概要情報
事件名 |
柄谷工務店 |
事件番号 |
東京高裁昭和60年(行コ)第3号
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控訴人 |
株式会社 柄谷工務店 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
全日自労建設一般労働組合 |
判決年月日 |
昭和61年 2月26日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員の解雇撤回、昭和56年度賃上げ等に関する組合の団体交渉申入れに対し、組合は少数従業員の代表者に過ぎないことなどを理由に、これを拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、中労委は、初審の兵庫地労委の団体交渉応諾を命じた救済命令を維持して会社の再審査申立てを棄却したところ、会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起した。同地裁が、請求を棄却したために会社は、東京高裁に控訴していたが、同高裁は、控訴棄却の判決を言渡した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2113 交渉団体として不適格
6343 団体交渉拒否に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
組合は特定の事業の従業員の範囲に拘束されないで組織し得るし、その組合員として当該会社の従業員が加入しているのであれば、その多寡にかかわらず組合は当該組合員のためにその使用者と団交をする権限を有するとした原判決は相当である。
5008 その他
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
救済命令制度は使用者の不当労働行為によって生じた状態を是正することにより、正常な集団的労使関係秩序を回復させることを目的とするものであり、救済命令の内容は、労働委員会がその裁量により個々の事案に応じた適切な是正措置を決定し、これを命じることができ、そこには行為の禁止のみならず作為を命じることも当然予定されているとした原判決は相当である。
4825 その他
組合員X1はその職務内容等からみて使用者の利益代表者とは認められず、同人の加入している組合には救済適格がないとする会社主張は前提を欠き失当であるとした原判決は相当である。
4820 単一組織の支部・分会等
4825 その他
6343 団体交渉拒否に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
組合員X1の解雇撤回、賃上げなどを議題とする団交につき、X1は会社の元管理職であり、同人が主導結成した組合は自主的なものとは認め難いとした拒否したことが、不当労働行為であるとした原判決は相当である。
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業種・規模 |
建設業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集21集154頁 |
評釈等情報 |
労働判例 476号 62頁 
労働法律旬報 1158号 55頁 
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