概要情報
事件名 |
大阪赤十字病院 |
事件番号 |
大阪地裁昭和61年(行ウ)第5号
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原告 |
日本赤十字社 |
被告 |
大阪府地方労働委員会 |
被告参加人 |
大阪赤十字病院労働組合 |
判決年月日 |
昭和63年10月 3日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が申し入れた昭和60年春闘要求及び職場要求に関する団交を、要求の正当性等を文書で回答するよう求め、その提出がなかったことを理由に拒否したことをめぐって争われた事件で、団交応諾を命じた大阪地労委の救済命令(61.1.10)を不服として病院側が行訴を提起していたが、地裁は、病院側の請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は全部原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4905 経営補助者
法人の構成部分を名宛人とする救済命令は、実質的に法人を名宛人としてこれに命令内容の実現を義務付ける趣旨のものと解されるから、法人は病院を名宛人とする命令の取消を求める法律上の利益を有する。
2113 交渉団体として不適格
組合の要求書に組合以外の団体が名を連ねているものの、団交の相手方が組合であることに疑問の余地がないのであるから、団交拒否の正当な理由とはならない。
2300 賃金・労働時間
組合の要求書の要求事項には一部整理されていない事項や団交になじまない事項が存在するが、多くは労働条件に関する事項であって、団交事項であると認められる。
2211 団交ルールの先議
組合の団交申入れに対し、病院が要求の正当性について説明する文書の提出を求め、文書の提出がないことを理由に団交に応じないことは不当労働行為である。
5008 その他
団交応諾を命ずる本件命令主文には理由不備・理由齟齬はなく、不当労働行為からの救済方法としてどのような主文を掲げるかにつき労委は広範な裁量権を有しており、その理由を明らかにしなくても理由不備・理由齟齬の違法は生じない。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集23集286頁 |
評釈等情報 |
判例タイムズ 703号 151頁 
労働判例 528号 48頁 
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