び現業職員2名からの報告に基づくB3報告書の作成、提出のみである。
  B3副校長は、B3報告書の作成に当たってB4教頭らと同様に本件トラブルの一部を直接体験した組合員である教員らからの報告を聴取していない。また、本件トラブルに関するA1からの直接の聴取をしていないし、A1作成の報告書の内容が本件解任の決定前に精査されたことも窺われず、本件トラブルの客観的証拠であるミモザに設置された防犯カメラ映像の検証も行われていない。
(イ) このような調査をもって本件解任を決定したことについて、法人は、本件生徒らに対する聴取及び本件生徒ら意見書の内容に照らして、本件解任を行い、本件トラブルの翌週である平成23年11月7日から新たな担任による学級運営をスタートする緊急の必要性があり、本件解任は、この必要性に照らして十分な調査を経た上で行われており、A1から直接本件トラブルに関する聴取をしていないことや防犯カメラ映像を検証していないことによって本件解任に当たっての調査が不十分であるとはいえないと主張する。
  そこで検討するに、本件解任を決定するまでに行われた本件生徒らの聴取及び本件生徒らによる意見書の作成は、十数名いた本件生徒らのうち僅か4名にすぎないから、その対象において十分であるとはいえず、また、この聴取や意見書の作成は、本件トラブルについて原因のあるB2が主導し、また、本件組合の組合員からの協力の申出を拒絶して組合員でない教員のみで行われているなど実施方法の面でも公正さに疑問の残るものである。
  また、本件解任を決定するまでに作成された本件生徒ら意見書の内容は、本件トラブルに関する具体的な記載を欠いており、本件解任をA1の本件トラブルに係る不適切な言動を理由に行うには不十分な内容であるといわさるを得ない。B4教頭らの作成した記録書の内容をみても、4日付け聴取により本件生徒らの一部が作成した意見書の内容がほぼそのまま記載されており、同生徒らから同人ら作成の意見書に記載された以上の本件トラブルに関する事情を聴取して把握したことは窺われないし、本件トラブルに関して自分たちの直接体験していない事情を把握するよう努めたことも窺われない。本件生徒ら意見書には、本件トラブルと直接関わりのないA1に対する不満や批判、非難も記載されているが、この不満や批判、非難は、必ずしも本件トラブルを前提としないものである。してみると、異例の対応というべき年度途中の担任変更を行うだけの緊急の必要性を基礎付けるには足りないというべきである。
  さらには、B3報告書については、本件トラブルを直接体験した組合員である教員からの聴取が行われておらず、これが行われなかった合理的理由は何ら窺われない一方で、B4教頭の報告として同人が体験した事実と異なる内容が記載されて報告されている。本件トラブルの原因は、本件生徒らが法人の原則として禁止している校内での退学者MAと交流を、しかも授業中に行おうとして5校時の始業時刻後にミモザに集まっていたことにあり、また、その経緯はB2がMAの来校予定を生徒らの一部には伝えて、他の教員には伝えなかったというものであり、B3副校長は、MAの来校予定を知っていれば認めないというのが法人の原則的対応であるとするにもかかわらず、法人において、MAの来校に対するB2の対応を問題としたことは何ら窺われない。
  加えて、B3副校長は、平成23年11月4日午前8時40分にA1から本件トラブルについての口頭の報告及び報告書の提出を受けて本件トラブルを知ったものであるところ、本件解任の決定前にA1の作成した報告書の内容が精査されたことは窺われないし、A1からの直接の聴取も、例えば、B3副校長ないし他の教員において、B4教頭らが本件生徒らの一部から本件トラブルに関する聴取を行うのと並行してA1から本件トラブルに関する事情を聴取し、あるいは、B4教頭らにおいて組合員である教員の申出を受けて、本件生徒らからの聴取を組合員である教員に依頼し、A1からの聴取を行うことは可能であり、その障害となる事情は何ら窺われないにもかかわらず、そのような対応も行われていない。
  以上によれば、本件生徒らからの聴取及び本件生徒ら意見書によっても、A1からの本件トラブルに関する直接の聴取や本件解任についての弁明の付与を不要とするだけの緊急の必要性は認められないというべきである。かえって、B3副校長の中労委の審理における供述に示された認識からすると、本件解任は、A1が生徒とトラブルを起こしたことを奇貨とし決定されたものであって、本件トラブルに係る調査結果を精査した決定されたものではないことが窺われる。
(2) 本件解任は、A1が組合員であること又は正当な組合活動を理由としてされた労組法7条1号の不利益な取扱いに当たるかについて
  本件解任は、教員の重要な業務であるクラス担任としての職務を剥奪するものであり、クラス担任の年度途中での変更が異例の措置であり、教員としての不適格性を推知させるものである上、本件解任は、前記認定のとおり、必要性及び合理性を欠く措置であって、その決定に当たってA1の弁解の聴取などの相当な手続を経ていないことからすると、本件解任によってA1は職務上、精神上の不利益を被るものといえる。
  そして、法人は、平成19年9月4日付けで救済命令を発令され、平成22年6月29日には、その一部を履行していないことを理由に過料に処されており、また、本件組合の組合員が提起する訴訟に敗訴し、また、その後に提起された第三次賃金訴訟や立ち番訴訟が係属していて、その対応を迫られて本件組合と対立する状況にあり、B1校長が本件解任前後の団体交渉においてもオウム返しや沈黙を繰り返して本件組合からの質問に誠実に回答していないことや法人が組合員の多くをクラス担任に就任させず、平成23年4月には管理職及びクラス担任の職員室とそれ以外の教員の職員室を別棟に移して結果的にクラス担任でない組合員を隔離したことなどに照らせば、法人が本件組合を嫌悪しており、十分な調査を経ずに行われた必要性及び合理性を欠く本件解任も法人の本件組合に対する嫌悪の情の表れであると推認することができる。本件解任は、A1が組合員であること又は正当な組合活動を理由としてされた不利益な取扱いであり、労組法7条1号の不利益な取扱いに当たるというべきである。
(3) 本件解任が労組法7条3号の禁止する支配介入に当たるか
  労組法7条3号は、労働者が労働組合を結成し、又は運営することを支配し、又はこれに介入することを禁止するところ、ここにいう支配介入とは、使用者の組合結成ないし運営に対する干渉行為や諸々の組合を弱体化させる行為など労働組合が使用者との対等な交渉主体であるために必要な自主性、独立性、団結力、組織力を損なうおそれのある使用者の行為を広く含むものと解すべきであり、ある行為が支配介入に当たるか否かについては、当該行為の内容や態様、その意図や動機のみならず、行為者の地位や身分、当該行為がされた時期や状況、当該行為が組合の運営や活動に及ぼし得る影響を総合考慮し、組合の結成を阻止ないし妨害したり、組合を懐柔し、弱体化したり、組合の運営・活動を妨害したり、組合の自主的決定に干渉したりする効果を持つものといえるかにより判断すべきである。
  そして、本件解任が、A1が組合員であること又は正当な組合活動を理由として行われたものであって、教員の重要な業務であるクラス担任としての職務を剥奪し、年度途中でのクラス担任の変更という異例の措置であることによって教員としての不適格性を推知させる職務上、精神上の不利益を伴う取扱いであることは、前記(2)のとおりであり、そうすると、本件組合や組合員に対して、組合員であることや正当な組合活動を理由に不利益な措置を講じることがあることを知らしめて、組合の結成を阻止ないし妨害したり、組合を懐柔し、弱体化したり、組合の運営・活動を妨害したり、組合の自主的決定に干渉したりする効果を持つといえることから、労組法7条3号の支配介入に当たるというべきである。
3 争点(2)〔本件配布が労組法7条1号の禁止する不利益な取扱い,同条3号の禁止する支配介入に当たるか〕について
(1) 本件配布が労組法7条1号の不利益な取扱いに当たるか
  年度途中に担任を変更する措置が異例の措置であるところ、本件配布は、A1について本件解任の措置がとられたことを生徒及び保護者に対して通知することを目的とするものといえる。
  しかしながら、本件配布の前提たる本件解任が十分な調査を経ずに行われた必要性及び合理性を欠く措置であり、A1が組合員であること、あるいは正当な組合活動を理由とする労組法7条1号の不利益な取扱い、同条3号の支配介入に当たることは、前記2のとおりである。
  また、本件文書の記載は、A1がトパーズ(本件トラブルがあった正確な位置はミモザである。)で11ないし12名の生徒ともめ事を起こしたとして、生徒らの意見を掲記するものであるが、その記載に照らせば、A1が日常から言動に、ひいては教員としての資質に問題があり、本件生徒らが全員A1に対して批判的な感情を有しているように読み取れるものの、引用されている意見は、B4教頭らが行った4日付け聴取による本件生徒らの一部である僅か4名の生徒の意見であり、そのうちA1の担任する2年7組の生徒はIの1名にすきず、しかも本件トラブル後間もない時期の意見であって、I自身も担任生徒ら意見書で言いすぎた旨を記載していることなどに照らしても、冷静な判断による真意に基づく意見とは認めがたく、殊更過剰にA1の教員としての問題性を強調する内容であるというべきである。
  そうすると、本件配布は、A1の日常の指導や本件トラブル時の指導を否定して、これに関する生徒や保護者の誤解を生じさせ、生徒や保護者が、A1が問題のある教員であるとしてその適格性に疑念を抱くおそれのあるものであり、その結果、クラス担任や教員としての職務を遂行する上で必要な生徒や保護者との信頼関係の形成と維持を困難にし、また、不当な本件解任を撤回してクラス担任に復帰させることを困難にし、職務上、精神上の不利益を伴うといえる。法人が本件組合と対立して本件組合に対して嫌悪の情を有していたことは前記2(2)のとおりであって、本件解任が必要性及び合理性を欠く措置であることも踏まえれば、本件配布もA1が組合員であること又は正当な組合活動を理由とする不利益な取扱いであるというべきである。
(2) 本件文書の配布が労組法7条3号の支配介入に当たるか
  本件配布が、A1が組合員であること又は正当な組合活動を理由としてされた不利益な取扱いであることは、前記(1)のとおりであり、これにより、本件組合や組合員に対して、組合員であることや正当な組合活動を理由に不利益な措置を講じることがあることを知らしめて、組合の結成を阻止ないし妨害したり、組合を懐柔し、弱体化したり、組合の運営・活動を妨害したり、組合の自主的決定に干渉したりする効果を持つといえることから、労組法7条3号の支配介入に当たるというべきである。  
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
都労委平成24年(不)第3号 全部救済 平成25年11月5日
中労委平成25年(不再)第87号 棄却 平成26年12月3日
東京地裁平成27年(行ク)第417号 緊急命令申立ての認容 平成28年3月31日
東京高裁平成28年(行コ)第275号 棄却 平成28年12月14日
最高裁平成29年(行ヒ)第140号 上告不受理 平成29年7月20日
 
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