労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  桜井鉄工所 
事件番号  東京高裁 昭和59年(行コ)第69号 
控訴人  株式会社 桜井鉄工所 
被控訴人  中央労働委員会 
被控訴人参加人  日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部桜井鉄工支部 
判決年月日  昭和60年 6月27日 
判決区分  控訴の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、暴行事件を理由に組合三役を懲戒解雇したこと、夏季一時金等に対する団体交渉を拒否したこと、及び組合脱退の勧奨等の支配介入を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、初審大阪地労委は、会社のこれらの行為は不当労働行為であるとして、組合三役の原職復帰、バック・ペイ及び団体交渉応諾を命ずるとともに、これらと併せて脱退勧奨も含めてポスト・ノーティスを命じ、中労委もポスト・ノーティスに変えて脱退勧奨に対する支配介入の禁止を命じたほかは会社の再審査申立てを棄却し、初審命令を維持したところ、会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起した。昭和59年11月15日に同地裁は、これを棄却したため会社は、さらに東京高裁に控訴したが、同高裁は控訴を棄却した。 
判決主文  本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。 
判決の要旨  2231 組合の不誠実
6222 団体交渉拒否
組合が交渉条件に関する会社提案を撤回しない限り交渉に応じられないとしているため交渉を行っていないとの会社主張を裏付ける事実はなく、正当な理由のない団体交渉拒否であるとした原判決は正当である。

0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
6221 不利益取扱い
社長、専務等を軟禁、脅迫し違法なビラ貼りを行い、また、それをはがそうとした非組合員に暴力をふるった等として組合三役を解雇したことは、三役にはそれぞれ非難されるべき点はあるものの、各行為の行われた経緯や会社及び非組合員の行動にも反省すべき点があることからみて、直ちに解雇理由に該当するものとはいい難く、このことと会社の反組合的態度を併せ考えると、本件解雇は、不当労働行為であるとした原判決は正当である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2700 威嚇・暴力行為
6223 支配介入
会社役員及び職制らによる組合脱退勧奨及び組合役員に対する暴行等をいずれも支配介入であるとした原判決は正当である。

業種・規模  鉄鋼業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集20集241頁 
評釈等情報  労働判例  460号 88頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
大阪地労委 昭和51年(不)第105号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和53年 2月17日 決定 
中労委 昭和53年(不再)第12号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和56年 2月18日 決定 
東京地裁 昭和56年(行ク)第65号 一部認容  昭和59年11月15日 決定 
東京地裁 昭和56年(行ウ)第37号 請求の棄却  昭和59年11月15日 判決 
最高裁 昭和60年(行ツ)第165号 上告の棄却  昭和61年 5月 6日 判決