労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  桜井鉄工所 
事件番号  最高裁昭和60年(行ツ)第165号 
上告人  株式会社 桜井鉄工所 
被上告人  中央労働委員会 
被上告人参加人  日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部桜井鉄工支部 
判決年月日  昭和61年 5月 6日 
判決区分  上告の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、暴行事件を理由に組合三役を解雇したこと、夏季一時金等に関する団体交渉を拒否したこと及び組合脱退勧奨の支配介入を行ったことが、不当労働行為であるとして争われた事件で、初審大阪地労委は、会社のこれらの行為は不当労働行為であるとして、(1)組合三役の原職復帰、バック・ペイ、(2)団交応諾、(3)脱退勧奨等に係るポスト・ノーティスを命じ、中労委もポスト・ノーティスを支配介入の禁止に変更した外は、会社の再審査申立てを棄却し、初審命令を維持したところ、会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁はこれを棄却し、東京高裁も、会社の控訴を棄却した。これに対して会社は、最高裁に上告を提起したが、最高裁は、上告を棄却する旨の判決を言い渡した。 
判決主文  本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。 
判決の要旨  2249 その他使用者の態度
6343 団体交渉拒否に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
一時金等に関する団交について、組合が交渉条件に関する会社提案を撤回しない限り交渉に応じられないとしているため交渉を行っていないとの会社主張を裏付ける事実はなく、正当な理由のない団交拒否であるとした原審の認定判断は正当として是認することができる。

0600 暴力行為
3600 処分の差別
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
団交、抗議行動等における軟禁・暴行等の違法な行為を理由に組合三役を解雇したことが、三役にはそれぞれ非難されるべき点があるものの、同人らの行為の経緯等からみて、直ちに解雇理由に該当するものとはいい難く、会社の組合に対する対応等からすれば組合を弱体化し、更には潰滅させるために行った不当労働行為であるとした原審の認定判断は正当として是認することができる。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2700 威嚇・暴力行為
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
会社役員及び職制らによる組合脱退勧奨及び組合役員に対する暴行等を、いずれも支配介入であるとした原審の認定判断は正当として是認することができる。

業種・規模  鉄鋼業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集21集274頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
大阪地労委昭和51年(不)第105号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和53年 2月17日 決定 
中労委昭和53年(不再)第12号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和56年 2月18日 決定 
東京地裁昭和56年(行ク)第65号 一部認容  昭和59年11月15日 決定 
東京地裁昭和56年(行ウ)第37号 請求の棄却  昭和59年11月15日 判決 
東京高裁昭和59年(行コ)第69号 控訴の棄却  昭和60年 6月27日 判決