事件名 |
帝京学園 |
事件番号 |
東京地裁平成10年(行ウ)第75号
|
原告 |
学校法人帝京学園 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
帝京中高等学校教職員組合 |
判決年月日 |
平成13年 7月19日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、学校法人帝京学園(以下「学園」)が、帝京中高等学校教職
員組合(以下「組合」)の平成4年度要求書に関連して行われた団体交渉に、実質的交渉権限を有しない者を出席させ、また、学
園の主張の根拠を明らかにするための具体的な説明や資料の提示を行わないとして救済申立てが行なわれ、これに対し、初審東京
地労委は誠実団交応諾等を命じ、中労委が学園の再審査申立てを棄却したところ、学園がその取消しを求めた事件であ
る。 |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
2240 説明・説得の程度
2248 実質的権限のない交渉担当者
本件団体交渉における学園側の出席者であるY1及びY2理事は、実質的交渉権限を有していたとはいえず、学園側は、組合が要
求していたモデル賃金表を提出せず、現行の賃金体系を維持する客観的根拠を示さなかったのであり、このような本件団体交渉に
おける学園側出席者の権限や学園の対応からすれば、学園は本件団体交渉において組合との合意達成の可能性を模索したというこ
とはいえないから、学園が誠実に本件団体交渉にあたったということはできず、労組法七条二号の不当労働行為が成立するとされ
た例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
本件命令時及び発令後の団体交渉においても、学園側は、現行の賃金体系の合理性を交渉の場で検討することについて、学園が自
らの主張・反論について具体的資料を提示するなどして説得しようとしているところがなく、学園が組合と合意達成の可能性を模
索する態度を示していたとはいえないことから、本件命令発令時にも組合の救済利益は存在したから、労働委員会が本件命令を発
したことに裁量権の逸脱・濫用があるということはできず、また、本件命令発令後もなお組合の救済利益が存在するというべきで
あるから、本件命令発令後の団体交渉の経緯を理由に、本件命令がその発令根拠を失ったとすることはできないとされた例。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集36集438頁 |
評釈等情報 |
|