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厚生労働省発表
平成14年10月

担当 厚生労働省大臣官房統計情報部
雇用統計課長   水谷 豊
 同 統計専門官 稲田 啓子
電話 03(5253)1111 内線7616,7617
ダイヤルイン 03(3595)3145


 高年齢者の就業率 男70.9%、女44.2%
 就業希望者の不就業理由 「適当な仕事がみつからなかった」が最も高い


【平成12年高年齢者就業実態調査結果確報】


I 調査の概要

 この調査は、高年齢者の就業実態、就業意識とその背景及び事業所における高年齢者の雇用状況、雇用上の問題点、公的援助へのニーズ等を的確に把握し、今後の高年齢者雇用・就業対策に資することを目的として、平成12年10月に実施した。
 なお、前回は平成8年に調査を行った。


〔個人調査〕

(1) 平成7年国勢調査調査区から抽出した約1,100調査区に居住する55歳以上69歳以下の高年齢者約26,000人(有効回答率75.2%)を対象に主として平成12年10月1日現在又は9月中の状況について統計調査員により調査を行った。

(2) 調査結果は、総務省統計局による平成12年国勢調査(平成12年10月1日現在)の結果に基づいて復元した数値を割合で表示している。


〔事業所調査〕

 調査対象事業所は、日本標準産業分類による9大産業[鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(家事サービス業、教育、外国公務を除く)]に属する常用労働者を5人以上雇用する民営事業所のうちから抽出した約12,000事業所(有効回答率70.6%)を対象に平成12年10月1日現在の状況について郵送により調査を行った。



II 調査結果の概要

骨子

[個人調査]

1 高年齢者の就業率は男70.9%、女44.2%

 平成12年9月現在の55〜69歳の高年齢者の就業率は、男70.9%、女44.2%で、平成8年調査(以下「前回調査」という。)と比べ、男は2.9ポイント低下、女は0.7ポイント上昇した。
 不就業者のうち就業希望者の割合をみると、男47.8%、女29.4%で、前回調査と比べ、男4.6ポイント、女0.5ポイント低下した(第1表)。

2 高年齢就業者の雇用者比率は男58.4%、女51.9%、高年齢就業者の就業理由で「経済上の理由」が最も高い

(1) 就業者の従業上の地位をみると、「雇用者」の割合が男58.4%、女51.9%で、前回調査と比べ、男1.4ポイント、女3.9ポイント上昇した。
 年齢階級別にみると、男女いずれも加齢とともに雇用者の割合が低下し、自営業主の割合が上昇している(第3表)。

(2) 雇用者を勤務形態別にみると、「普通勤務」の割合が男84.7%、女56.7%で、前回調査と比べ、男2.3ポイント、女4.9ポイント低下した。
 年齢階級別にみると、男女いずれも加齢とともに「普通勤務」の割合が低下し、「短時間勤務」の割合が上昇している(第4表)。

(3) 就業者の就業理由をみると、「経済上の理由」の割合が男81.5%、女67.2%でそれぞれ最も高くなっている(第5表)。

3 不就業者のうち就業希望者が仕事につけなかった理由は「適当な仕事がみつからなかった」が最も高い
 不就業者のうち非就業希望者が仕事をしたいと思わなかった理由は、男は「本人の健康上の理由」、女は「家事等に専念したいから」が最も高い

(1) 不就業者のうち就業希望者が仕事につけなかった理由をみると、「適当な仕事がみつからなかった」の割合は男63.7%、女45.1%でそれぞれ最も高く、前回調査と比べ、男4.4ポイント、女5.7ポイント上昇した。次いで「本人の健康上の理由」の割合が男22.3%、女21.6%であるが、前回調査と比べ、男8.4ポイント、女7.3ポイント低下した。
 適当な仕事がみつからなかった者についてその理由をみると、「今までの技能、経験を活かせる仕事がなかった」の割合は男66.7%、女44.7%で、前回調査と比べ、男2.6ポイント、女10.5ポイント上昇した。これに対し、「労働時間が希望と合わなかった」の割合は男7.4%、女16.3%で、前回調査と比べ、男3.7ポイント、女8.5ポイント低下した(第6−1表第6−2表)。

(2) 適当な仕事がみつからなかった者の希望する勤務形態をみると、「普通勤務で雇われたい」の割合が男43.4%、女22.9%で、前回調査と比べ、男3.6ポイント、女8.6ポイント上昇した(第7表)。

(3) 不就業者のうち非就業希望者が仕事をしたいと思わなかった理由をみると、男は「本人の健康上の理由」の割合が42.7%と最も高く、女は「家事等に専念したいから」の割合が37.0%と最も高くなっているが、前回調査と比べそれぞれ低下している。なお、「経済上の理由」は男13.5%、女6.4%であるが、前回調査より上昇している(第8−1表)。

4 肉体的に「フルタイムで働くことが可能」が上昇、「社会貢献活動をしたい」男51.4%、女38.6%

(1) 高年齢者を肉体的な面からみると、「フルタイムで働くことが可能」な者の割合は、男57.2%、女26.5%で、前回調査と比べ、男4.7ポイント、女2.1ポイント上昇した(第9表)。

(2) 高年齢者のうち「社会貢献の活動をしたいと思っている」者の割合は、男51.4%、女38.6%、そのうち「ボランティア活動」をしたいと思っている者の割合が最も高く、男30.4%、女53.8%となっている(第11表)。

5 年金受給者の就業率は男53.8%、女31.9%

 年金を受給している者のうち9月中に仕事をした者の割合は、男53.8%、女31.9%で、前回調査と比べ、男2.6ポイント、女1.0ポイント低下した。年金を受給していない者のうち9月中に仕事をした者の割合は、男89.1%、女55.8%で、前回調査と比べ、男は3.3ポイント低下したが、女は2.2ポイント上昇した(第16表)。

6 就業促進のための施策

 高年齢者の就業促進のための施策として「高年齢者対象の求人の掘り起こし」、「65歳程度までの継続雇用についての企業への働きかけ」、「募集・採用における年齢差別の禁止」を必要だと考えている高年齢者の割合が高くなっている(第18表)。

[事業所調査]

1 60歳以上の常用労働者がいる事業所の割合は47.8%、全常用労働者に占める60歳以上の常用労働者の割合は6.4%

(1) 60歳以上の常用労働者(以下「60歳以上の高年齢労働者」という。)がいる事業所の割合は47.8%となっており、60〜64歳がいる事業所の割合は39.0%、65〜69歳がいる事業所の割合は23.3%、70歳以上がいる事業所の割合は11.8%となっている(第19表)。

(2) 全常用労働者に占める60歳以上の高年齢労働者の割合は6.4%となっており、60〜64歳3.9%、65〜69歳1.7%、70歳以上0.7%となっている(第20表)。

2 高年齢労働者を雇用するために現在特別な措置をとっている事業所の割合は25.0%

 60歳以上の高年齢労働者を雇用する事業所のうち、高年齢労働者を雇用するために現在特別な措置をとっている事業所の割合は25.0%となっている。特別な措置の内容は「労働時間の短縮、勤務時間の弾力化」、「適職への配置、仕事の分担の調整」、「仕事量の調整」などの割合が高くなっている(第23表)。

3 60歳代前半層の雇用拡大のために何らかの公的援助が必要だとしている事業所の割合は50.0%

 全事業所のうち、60歳代前半層の雇用拡大のために何らかの公的援助が必要だとしている事業所の割合は50.0%となっており、どのような公的援助が必要かをみると、「賃金に対する助成」が39.1%と最も高い割合となっている(第24表)。



III 主な用語の説明

[個人調査]

 高年齢者(平成12年10月1日現在55歳以上69歳以下の者)を次のように区分している。

高年齢者 就業者

不就業者




就業希望者

非就業希望者
 就業者: 平成12年9月中に1日でも「収入になる仕事をした者」(「仕事を持っていて、9月中に休職・休業した者」を含む。)
なお、「収入になる仕事」には家業(農業も含む。)の手伝いや内職も含む。

 不就業者: 平成12年9月中に1日も「収入になる仕事をしなかった者」

 就業希望者: 不就業者のうち「仕事をしたいと思いながら仕事につけなかった者」

 非就業希望者: 不就業者のうち「仕事をしたいと思わなかった者」

 就業率: 人口に占める就業者の割合

 (例)55〜69歳(男)の就業率 =


55〜69歳(男)の就業者数
55〜69歳(男)の人口
 × 100
 年金: 厚生年金(特別支給の老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金を含む。)、国民年金(老齢基礎年金のほか障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金を含む。)、公務員等共済組合給付、恩給、 企業独自の退職年金(厚生年金基金、適格退職年金など)、その他(個人年金、労災補償年金など)をいう。

平成12年国勢調査(平成12年10月1日現在)

性、年齢階級別高年齢者数

(万人)
55〜59歳 60〜64歳 65〜69歳
873 774 711
429 375 336
444 399 375


[事業所調査]

 早期退職優遇制度:一定年齢以上で定年年齢到達以前に退職した場合に、退職金などを優遇する制度。


統計表等に用いてある符号の意味は、次のとおりである。

 「M.A.」は、複数回答であることを示すもので、構成比の合計は100.0を超える場合がある。
 「0.0」は、四捨五入の結果、表章単位に満たない箇所である。
 「―」印は、該当数値がない箇所である。
 「*」印は、サンプル数が少ないため公表しないものである。
 「…」印は、調査を行っていないため、数値を計上できないものである。



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