トピックス  厚生労働省ホームページ

食の安全推進アクションプラン

策定: 2000年12月
改定: 2002年2月

 食生活は、国民の健康な生活の基礎をなす重要なものであり、食品の安全に対する国民の関心もますます高まっています。

 食品衛生行政においては、食中毒の防止や、食品添加物等の安全性確保などの伝統的な課題に加え、近年の科学技術の発達に伴い、遺伝子組換え食品や、化学物質の未知の健康影響など、新たな課題が生じています。また、平成12年の夏には、雪印乳業食中毒事故や食品への異物混入事故も多数発生し、改めて、食の安全推進の重要性が指摘されました。

 もとより、食品の安全確保は、第一義的には、生産者と販売者の責任ですが、都道府県及び政令指定都市・保健所設置市は、その監視指導の役割を担い、国は、制度づくり、基準づくり、広域問題への対応、調査研究の推進などの役割を担っており、それぞれの役割分担の下に、対策の推進が必要です。

 このような中で、厚生労働省としては、国民が日々健康で安心して生活を送ることができるよう、現行の食品衛生法の枠組み(食品の規格基準、表示基準、営業施設の基準、食品監視など)に基づいて、迅速かつ的確に、一層の運用強化を図っていくこととしており、今般、「食の安全推進アクションプラン」を策定し、食品衛生対策の一層の推進と、消費者へのわかりやすい情報の提供に努めることとしました。
 なお、このアクションプランは、今後、随時見直しを行っていくこととしています。

1.食品添加物の安全性確保の推進

○食品添加物の指定は、最新の科学的知見に基づいて安全性を適切に評価して、指定審査や見直しを行っていきます。

○食品添加物の一日摂取量調査など、情報の収集等を積極的に進めます。

○より一層の安全性確保のため、規格や基準の整備、見直し等を進めます。

○平成7年の食品衛生法改正で経過措置として規定された既存添加物については、安全性に関する資料の収集、試験の実施等を進めます。

○基準の設定や、調査の結果について、情報の提供・公開に努めます。

2.食品中の残留農薬の安全性確保の推進

○残留基準が設定されていない農薬について、新たな基準設定(毎年20農薬程度ずつ)を進めるとともに、基準の見直しも進めます。

○残留農薬の実態調査の手法の改良等も行いつつ、実態把握に努めます。

○基準の設定や、調査の結果について、情報の提供・公開に努めます。

○複数の化学物質による人への影響についても、調査研究を進めます。

3.残留動物用医薬品等の対策の推進

○畜産動物や養殖魚に対して、病気の予防等に用いられる動物用医薬品等については、順次、食品中の残留基準値の設定を進めます。

○また、残留モニタリング検査を行っていきます。

○基準の設定や、調査の結果について、情報の提供・公開に努めます。

4.抗生物質耐性細菌(バンコマイシン耐性腸球菌など)による食品の汚染の防止

○食品中の抗生物質耐性菌(抗生物質に耐性を持つ細菌)の1つとして、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌:バンコマイシンという抗生物質に対して耐性を持つ腸球菌)があります。食品の中のVREについては、今後も実態調査を進めます。

○また、VREが検出された輸出国に対しては、畜産食品からVREが検出される原因とされている抗生物質アボパルシンの使用禁止等のVRE汚染防止対策を求めます。

5.輸入食品の安全性確保の推進

○検疫所で実施している輸入食品の検査体制については、統計学的手法に基づき算出される国際レベルのモニタリング検査の充実を図ると共に、輸入が急増している食品については重点的なモニタリング検査を実施します。

○検疫所の輸入食品監視支援システム(FAINS)については、ワンストップサービスの更なる推進を図ります。

○輸入食品等事前確認制度や、輸出国に対する技術協力等により、輸入食品の輸出国における衛生対策を推進します。

○違反食品の輸入を未然に防止するため、検疫所の輸入相談業務を推進します。

○輸入監視業務ホームページ等により、消費者への情報提供を充実します。

6.食中毒対策の推進

○広域的な食中毒事件に対応するため、厚生労働省と都道府県等との連携を強化します。

○社会福祉施設等を含め、集団給食施設の関し指導を強化します。

○インターネット等を活用した食中毒情報の迅速な提供及び啓発に努めます。

○食品営業施設に対する監視指導について、重点化及び効率化の観点から、監視指導の見直しを図ります。

7.異物混入防止対策の推進

○事業者への啓発普及、HACCPの普及、監視指導の強化等により、食品への異物混入の防止を推進します。

8.HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)の推進

○より高度な衛生管理システムであるHACCPシステムの導入普及を今後とも図ります。

○評価検討会の設置や、厚生労働省の地方厚生局への事務移管も行い、承認審査及び承認後の監視等の強化を図ります。

9.食物アレルギー対策の推進

○食物アレルギーを起こしやすい食品材料の表示の義務化を実施しています。

○食物アレルギーについての研究や普及啓発を進めます。

10.遺伝子組換え食品の安全性確保の推進

○遺伝子組換え食品の安全性審査及び表示の法的義務化を平成13年4月より実施しています。

○遺伝子組換え食品の安全性審査は、最新の科学的知見に基づき、多くの審査項目を設けて審査しています。

○安全性審査については、我が国は、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)の特別部会の議長国として、国際的な基準づくりに努めます。

○未審査の遺伝子組換え食品が輸入されていないか、遺伝子組換え食品の輸入時の届出が正しく行われているかの検証の為、モニタリング検査を行っています。

○遺伝子組換え食品の安全性についての研究を推進します。

○安全性審査やモニタリング検査の結果について、情報の提供・公開に努めます。

11.器具・容器包装及びおもちゃの安全性確保

○器具・容器包装及びおもちゃに使われる化学物質については、安全性確保のための調査研究を推進します。

○研究の進展により新たな知見が得られた場合には、規格基準の設定等適切な措置を講じます。

12.内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の調査研究の推進

○内分泌系への薬理作用を期待して使用された特定の医薬品のような例を除き、内分泌かく乱化学物質が人の健康に影響を及ぼすとの確たる因果関係を示す科学的知見は得られていませんが、今後とも一層の調査研究を推進します。

13.食品中のダイオキシン等の調査研究の推進

○食品中のダイオキシンは、バランスの良い食事をとっていれば、耐容一日摂取量(TDI)を下回る水準ですが、今後とも調査研究を推進していきます。

○食品中のその他の化学物質についても、調査研究を推進します。

14.牛海綿状脳症(BSE)対策の推進

○全頭検査の着実な実施と特定部位の確実な除去・焼却により、食肉の安全確保を図っています。

○EU諸国等からの輸入牛肉等を通じてBSEが我が国へ侵入しないよう食品安全対策の徹底を図っています。

15.保健機能食品制度の創設

○消費者の選択に資する適切な表示の推進を図ります。

○基準の設定等の状況については、情報の提供、公開に努めます。

○保健機能食品制度の施行に当たっては、その適切な運用を図るため、監視指導の充実に努めます。

16.食品衛生行政の推進と情報の提供・公開

○食の安全については、生産者・販売者の第一義的な責任を前提に、国及び地方自治体が適切な役割分担の下で、食品衛生の推進を図ります。

○省庁再編に併せて設置された地方厚生局に、食品衛生担当の組織を置き、国としても一層の体制充実を図ります。

○適切なリスクアセスメント(評価)に基づいたリスクマネジメント(管理)を推進するとともに、リスクコミュニケーション(情報交換)を図りながら、問題の未然防止の視点に立った調査研究や検査、監視等を充実します。

○消費者の視点に立った食品衛生行政の推進と情報の提供・公開に努めます。


1. 食品添加物の安全性確保の推進

(1) 食品添加物規制の現状

・食品添加物とは(食品衛生法第2条第2項)

 食品添加物とは、食品衛生法において下記のように定義されており、保存料、甘味料、着色料等が該当します。

(食品添加物の定義)

 添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物

・食品添加物の指定(食品衛生法第6条)

 原則として、厚生労働大臣が定めたもの以外の製造、輸入、使用、販売等は禁止されており、この指定の対象には、化学的合成品だけでなく天然物も含まれます。
 例外的に、指定の対象外となるものは、一般に飲食に供されるもので添加物として使用されるもの及び天然香料のみです。
 従って、未指定の添加物を製造、輸入、使用、販売等した場合には食品衛生法第6条違反となります。

食品添加物の指定対象と指定対象外の図

・食品添加物の規格及び使用基準(食品衛生法第7条)

 食品添加物については、必要に応じて規格や基準が定められています。

規格とは− 食品添加物の純度や成分について最低限遵守すべき項目を示したものであり、安定した製品を確保するため定められています。
基準とは− 食品添加物をどのような食品に、どのくらいまで加えてもよいかということを示したものであり、過剰摂取による影響が生じないよう、食品添加物の品目ごとあるいは対象となる食品ごとに定められています。

・食品添加物の表示(食品衛生法第11条)

 原則として食品に使用した添加物は、すべて表示することが義務づけられています。表示は、物質名で記載され、保存料、甘味料等の用途で使用したものについては、その用途名も併記しなければなりません。なお、食品に残存しないもの等については、表示が免除されています。これらの表示基準に合致しないものの販売等は禁止されています。

(2) 現在、我が国で使用が認められている食品添加物の種類


・指定添加物: 338品目

 食品衛生法第6条に基づき、厚生労働大臣が定めたもので、食品衛生法施行規則別表第2に収載されています。

・既存添加物: 489品目

 平成7年度に食品衛生法が改正され、指定の範囲が化学的合成品のみから天然物を含む全ての添加物に拡大されました。法改正当時既に我が国において広く使用されており、長い食経験があるものについては、法改正以降もその使用、販売等が認められることとなり、例外的に食品衛生法第6条の規定を適用しないこととなっております。そのような既存添加物は、既存添加物名簿に収載されています。

・天然香料: 約600品目

 動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使用されるもので、基本的にその使用量はごく僅かであると考えられます。

・一般飲食物添加物: 約100品目

 一般に飲食に供されているもので添加物として使用されるものです。

食品添加物の例
  添加物名 概要
指定添加物 ソルビン酸 不飽和脂肪酸に静菌作用があることから発見された物質で、保存料として用いられる。チーズ、食肉製品、漬け物等に使用が認められている。
キシリトール 野菜や果物に含まれている天然物で、ガム、清涼飲料水等に甘味料として用いられる。
既存添加物 クチナシ色素 クチナシの果実から得られる着色料。栗きんとん等に用いられる。
柿タンニン 柿の渋から得られる清澄剤。酒の製造等に用いられる。
天然香料 バニラ香料 ラン科バニラの果実から得られる香料。複数の揮発性成分から構成されている。
カニ香料 カニの身から得られる香料。蒲鉾等の魚肉練り製品に用いられる。
一般飲食物添加物 イチゴジュース イチゴの果実を搾汁したもの。饅頭の着色に用いられる
緑茶 ツバキ科チャの葉で、饅頭などの着色に用いられる。


(3) 食品添加物の安全性評価の方法

 食品添加物の安全性は、物質の分析結果、動物を用いた毒性試験結果等科学的なデータを薬事・食品衛生審議会において審議し、評価されます。審議の概略は以下のようなものです。

審議の概略の図

(4) 食品添加物の摂取状況

(1)食品添加物一日摂取量調査
 食品添加物を実際にどの程度摂取しているかを把握することも、食品添加物の安全性を確保する上で重要なことであり、マーケットバスケット方式を用いた食品添加物一日摂取量調査を実施しています。
 マーケットバスケット方式とは、スーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれている食品添加物量を分析して測り、その結果に国民栄養調査に基づく食品の喫食量を乗じて摂取量を求めるものです。
 最近の調査結果の一例を下記に示しますが、安全性上問題ないことが確認されています。また、この調査により安全性上問題となるような結果が明らかとなった場合には、食品添加物の基準を改正するなど必要な措置を講じることとしています。

成人(20〜64歳)における食品添加物の一日摂取量と一日摂取許容量(ADI)との比較(平成11年度)
対象物質名 一日摂取量
(mg/人)
一日摂取
許容量
(ADI)
(mg/kg体重)
成人の平均体重
(58.7kg)における一
日あたりの許容摂
取量(mg/日)
摂取量のADI
に占める割合
(%)
アスパルテーム 2.55 40 2348 0.1
サッカリンナトリウム 0.760 5.0 293.5 0.3
食用赤色2号 0 0.5 29.35 0.0
食用黄色4号 0.000671 7.5 440.25 0.0
亜硫酸 0 0.7 41.09 0.0
ソルビン酸 17.9 25 1467.5 1.2
ブチルヒドロキシアニソール
(BHA)
0 0.5 29.35 0.0
オルトフェニルフェノール
(OPP)
0 0.2 11.74 0.0
チアベンダゾール 0.001070 0.1 5.87 0.0
プロピレングリコール 10.6 25 1467.5 0.7

(2)食品添加物分析法
 食品添加物の基準への適合性を確認するため、あるいは一日摂取量調査を行うためには、食品中の食品添加物を高精度かつ効率よく分析するための方法が必要となり、これらについても開発、改良を進めています。
 今後とも、科学技術の進歩とともに分析法のさらなる開発、改良を進めることとしています。

(5) 食品添加物規制の国際的整合化

 食品添加物の規格や基準については、それぞれの国の法律により定められており、各国間で相違点もあります。また、食品添加物を使用することができる食品についても、各国の食文化により違いが生じます。国際的な貿易が盛んとなり、食品の輸出や輸入が増大する中で、食品の安全性を確保しつつ、規制の整合化が国際的な課題となっており、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)の合同食品規格委員会(コーデックス委員会)の食品添加物汚染物質部会において検討がなされています。
 加盟国からのさまざまな要望がこの部会で議論され、各国共通の基準や規格の採択を目指した検討が行われており、我が国もこれらの活動に積極的に取り組んでいます。
 また、食品添加物の安全性について国際的な評価を行う機関としては、国連食糧農業機関/世界保健機関合同食品添加物専門家会議(通称:JECFA<FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives) があります。JECFAは、コーデックス委員会とは独立した専門家による会議ですが、コーデックス委員会に対して助言等を行っており、科学的知見に基づいた国際的な規格や基準の策定に重要な役割を果たしています。

コーデックス委員会における食品添加物関連事項の審査過程の図

(6) 今後の対策

 食品添加物の安全性については、最新の科学的知見に基づき、適切に評価する必要があり、食品添加物一日摂取量調査等今後とも情報の収集等を積極的に行っていくこととしています。
 また、食品添加物のより一層の安全性を確保するため、規格や基準の整備、見直し等を必要に応じて行うこととしており、食品添加物が安全かつ有効に使用されるための取り組みを今後とも積極的に進めます。


2.食品中の残留農薬の安全性確保の推進

(1)農薬使用の現状

国内… 農薬取締法(農林水産省・環境省所管)に基づき、国内で使用される全ての農薬は登録を受ける必要があり、農薬を使用する際には使用時期・方法を定めた農薬安全使用基準を遵守することが求められます。
国外… 欧米諸国においても、日本と同様に農薬の登録制度があり農薬の使用が規制されています。

(2) 残留農薬対策を取り巻く状況

(1)国内における状況
 輸入農産物の多様化、新規登録農薬の増加等に伴い、食品中に残留する農薬の安全対策は重要な課題となっています。農薬が残留する食品に関しては、食品衛生法に基づいて、適切な安全性確保のための施策を講じることが求められています。

(2)国際的な状況
 国際的に流通している食品に残留している農薬の安全性に関しては、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)の残留農薬部会において検討が行われています。ここでは食品中に残留する農薬の許容限度に関する国際基準を定めており、我が国もこれらの活動に積極的に取り組んでいます。

(3) 残留農薬の食品衛生法上の規制

(1)残留農薬基準の策定と基準違反食品の販売の禁止
 残留農薬基準は、食品衛生法第7条第1項に基づく食品規格の一つとして、食品に残留する農薬の許容限度を定めたものです。農薬・農産物毎に定められ、国内の農産物のみならず、輸入農産物にも適用されます。本基準に合致しない農産物の販売・流通は禁止されます。

(2)不衛生食品等の販売の禁止
 残留農薬基準が設定されていない農薬についても、食品衛生法第4条に基づき、残留している農薬の毒性及びその残留量から、人の健康を損なうおそれがあると判断される場合には、当該農産物の販売・流通は禁止されます。

(4) 残留農薬基準の策定状況(現在の残留農薬基準値についてはこちらのページをご覧下さい

(1)新たな基準策定の状況
 平成12年までに200農薬程度について基準を策定することを目標としてきたところであり、平成13年10月現在、217農薬について約130の農産物の種類ごとに約8,500以上の基準を定めています。また、平成13年9月に12農薬の基準について薬事・食品衛生審議会から答申が得られたところであり、現在、告示の準備を行っているところです。

(2)基準の見直しの状況
 平成10年から残留農薬基準の見直しについて検討を始めており、これまでに26農薬について見直しを終了しています。また、平成13年9月に9農薬について薬事・食品衛生審議会から答申が得られたところであり、現在、告示の準備を行っているところです。

(3)基準策定の考え方

基準策定の考え方の図

 食品衛生調査会は残留農薬基準策定における評価方法について検討を行い、平成10年8月に「残留農薬基準設定における暴露評価の精密化」について厚生大臣宛に意見具申し、現在はこれに基づく評価を行っています。具体的には、幼小児、妊婦、高齢者のそれぞれの集団の摂食パターンを考慮した上で、作物残留試験成績、可食部の残留農薬に関する試験成績、加工調理の残留農薬に関する試験成績等に基づく科学的な暴露量試算方式(日本型推定一日摂取量方式)を採用することによって、より精密に暴露量を試算し、残留農薬基準を策定することとしています。

(4)残留農薬分析法の開発
 残留農薬基準を策定しようとする農薬について、各農産物における残留農薬量を測定する分析法の開発を行い、残留農薬基準を告示すると同時にこの分析法を告示しています。残留農薬の基準に違反しているかどうかの検査は、原則としてこの分析法によります。
 さらに、過去に開発された分析法については、科学技術の進展に伴う見直しも実施しています。

(5)残留農薬の実態調査

(1)農産物中の実態調査
 実態を把握するため、以下の調査結果を集計・整理しています。
・地方公共団体における検査結果(地方公共団体からの資料提供の協力による)
・検疫所における検査結果
・厚生労働省における検査結果

平成10年度総括表
  国産・輸入 検査数 検出数 基準を超える件数
基準が設定されているもの 国産品 133,452 725 0.54 22 0.02
輸入品 119,493 1,047 0.88 63 0.05
合計 252,945 1,772 0.70 85 0.03
基準が設定されていないもの 国産品 86,969 325 0.37  
輸入品 136,323 322 0.24
合計 223,292 647 0.29
総合計 国産品 220,421 1,050 0.48
輸入品 255,816 1,369 0.54
合計 476,237 2,419 0.51

表3 平成9年度総括表
  国産・輸入 検査数 検出数 基準を超える件数
基準が設定されているもの 国産品 119,455 742 0.62 30 0.03
輸入品 90,367 1,048 1.16 62 0.07
合計 209,822 1,790 0.85 92 0.04
基準が設定されていないもの 国産品 77,831 238 0.31  
輸入品 106,666 246 0.23
合計 184,497 484 0.26
総合計 国産品 197,286 980 0.50
輸入品 197,033 1,294 0.66
合計 394,319 2,274 0.58

(2)マーケット・バスケット調査
 国民が日常の食事を介して食品に残留する農薬をどの程度摂取しているかを把握するために、平成3年度より国民栄養調査を基礎としたマーケット・バスケット方式による農薬の一日摂取量実態調査を行っています。

(マーケット・バスケット調査とは)

 市場で流通している農産物、加工食品、魚介類、肉類、飲料水等のあらゆる食品について通常行われている調理方法で調理を行った後に測定された各食品に含まれている農薬量から、国民栄養調査を基礎として1日あたりに食品を食べることによって摂取される農薬量を調査するもの。

平成3〜11年度マーケット・バスケット調査結果
いずれかの食品群において検出された農薬
調査対象農薬名 平均1日摂取量(μg) ADI(μg/50kg/日) 対ADI比(%)
DDT 2.97 250 1.19
EPN 2.25 〜 2.82 115 1.96 〜 2.46
アジンホスメチル 3.21 250 1.28
アセフェート 6.99 〜 21.93 1,500 0.46 〜 1.46
エンドスルファン 3.46 300 1.15
クロルピリホス 1.07 〜 2.16 500 0.21 〜 0.43
クロルピリホスメチル 0.95 〜 2.17 500 0.19 〜 0.43
シペルメトリン 2.59 〜 21.62 2,500 0.10 〜 0.86
ジメトエート 1.60 〜 3.04 1,000 0.16 〜 0.30
臭素 6,037.50 〜8,150.28 50,000 12.08 〜 16.30
バミドチオン 20.89 400 5.22
フェニトロチオン 0.77 〜 7.12 250 0.31 〜 2.85
フェントエート 1.26 〜 4.06 75 1.67 〜 5.41
フェンバレレート 45.07 1,000 4.51
プロチオホス 2.16 〜 2.35 75 2.88 〜 3.13
マラチオン 1.03 〜 2.16 1,000 0.10 〜 0.22
メタミドホス 2.84 〜 3.72 200 1.42 〜 1.86
注)なお、平成11年度においては農薬が検出されなかった。

(3)加工食品残留実態調査
 特に輸入加工食品中の残留農薬の実態を把握することを目的として、平成9年度から以下の加工食品について調査を行っています。
・平成9年度 果汁、ベビーフード
・平成10年度 パン、果物缶詰
・平成11年度 植物油、冷凍食品

(6)今後の対策

(1)残留農薬基準の拡充(新規策定・改定)
 国内登録農薬は増加していること、また、世界的に使用されている農薬のうち残留基準が設定されていない農薬もまだあることから、これまでと同様に(1年に約20農薬ずつ)基準策定を進めていきます。また、現在策定されている基準の見直しについても引き続き行っていきます。

(2)残留農薬の実態の把握
 実態調査の手法の改良について検討を行う等、今後とも残留農薬の実態の把握に努めて行きます。
 また、複数の化学物質による人への影響についても調査研究を進めます。

(3)情報提供の充実
 残留農薬の実態調査結果については厚生労働省医薬局食品保健部基準課編「食品中の残留農薬」(平成8年度より毎年度発行)において公表しているところです。
 また、平成10年に食品衛生調査会において残留農薬基準策定における暴露評価の精密化に関して審議を行った中で、残留農薬規制行政について消費者に対してよりわかりやすい情報提供が必要とされたことを受け、「食品中の残留農薬Q&A」(書籍の概要についてはこちらのページをご覧ください)が出版されたところです。
 残留農薬の実態調査結果等については、情報提供を引き続き行っていきます。


3.残留動物用医薬品等の対策の推進

(1)畜水産業における動物用医薬品等の使用の状況
(1)畜水産業において使用される動物用医薬品等とは
 牛、豚、鶏などの畜産動物や養殖魚に対して、病気の治療や予防のために、抗生物質、寄生虫駆除剤などの動物用医薬品や、飼料の効率の改善や栄養成分の補給のために飼料添加物というものが使用されることがあります。これらの飼育段階で使用される抗生物質等の化学物質を動物用医薬品等と呼んでいます。
 動物用医薬品等は、国によって使用されているものが異なります。例えば、肥育を促進するためのホルモン剤は、米国等で使用されていますが、日本やEUでは使用されていません。

(2)動物用医薬品等の規制
 動物用医薬品のうち、抗生物質のように、特に畜水産食品中の残留に注意が必要なものには、使用方法や、投与してから出荷までの期間について薬事法に基づいて基準が定められています。また、飼料添加物についても、飼料安全法に基づいて同様な基準が定められています。

(図1:動物用医薬品の分類)

動物用医薬品の分類の図

動物用医薬品の使用基準
 使用対象動物、用法・用量及び使用禁止期間等が規定されている

(図2:飼料添加物の分類)

飼料添加物の分類の図

飼料添加物の基準等(飼料一般の使用の方法の基準)

(1)対象動物、使用時期、使用量が規定されている。
(2)搾乳中の牛又は産卵中の鶏もしくはウズラへの使用が禁止されている。
(3)食用を目的としてと殺する前の7日間の牛、豚、鶏またはうずらへの使用が禁止されている。

(2)残留動物用医薬品等の食品衛生法上の規制

 日本における食品中の動物用医薬品等については、食品衛生法第7条を根拠規定とした告示「食品、添加物等の規格基準」の中で、「食品は、抗生物質を含有してはならない」、「食肉、食鳥卵及び魚介類は、化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならない。」と規定されています。
 抗生物質等の食品中への含有を認めないこととした理由は、抗生物質等の一般的な安全性の問題や薬剤耐性菌の出現によるヒトの健康に対する影響が懸念されたためです。
 しかしながら、一律に抗生物質等の残留を禁止する規定では、物質ごとの安全性に対する科学的な評価がなされていないこと、抗生物質等以外の動物用医薬品の評価を行っていないこと及び国際的整合をとる必要があることなどのため、安全性評価に必要な資料が整ったものから順次食品中の残留基準値の設定を行っているところです。

(3)残留動物用医薬品等の健康影響の評価

 残留動物用医薬品等の安全性評価は、薬事・食品衛生審議会において実施されています。
 安全性評価には、動物を用いた急性毒性試験、慢性毒性試験、催奇形性試験、発がん性の試験や細胞などを用いた変異原性試験、微生物に対する影響の試験等、様々な試験データを用いて、全く影響のない用量である無影響量(NOEL:No-Observed Effect Level)又は有害な影響のない無毒性量(NOAEL:No-Observed Adverse Effect Level)を決定します。この数値に試験を実施した動物と人との種の違いによる差や個体差を考慮し安全性係数で補正し、1日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)を決定します。ADIを基に、個々の畜水産食品ごとに 残留しても影響のない最大残留基準値(MRL:Maximum Residue Limits)を決定 します。これを基に、食品中の残留基準値の設定を行います。

(図3:動物用医薬品等残留基準の設定手続きの流れ)

動物用医薬品等残留基準の設定手続きの流れの図

(4)畜水産食品に残留する動物用医薬品等の現状

 と畜場において、注射痕のある家畜や投薬歴が不確かなもの等、動物用医薬品等の残留の可能性がある家畜について、検査を実施しています。
 また、畜水産食品中の動物用医薬品等の残留状況について、継続的に監視していくために、国産品については都道府県等の食品担当部局が、また輸入品については検疫所が、毎年度ごとに畜水産食品の動物用医薬品等についてモニタリング検査を実施しています。

(5)食品中に残留する動物用医薬品等の規制

(1) 動物用医薬品等の科学評価に基づいた残留基準値を現在までのべ22品目について決定しています。
(2) 国産及び輸入食品についての残留モニタリング調査の実施
 国産畜水産食品について、モニタリング検査の結果、基準を超えた動物用医薬品等が検出された場合には、都道府県等において、当該食品を違反食品として回収するとともに、農林水産部局等と連携し、残留原因の解明、生産者への指導などが行われ再発防止の措置がとられます。
 輸入畜水産食品については、モニタリングの結果、基準を超えた動物用医薬品等が検出された場合には、違反食品は検疫所において回収・積み戻し・廃棄などの措置がとられ、都道府県等においても必要な措置がとられます。また、モニタリング結果を評価し、海外から情報収集・二国間協議を通じて得られる情報を基に今後の検査計画の策定、特定の輸入畜水産食品への輸入検査の強化を図るなどの措置を行っています。

(図4:残留動物用医薬品等の基準の設定プロセス)

残留動物用医薬品等の基準の設定プロセスの図

(図5:残留動物用医薬品等のモニタリング検査フロー)

残留動物用医薬品等のモニタリング検査フローの図

(6)施策の実施状況

(1) 残留基準値の設定状況
 平成7年から、個々の動物用医薬品等が残留した食品を摂取することによるヒトへの健康影響について、科学的な評価が国内外で確立したものから、ヒトの健康影響がないレベルを食品中への残留基準値として設定しています。
 現在のところ、のべ22品目の動物用医薬品について、残留基準値を設定しています。

○抗生物質又は合成抗菌剤(10品目)
オキシテトラサイクリン、スピラマイシン、ベンジルペニシリン、
オキシテトラサイクリン/テトラサイクリン/クロルテトラサイクリン、チルミコシン、セフチオフル
スルファジミジン、カルバドックス、ジクラズリル、ナイカルバジン
○内寄生虫駆除薬(10品目)
イベルメクチン、クロサンテール、フルベンダゾール、アルベンダゾール、イソメタミジウム、
チアベンダゾール、トリクラベンダゾール、モキシデクチン、エプリノメクチン、レバミゾール
○ホルモン剤(2品目)
ゼラノール、トレンボロンアセテート

(2)残留モニタリング検査結果について
 過去10年間の調査結果は以下のとおりです。

(表1:畜水産食品モニタリング調査結果の一覧)

国産畜水産食品モニタリング検査件数、検出数などの推移
  H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12
検体数 8,486 9,855 10,311 10,996 10,413 7,207 8,988 9,170 11,215 9,447
検出数 30 32 7 63 40 8 8 6 8 6
検出率 0.35% 0.32% 0.07% 0.57% 0.38% 0.11% 0.09% 0.07% 0.07% 0.06%
検査項目数 24,477 45,044 56,209 63,853 71,592 55,139 63,780 53,733 46,009 44,204

輸入畜水産食品モニタリング検査件数、検出数などの推移
  H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12
検体数 812 2,168 2,347 1,990 2,151 2,522 2,409 2,353 2,450 2,118
検出数 3 1 3 5 1 0 0 5 0 6
検出率 0.37% 0.05% 0.13% 0.25% 0.05% 0% 0% 0.21% 0% 0.28%
検査項目数 4,240 5,723 7,021 5,767 6,569 4,094 5,987 5,058 4,284 4,472

(7)消費者への情報提供について

 残留モニタリング検査結果について、とりまとめ次第、インターネット等で公表しています。(平成12年度の残留有害物質モニタリング結果についてはこちらのページをご覧下さい)
 また、残留基準値の設定に際しては、パブリックコメントにより、広く国民の意見を伺います。また、設定の審議を行う薬事・食品衛生審議会を公開で実施し、資料も公開しています。更に各設定値については厚生労働省ホームページで閲覧できるようにしています。(現在の残留動物用医薬品基準値についてはこちらのページをご覧下さい)

(8)今後の対応

 引き続き、残留モニタリング検査を実施してまいります。また、平成11年3月に食品衛生調査会委員長(現、薬事・食品衛生審議会会長)あて諮問を行った12品目の動物用医薬品等について順次残留基準値を設定するとともに、コーデックス委員会で基準値の設定されているもの等について今後諮問を行い国際的整合性を保ちつつ、充実を図ることとしています。


4.抗生物質耐性菌(バンコマイシン耐性腸球菌など)による食品の汚染の防止

(1)抗生物質耐性菌について
(1)抗生物質耐性菌とは
 抗生物質とは、細菌を死滅又は増殖しないようにする効果がある化学物質で、感染症の治療薬などとして使用されてます。抗生物質の発明は、多くの感染症から人々を救い、感染症の恐怖はなくなったと思われました。
 しかしながら、抗生物質を使用し続けると、その抗生物質が効かない菌(抗生物質耐性菌。以下耐性菌といいます。)が生じることがあります。免疫力の弱い人が抗生物質を使用すると、耐性菌以外の細菌が死滅するので、耐性菌に感染した場合、異常に繁殖し、重度の感染症となることがあります。このため、主に病院などの医療現場において、耐性菌の院内感染(病院内で人から人に病気が移ること)の防止対策が重要視されているところです。また、複数の抗生物質に耐性を持っている細菌(多剤耐性菌)も発生しています。

(2)VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)について
 耐性菌の1種であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に効果のあるバンコマイシンという抗生物質に対して耐性を持つVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)が注目されています。
 VREは、健常人に対しては何ら健康に影響を及ぼしませんが、病院で感染症の治療などの目的で抗生物質の投与中の免疫力の弱まった人や臓器移植等で免疫抑制剤を使用中の人に感染すると、重篤なVRE感染症になる場合があります。
 米国では、1989年から1993年の5年間でVREによる院内感染が20倍に増加していると米国疾病防疫センター (CDC)により報告されています。我が国においては平成8年春に尿路感染症の患者1症例から菌交代現象として検出された腸球菌がVREであったことが初めて報告され、平成11年(4月〜12月)に23症例、平成12年(1月〜12月)に36症例の患者からVREが分離されています。
 なお、VRE感染症は平成11年に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」により届出が義務づけられています。

(VREで問題となっているのはvanA遺伝子を持ったものであるため、ここでVREと記載しているのは、vanA遺伝子をもったものを対象としています。)

(3)家畜の生産現場における抗生物質の使用について
 畜産現場では、主に飼料の効率を良くするために、飼料安全法に基づき、飼料に抗生物質を添加して家畜に与える場合があります。この場合、家畜の出荷までに、抗生物質を与えない期間を十分おくことにより、食肉には抗生物質の残留が起こらないような措置が行われていますが、家畜の腸内に耐性菌が生じる可能性があります。
 日本や諸外国では、バンコマイシンは家畜に使用されていませんが、アボパルシンという同じ系統の抗生物質が使用されていました。
 日本では、アボパルシンの使用が平成9年3月に禁止されています。
 VREは1980年にフランスで初めて出現しました。ヨーロッパでは1974年から鶏及び豚用の製剤としてアボパルシンが使用され、同時期に鶏や豚からVREが検出されたことから、欧州のVREはアボパルシンの使用と関連しているのではないかという報告もあります。
 しかし、米国ではアボパルシンは使用されていないにもかかわらず、VREによる感染症が多数報告されています。

(4)食肉中のVREについて
 食肉中にVREが検出されるという海外の報告があることから、厚生労働省では平成8年度から、国産及び輸入鶏肉等について、VRE汚染サーベイランス調査を行っています。これまでのところ、輸入鶏肉からVREが検出されています。

(参考)平成12年の鶏肉の輸入量
  輸入国名 輸入量 (計62万5千トン)
中国  27万4千トン
タイ  14万1千トン
ブラジル  11万3千万トン
  その他   9万7千トン

(2)VREの食品衛生法上の規制

 VREは、抗生物質に耐性を持っているという特徴がありますが、それ以外は、人や動物の腸内に存在する腸球菌と違いはありません。このため、通常の健康人は、VREに汚染された食肉を食べても、健康上の問題が生じることはありません。また、VREは、適切な加熱(70℃、1分又はこれと同等)により死滅します。このため、鶏肉については、十分に加熱調理してから喫食するよう指導をおこなっています。

(3)畜産食品中のVREの現状

 薬剤耐性菌対策の一環として、平成8年度より、「食肉中の腸球菌のバンコマイシン耐性菌に関する調査研究」(分担研究者:群馬大・医学部 池教授)を設け、食肉中のVRE汚染サーベイランス調査を行っています。
 平成12年度サーベイランス調査の結果、タイ産鶏肉(65検体中2検体)からVREが検出されました。
 なお、平成9年度の同規模のサーベイランス調査においては、タイ産鶏肉(14検体中3検体)及びフランス産鶏肉(6検体中3検体)からVREが検出され、平成10年度においては、タイ産鶏肉(43検体中9検体)、フランス産鶏肉(4検体中2検体)及びブラジル産鶏肉(22検体中2検体)からVREが検出され、平成11年度においては、タイ産鶏肉(49検体中6検体)から検出されています。

(参考)

食肉中のVRE調査結果一覧(平成9〜12年度)

平成9年度調査
  検体数 VRE分離検体数
タイ 14 3(21%)
フランス 3(50%)
中国 48
ブラジル 34
アメリカ 18
輸入鶏肉 計 120 6(5%)
国内鶏肉 128
平成10年度調査
  検体数 VRE分離検体数
タイ 43 9(21%)
フランス 2(50%)
中国 23
ブラジル 22 2(9%)
アメリカ 32
ベトナム
輸入鶏肉 計 127 13(10%)
国内鶏肉 67

平成11年度調査
(鶏肉) 検体数 VRE分離検体数
タイ 49 6(12%)
フランス
中国 73
ブラジル 22
アメリカ 45
輸入鶏肉 計 190 6(3%)
国内鶏肉 計 60
(豚肉) 検体数 VRE分離検体数
豪州
韓国 14
米国 18
デンマーク
メキシコ
フランス
オランダ
チリ
輸入豚肉 計 59
国内豚肉 計 30

平成12年度調査
(鶏肉) 検体数 VRE分離検体数
タイ 65 2(3.1%)
フランス
ブラジル 18
アメリカ 19
中国 75
輸入鶏肉 計 185 2(1.1%)
国内鶏肉 計 101
豚肉 検体数 VRE分離検体数
フランス
アメリカ 30
メキシコ 10
デンマーク 21
オランダ
カナダ 11
輸入豚肉 計 86
国内豚肉 計 49

(4)厚生労働省の施策

 鶏肉からVREが検出された国に対しては、アボパルシンの使用の禁止やVREの実態調査を要請し、VREに汚染された鶏肉等が輸入されないように努めています。また、食品の耐性菌問題を検討する国際会議に参加し情報収集等を行っています。

(5)施策の実施状況

(1)VRE汚染実態調査結果に基づく対応
 平成9年度、平成10年度及び平成11年度の調査において、VREが検出された国に対しては、VRE汚染原因等の調査を申し入れています。平成10年度調査により検出されたタイ及びブラジルでは、それぞれ、平成10年7月、平成10年10月にアボパルシンが禁止されました。
 また、平成12年度の調査においても、検出率は平成10年度と比較して減少しているものの、タイ産鶏肉65検体中2検体からVREが検出されたため、平成13年8月にタイ政府に対し、VREが検出された鶏肉を処理した加工場に鶏を供給している養鶏場の調査及びアボパルシンの使用禁止の徹底等のVRE対策について要請を行ったところです。
(2)国際的状況
 WHO(世界保健機関)は、平成9年以降、耐性菌に関する専門家委員会を数回開催しています。また、平成11年から、食品媒介性病原菌の薬剤耐性サーベイランスの非公式会議を開催しました。
 コーデックス委員会においても、食品衛生部会、残留動物用医薬品部会、飼料部会等で耐性菌について検討を行っています。

(6)消費者への情報提供について

 都道府県等に対して、VRE汚染実態調査結果等の情報を提供し、消費者に対し適切な情報提供ができるよう努めています。

(7)今後の対応

 引き続き、食肉のVREサーベイランス調査を継続実施するとともに調査の結果VREが検出された場合には、当該輸出国に対してアボパルシンの使用の禁止や実態調査を要求しVREに汚染された鶏肉が輸入されないよう努めてまいります。


5.輸入食品の安全性確保の推進

 みなさんが毎日、口にされる食品。そのうちの何割が日本国内で生産されたものかご存知でしょうか? 平成12年の食料需給表(農林水産省総合食料局食料政策課作成)を見ると、供給熱量ベースで国産のものは40%で、残り60%は輸入食品であることがわかります。今や輸入食品なくして国民の食生活は成り立たないといえます。
 このため、厚生労働省では重要課題の一つとして、輸入食品の安全性確保に取り組んでいます。

(1)輸入食品の現状

(1) 各年次輸入届出・検査・違反件数等
 平成12年における輸入届出件数及び重量は、1,550,925件、30,033,822トンでした。輸入届出件数の7.2%にあたる112,281件の検査が実施され、1,037件が食品衛生法違反として、積み戻し又は廃棄等の措置が行われました。

(2) 食品分類別届出・検査・違反状況
 平成12年の食品分類(大分類)における輸入届出件数では、水産食品、農産加工食品が最も多く、次いで畜産食品、農産食品が続き、この4つの食品分類で届出件数全体の約5割を占めています。また、輸入届出重量で見た場合では、農産食品が最も多く、次いで農産加工食品、畜産食品、水産食品が続き、この4つの食品分類で届出重量全体の8割以上を占めています。なお、違反については農産食品が最も多くなっています。。

(3) 地域別届出・検査・違反状況
 平成12年の輸入地域別における輸入届出件数では、アジア州が最も多く、次いでヨーロッパ州、北アメリカ州が続き、この3つの地域で届出件数の約9割を占めています。また、輸入届出重量で見た場合では、北アメリカ州が最も多く、次いでアジア州が続き、この2つの地域で届出重量の約8割を占めています。なお、違反についてはアジア州が最も多くなっています。

(4) 食品分類別・条文別食品衛生法違反事例
 平成12年の食品分類別・条文別食品衛生法違反については、全体として食品衛生法(以下「法」)第7条違反が最も多く、683件であり、次いで法第4条違反が224件、法第6条違反が148件、法第10条違反が35件、法第5条違反が15件、法第29条違反が2件となっています。

(2)輸入食品の食品衛生法上の規制

 輸入される食品については、その安全性確保の観点から食品衛生法第16条に基づき、輸入者はその都度、輸入届出を行わなければなりません。従って、輸入届出を行わない食品等については販売等に用いることはできません。

(3)輸入手続き

(1) 食品等輸入届出書の提出
 食品等を輸入しようとする場合、検疫所に食品等輸入届出書を届け出ます。届出を受け付けた検疫所では、食品衛生法に基づき適法な食品等であるか食品衛生監視員が審査や検査を行います。(図2→食品等の輸入届出の手続きの流れ

(2) 輸入届出の方法
 輸入届出を行うための輸入届出書(図3→輸入届出書様式)を作成し、輸入した港を管轄する検疫所へ届け出ます。輸入届出書にある記載項目の全てを記入しなければなりません。
(3) 食品等輸入届出書の検疫所における審査及び検査
ア 届出を受け付けた検疫所では、食品衛生法に基づく適法な食品等であるかについて食品衛生監視員が審査を行います。
イ 更に、審査によって、検査による確認の必要があると判断されたものは、検査命令、行政検査等の検査(表9→検査)を実施し、検査結果をもとに食品衛生法に適合していることを確認します。
ウ 審査や検査の結果、適法と判断された食品等にあっては、検疫所より届出済証が返却され、通関手続を進めることとなります。
エ 食品衛生法違反と判断された食品等にあっては、日本国内に食品として輸入することはできません。違反の内容は、検疫所から輸入者に対し通知され、以後の取扱いは検疫所からの指示に従うこととなります。

(4)輸入食品の安全確保のための厚生労働省の施策と実施状況

(1)輸入食品の監視体制の充実・強化
 輸入食品の監視指導については、これまで食品衛生監視員の増員等を行ってきており、平成13年12月現在、13検疫所(東京、神戸検疫所にはそれぞれ2カ所の窓口を設置)、14検疫所支所、2分室の合計31カ所の海空港に264名の食品衛生監視員を配置し、輸入食品の監視を行っています。また、検査体制の充実のため、横浜、神戸検疫所に輸入食品・検疫検査センターを配置するとともに、成田空港、東京、関西空港、大阪、福岡検疫所にそれぞれ検査課を配置し、両センターとあわせて、残留農薬、動物用医薬品、食品添加物等の試験検査体制の強化を実施してきています。なお、試験検査体制の国際水準を維持し、検査の信頼性を確保するために、試験検査施設における業務管理についても導入しています。

(2)検疫所における命令検査、モニタリング検査の実施
 輸入される食品について、輸出国からの情報、過去の食品衛生法違反事例等を勘案して、違反の蓋然性が著しく高いと判断される食品等については、検査命令により確実に検査を実施することを確保し、その他の食品等については輸入食品・検疫検査センターを中心に、食品の種類毎に年間輸入量、違反率等を勘案した科学的かつ計画的なモニタリング検査を実施しています。また、輸入が急増している食品については重点的にモニタリング検査を実施しています。

(3)検疫所における輸入食品監視支援システム(FAINS)の運用
 的確かつ効率的な検査の実施と輸入手続のペーパーレス化を推進するため、平成8年2月に食品等の輸入手続の電算システムである輸入食品監視支援システム(FAINS)を稼働させ、以後、平成9年2月には通関手続きの電算システムである通関情報処理システム(NACCS)とのインターフェイスを、平成10年3月には食品衛生法第5条に定める食肉、食肉製品の衛生証明の電送化をオーストラリアとの間で開始しています。

(4)輸入食品等事前確認制度
 本制度は、我が国に輸入される食品等について事前に食品衛生法に適合していることを確認し、当該食品及び製造・加工工場を登録することにより、
・食品衛生法に違反する食品等の輸入を未然に防止すること
・輸出国の製造・加工段階からの輸入食品の安全性を確保すること
・登録した食品等の輸入時検査を省略することにより、輸入手続の簡素化・迅速化を図ること
を目的としており、平成6年3月の施行後、平成13年12月現在104品目が登録されています。

(5)輸入相談業務
 検疫所では、輸入に関する相談を受け付けていますが、近年、消費者ニーズを反映して多種多様な食品の輸入が増えており、これに伴い輸入食品に関する相談も多く、しかも相談内容も複雑化しています。こうした状況から、特に輸入量の多い成田空港、東京、横浜、大阪、関西空港及び神戸の各検疫所に輸入食品相談指導室を設け、輸入手続に関する問い合わせや個別食品の輸入相談等に応じています。こうした業務を通じて違反食品を未然に防いでいます。

(6)消費者への情報提供の現状

 従来より、輸入数重量、検査件数等の輸入監視に関する統計資料については出版物等により広く公表しています。また、検疫所においても消費者向け説明会の実施や検疫所見学を受け入れており、こうした事業を通じて消費者への情報提供に努めてきました。さらに、平成12年4月からは、「輸入食品監視業務ホームページ」を開設し、業務内容、検査の実施状況、食品衛生法違反事例等について紹介しています。

(7)今後の施策

(1)輸入食品の検査体制の充実・強化
 今後とも増加するであろう輸入食品の安全性を確保するため、統計学的手法に基づき算出される国際レベルのモニタリング検査の充実を図ることとしています。また、輸入が急増している食品については、モニタリング検査を強化し安全性確保を図ることとしています。

(2)検疫所における輸入食品監視支援システム(FAINS)の強化
 今後、セキュリティーの向上を図るとともに、ワンストップサービスの更なる推進を図ることとしています。

(3)輸出国における衛生対策の推進
 従来より行っている輸入食品等事前確認制度を推進するほか、輸出国に対して日本の食品規制についての周知や技術協力等を通じて輸入食品のより一層の安全確保を図ることとしています。

(4)消費者への情報提供
 従来より実施している、輸入数重量、検査件数等の統計資料の公表、説明会や見学会を通じての消費者への情報提供について引き続き推進していくほか、平成12年4月に開設した「輸入監視業務ホームページ」の内容の充実に努めることとしています。


6.食中毒対策の推進

(1)食中毒の実態

 近年、食品に対するニーズの多様化を反映して、輸入食品の増加、食品製造・加工技術の進歩及び流通の広域化等、食品を取り巻く環境は著しく変化してきています。これに伴い食中毒発生状況も同時に変化してきています。

(1)食中毒事件数、患者数、死者数
 食中毒統計を開始した昭和27年から平成7年までの食中毒の変遷をみると、事件数については、昭和30年代には2,000件を前後していましたが、40年から50年までは1,500件から1,000件に、60年代以降は1,000件以下と減少傾向にあります。死者数についても、昭和40年代前半までは100人以上であったものが、60年代以降は10人以下となっています。患者数については、平成7年までは年間30,000人前後の発生が見られました。
 これらの傾向より、患者数については格段の減少は見られないものの、事件数・死者数については減少傾向にあり、食中毒が大規模化していることが分かります。こうした傾向は、食品の大量生産、広域流通及び外食産業の普及などがその背景にあると思われます。
 近年の傾向においては、平成8年に腸管出血性大腸菌O157による大規模事件の発生やサルモネラによる事件の増加にともない、事件数、患者数、死者数とも大幅に増加傾向を示しました。また、平成9年から患者数2人以下のいわゆる患者1人の散発事件も適正に届出られるようになり、事件数が増加傾向にあります。
 なお、平成12年6月に発生しました雪印乳業の事件では、約1万3千人の患者を出しています。

(2)原因施設別事件数
 「家庭」を原因とするものの割合は、昭和30年代には40%前後を占めていましたが、減少を続け、60年代以降には20%以下となっています。一方、「飲食店」を原因とするものの割合は増加しており、30年代には数5%前後であったものが60年代以降は30%を越えるようになってきています。こうした傾向は、大量生産による調理済み食品の普及や、外食による食品摂取機会の増加などがその背景にあると思われます。

(3)病因物質別判明率
 病因物質が判明したものについてみると、「細菌」による事件が高い割合を示しており、近年では「腸炎ビブリオ」、「サルモネラ属菌」、「カンピロバクター」、「その他の病原大腸菌」等の細菌による事件が80%以上を占めています。
 特に「サルモネラ属菌」、「腸炎ビブリオ」、「カンピロバクター」による事件が急増しています。

(4)平成12年食中毒発生状況
 事件数2,247件(対前年比83.3%)、患者数43,307人(対前年比123.0%)、死者数4人(前年7人)で、うち1人の事例の事件数1,007件(対全体比の44.8%)でした。

(2)食品衛生監視の現状

 食品衛生行政においては、食品衛生法に基づき、食品の規格基準、施設基準等を定め、これらを遵守することにより食品の安全性を確保しています。
 また、都道府県等(121自治体)の保健所(592箇所)において、食品衛生法に基づき、食品衛生監視員(7,436人)により、食品関係営業施設(約429万施設)を対象に立入検査等による監視指導を実施しています。

 食中毒発生時には、保健所は医師の届出等によりその発生を探知し、食中毒処理要領に基づき調査を実施して、原因食品の廃棄命令や原因施設の営業停止等の行政処分を行うなど、被害の拡大防止及び再発防止に努めることとしています。

(3)食中毒防止のための企業の取り組み

 食品製造業者等は、食品衛生法、条例において食品衛生管理者または食品衛生責任者を設置することになっています。製造施設においては、法で定める規格基準及び自ら定める社内基準等に適合するか確認するとともに、従業員の衛生教育等についても、積極的に取り組み食品の安全性確保に努めるよう指導しています。
 また、業界団体等(社団法人日本食品衛生協会)を通じて情報収集や食品の衛生思想の普及、啓発にも努めています。
 
社団法人 日本食品衛生協会ホームページ

(4)食中毒防止及び発生時の被害拡大防止のための厚生労働省の施策

(1)食品の食中毒菌汚染実態調査
 食中毒発生の未然防止対策等を図ることを目的とし、全国18自治体の協力を得て実施しています。
(2)夏季食品一斉取締り
 食品の衛生的な取扱い、添加物の適正な使用について食品関係営業者等に対し、夏期における食中毒の発生防止等を目的として実施しています。
(3)年末食品一斉取締り
 食品の衛生的な取扱い、添加物の適正な使用につき食品関係営業者等に対し、食品の流通が多い年末に食中毒の発生防止等を目的として実施しています。
(4)学校給食施設の一斉点検及び社会福祉給食施設の一斉点検
 乳幼児、老人等の食中毒のリスクの高い人々を対象として、提供される給食の安全確保の徹底を図ることを目的として実施しています。
(5)食品保健総合情報処理システム
 都道府県等とのネットワークを整備し、食中毒事件の発生情報等の共有化を図るとともに、インターネット等を通じ国民への情報提供に努めています。

(5)今後の対策等

(1)広域的な食中毒事件に対応するため、厚生労働省と都道府県等との連携を強化していきます。
(2)食中毒発生の未然防止対策を図るため、特に社会福祉施設等の集団給食施設の監視指導を引き続き強化していきます。
(3)インターネット等を活用した食中毒情報の迅速な提供及び消費者に対する啓発に努めていきます。
(4)食品営業施設に対する監視指導について、重点化及び効率化の観点から監視指導の見直しを図ることとしています。



(参考)

(1)厚生労働省の施策の結果

(1)食品の食中毒菌汚染実態調査
 平成12年度は、生食用に供される野菜類(カイワレ、ミニトマト、カット野菜等)、ミンチ肉、生食用牛レバー等の2,256件の検査を実施しました。
(2)夏季食品一斉取締り
 平成12年度は、7月に674,588の食品営業施設の立入検査を実施し、食品の収去試験については、80,512件の検査を実施しました。
(3)年末食品一斉取締り
 平成11年度は、12月に482,269の食品営業施設の立入検査を実施し、食品の収去試験については69,810件の検査を実施しました。
(4)学校給食施設の一斉点検
 平成11年度までに行われた改善の状況について、平成11年4月から5月に一斉点検を行い、その点検結果を平成12年12月に発表しました。
(5)社会福祉給食施設の一斉点検
 平成12年度は、10月から平成13年1月までの4ヶ月間に31,257施設の点検を実施しました。

(2)消費者への情報提供

(1)食中毒速報
 平成13年の食中毒等(食中毒以外の事例も含む)の発生速報
(2)食中毒関連情報
 食中毒に関する報道発表資料等
(3)食中毒発生状況
 過去の食中毒統計等
(4)関連ホームページ
 国立感染症研究所
 国立医薬品食品衛生研究所等の情報ページ


食中毒の分類と主な原因

食中毒の分類と主な原因の図


病因物質(主な細菌)別にみた事件数の年次推移

全体の食中毒事件の年次推移の図


食中毒患者数の年次推移の図


年次別にみた食中毒発生状況

年次別食中毒発生状況
(昭和51年〜平成12年)
年次 事件数
(件)
患者数
(人)
死者数
(人)
1事件
当たりの
患者数
罹患率
(人口
10万対)
死亡率
(人口
10万対)
致命率
(%)
51 831 20,933 26 25.2 18.5 0.0 0.1
52 1,276 33,188 30 26.0 29.1 0.0 0.1
53 1,271 30,547 40 24.0 26.5 0.0 0.1
54 1,168 30,161 22 25.8 26.0 0.0 0.1
55 1,001 32,737 23 32.7 28.0 0.0 0.1
56 1,108 30,027 13 27.1 25.5 0.0 0.0
57 923 35,536 12 38.5 29.0 0.0 0.0
58 1,095 37,023 13 33.8 31.0 0.0 0.0
59 1,047 33,084 21 31.6 27.5 0.0 0.1
60 1,177 44,102 12 37.5 36.4 0.0 0.0
61 890 35,556 7 40.0 29.2 0.0 0.0
62 840 25,368 5 30.2 20.7 0.0 0.0
63 724 41,439 8 57.2 33.7 0.0 0.0

927 36,479 10 39.4 29.6 0.0 0.0
2 926 37,561 5 40.6 30.4 0.0 0.0
3 782 39,745 6 50.8 32.0 0.0 0.0
4 557 29,790 6 53.5 23.9 0.0 0.0
5 550 25,702 10 46.7 20.6 0.0 0.0
6 830 35,735 2 43.1 28.6 0.0 0.0
7 699 26,325 5 37.7 21.2 0.0 0.0
8 1,217 46,327 15 38.1 36.8 0.0 0.0
9 1,960 39,989 8 20.4 31.7 0.0 0.0
* 1,124 39,153 2 34.8 31.0 0.0 0.0
** 836 836 6 1.0 0.7 0.0 0.7
10 3,010 46,179 9 15.3 36.5 0.0 0.0
* 1,398 44,567 8 31.9 35.2 0.0 0.0
** 1,612 1,612 1 1.0 1.3 0.0 0.1
11 2,697 35,214 7 13.1 27.8 0.0 0.0
* 1,281 33,798 4 26.4 26.7 0.0 0.0
** 1,416 1,416 3 1.0 1.1 0.0 0.2
12 2,247 43,307 4 19.3 34.2 0.0 0.0
* 1,240 42,300 4 34.1 33.4 0.0 0.0
** 1,007 1,007 0 1.0 0.8 0.0 0.0

*うち2人以上に事例
**うち1人の事例


7.異物混入の防止対策の推進

(1)食品への異物混入等の実態
(1) 平成12年6月に起きた雪印乳業食中毒事件を契機として、食品の安全性に対する関心が高まり食品に対する苦情等が増加し、同時に食品の回収等が頻繁に行われました。
(2) 異物混入については、ガラス片、ボルト、金属片のような健康被害を引き起こすおそれがあるものから、毛髪、農業害虫(ハエ・ゴキブリ等を除く)など直ちに健康被害をもたらす可能性が低い事例など多岐にわたっています。
(3) また、原因や対象となる食品の範囲の特定は、困難な場合は少なくなく製造者の対応にばらつきが多く見られ、このような状況が消費者の不安をまねき、ひいては食品製造者の姿勢に対する懸念及び食品の安全性確保に関する信頼性の低下を引き起こした要因の1つです。
 これらの問題について食品衛生行政においては、問題が起きた際には安全確保のため調査を行い、回収が必要な場合には迅速な対応をとるとともに未然防止のため、防虫対策や従業員の衛生教育の徹底を指導して参ります。

○主な回収事例

異物混入等 品目 内 容 行政処分 指導内容
銅線混入 菓子
(栄養調整食品)
・製造工程に使用しているパイプの摩耗によるパイプに含まれている銅製ワイヤーの混入 ・法第4条違反としての22条に基づく回収命令 ・パイプの目視チェック等衛生管理につき改善指導
陶器片混入 洋菓子 ・洋菓子製造施設内で破損した陶器の混入 ・法第4条違反としての22条に基づく回収命令
・営業停止3日間
・衛生管理につき改善指導
針金の混入 米菓 ・米菓の受け容器に、金網コンベアの連結留め具が混入
・金属検出器の作動確認が不十分
・金属探知器の作動確認につき指導
シリカゲルの混入 エビドリア用ソース ・充填機内の原料貯蔵品の品質保持のために使用した袋入りのシリカゲルの除去を忘れたため混入 ・シリカゲルの取扱い、清掃等の手順書の作成につき指導
ハエの混入 清涼飲料水
(トマトジュース)
・充填ラインでハエが混入 ・昆虫侵入防止対策につき指導

(2)異物混入等に対する食品衛生法上の規制

(1)異物混入等にかかる食品衛生法上の規制については、以下の食品衛生法第4条第4項に示しています。


第4条 [不衛生食品等の販売等の禁止]

 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合も含む。以下同じ。)、又は販売用に供するために、採取し、製造し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
一 腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。但し、一般に人の健康を損なう虞がなく飲食に適すると認められているものは、この限りではない。
二 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いのあるもの。但し、人の健康を損なう虞のない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りではない。
三 病原微生物に汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なう虞のあるもの。
四 不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なう虞があるもの。


(2)苦情等により調査を行った結果、第4条違反の疑い又は健康被害の発生の報告を受けた場合は、食品衛生法第17条の規定に基づき保健所の食品衛生監視員等が臨検検査等を行い違反が確認された場合には、食品衛生法第22条の規定に基づく地方自治体等による回収命令等により、当該食品の廃棄または用途変更(家畜の飼料等)を指導し、食品衛生上の危害の拡大防止及び再発防止のために必要な措置を講じることとしています。
 また調査の結果、都道府県等が条例により定めた施設基準に合致しない場合は、その施設の改善命令又は営業許可の取り消し、若しくはその営業の全部若しくは一部を禁止することとしています。


第17条 [報告・臨検検査・収去]

 厚生労働大臣、都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業を行う者その他の関係者から必要な報告を求め、当該官吏吏員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場所に臨検し、販売用に供し、若しくは営業上使用する食品等を無償で収去させることができる。


第22条 [廃棄命令等]

 違反した場合においては、営業者若しくは、当該官吏吏員にその食品、添加物、器具若しくは容器包装を廃棄させ、又はその他営業者に対し食品衛生上の危害を除去するために必要な措置をとることを命ずることができる。

(3)異物混入防止対策等

(1)営業者
 営業者は異物混入等による健康被害の情報を得た際には、直ちに調査を行い問題を把握し、その結果健康被害の発生やそのおそれがある場合は、営業者を管轄する都道府県等に情報提供して、被害を未然に防ぐことが望まれます。また、問題を究明し再発防止のために行政と協力して、製造方法の見直し従業員の教育等を行っています。
 なお、社団法人日本食品衛生協会においては、営業者を対象とした「食品の異物混入等防止講習会」を開催するとともに、この問題について営業者に情報を提供しています。
社団法人日本食品衛生協会
(2)都道府県等
 異物混入等による健康被害や苦情並びに営業者による自主回収の報告を受けた場合は食品衛生法第17条の規定に基づく臨検検査等を行い、食品衛生法違反が確認された場合については、回収命令等衛生上の危害の拡大防止等のために必要な行政措置をとるとともに、広く情報を周知する必要がある場合には報道機関を通して広報を行っています。

(3)厚生労働省の施策
・ 健康被害のおそれがあるとして法第22条に基づき都道府県等により回収命令等を行った件については、食品名、原因等について報告を求め、都道府県等の業務に資することを目的として、タイムリーに都道府県等に提供することを検討しています。このための手段として厚生労働省と都道府県等を専用のコンピュータネットで結ぶ「食品保健総合情報処理システム」の活用を検討しています。また、営業者の衛生管理対策の参考として主な回収事例を更新していきます。
・ 異物混入に関する健康被害の評価手法については、今後、コーデックス委員会等で検討することが予定されています。


8.HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)の推進

(1)HACCPの仕組み
(1)HACCPとは
 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points:危害分析重要管理点)システムは、米国航空宇宙局(NASA)における宇宙食の製造に当たって食品の安全性を高度に保証する衛生管理手法として開発されました。
 この衛生管理手法は、食品の製造業者が食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害について予め調査・分析(Hazard Analysis)し、この分析結果に基づいて、製造工程のどの段階で、どのような対策を講じれば、より安全性が確保された製品を得ることができるかということを重要管理点(Critical Control Point)として定め、これが遵守されているかどうかについて常時監視することにより製造工程全般を通じて製品のより一層の安全確保を図るというものです。
 HACCPシステムは、食品の安全性を確保する上で最も効果的かつ効率的な手法であるとして高く評価され、欧米諸国においては、はやくから食品業界に導入が推進されてきました。
 また、国際的にも、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)において、「HACCPシステム適用のためのガイドライン(1993年)」を採択し、各国に本システムの積極的な導入を勧告しています。
 我が国では、平成7年の食品衛生法の改正において、HACCPシステムによる衛生管理を基礎とした「総合衛生管理製造過程の承認制度(法第7条の3)」を創設し、食品関連施設に対し本システムの導入を推進してきたところです。

従来の衛生管理手法との違い

 従来の衛生管理は、最終製品のなかから抜き取り検査をして安全性の確認をしていましたが、この手法ではすべての製品が安全であるという保証はありません。しかし、HACCPシステムは、食品製造工程中の危害防止につながる重要管理点をリアルタイムで監視し記録することにより、すべての製品が安全であることを確保しようとするものです。

(2)総合衛生管理製造過程承認制度の概要
 総合衛生管理製造過程の承認制度は、平成7年、食品衛生法の一部改正において創設された制度であり、我が国にHACCPシステムを基礎とした食品の衛生管理方式を初めて法律に位置付けたものです。
 本制度は、一般的衛生管理(いわゆる施設基準と管理運営基準)の実施を基礎としたHACCPシステムによる衛生管理が適切に実施されているかどうかを書類審査及び現地調査により確認し、これらを総合的に審査し、厚生労働大臣が各施設毎に承認を与えるものです。
 本制度の承認を受けることにより、営業者は、同等以上の食品衛生水準を維持しつつ、高度で多様な製造・加工及びその管理の方法の設定が可能となります。

*加工乳の製造を例にとったHACCPの概要

(2) HACCPの現状
(1)我が国のHACCPシステムの導入状況
 総合衛生管理製造過程の承認制度の創設により、我が国の食品業界にもHACCPシステムによる衛生管理の考え方が徐々に浸透しつつあります。
 総合衛生管理製造過程の対象食品としては、現在、乳・乳製品、食肉製品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品(いわゆるレトルト食品等)、魚肉練り製品及び清涼飲料水が政令で指定されています。
 承認状況は、平成14年1月末現在、454施設、990件となっています。

承認状況
乳・乳製品 310施設(743件)
食肉製品 95施設(180件)
容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰・レトルト食品) 18施設( 24件)
魚肉練り製品 26施設( 31件)
清涼飲料水 5施設( 12件)
 総合衛生管理製造過程の承認は、製品群毎(乳・乳製品であれば牛乳、加工乳、乳飲料、はっ酵乳等)の承認となることから、施設によっては数製品群が承認されています。

 また、総合衛生管理製造過程の対象ではない集団給食施設等については、HACCPの概念に基づいた「大量調理施設衛生管理マニュアル」により、食中毒の予防と、衛生知識の普及啓発に努めています。

(2)HACCPシステム導入推進のための施策
 HACCPシステムの導入を推進するため、「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(平成10年)」を制定し、金融・税制面での優遇措置を通じてHACCPをより行い易くする施設・設備等の整備を行えるようにしました。
 また、HACCPシステム導入食品製造施設への助言のできる食品衛生監視員の養成、業界団体の開催する講習会への講師の派遣等を行っています。

(3)今後の対策等

(1)総合衛生管理製造過程に関する評価検討会の開催
 総合衛生管理製造過程承認制度については、雪印乳業食中毒事件を契機として、承認審査及び承認後の監視等について強化を図ることとしています。そのために、専門家からなる「総合衛生管理製造過程に関する評価検討会」を開催し、制度の運用及び個別申請について助言をいただいています。

(2)平成13年1月以降の総合衛生管理製造過程の承認審査体制について
 平成13年1月の中央省庁再編に伴い、この制度は全国7ブロックの地方厚生局に承認事務が移管され、審査担当官が増強されました。

地方厚生局

北海道厚生局 (札幌市) 北海道
東北厚生局 (仙台市) 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東信越厚生局 (港区) 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都
神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
東海北陸厚生局 (名古屋市) 富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿厚生局 (大阪市) 福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
和歌山県
中国四国厚生局 (広島市) 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県
香川県、愛媛県、高知県
九州厚生局 (福岡市) 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県
鹿児島県、沖縄県
カッコ内は申請窓口のある所在地


9.食物アレルギー対策の推進

(1)食物アレルギーとは

 食物アレルギーとは、食物の摂取により、免疫学的な作用により発疹等の症状が出現することをいいます。

(2)食物アレルギーの実態調査結果

 厚生省では平成8年度より、「食物アレルギーの予防等に関する研究」研究班を編成し、我が国における食物アレルギーの実態調査を行ってきました。それぞれの調査概要は以下のとおりです。

・平成8年度
 保育園児を対象とし、1,348名より回答がありました。全体の12.6%に何らかの食物アレルギーを認めました。
・平成9年度
 3歳、小学1・5年生、中学2年生、成人を対象としました。それぞれの対象人数と何らかの食物アレルギーを認めた割合は以下のとおりです。

  対象人数 アレルギーを認めた割合(%)
3歳 3,036 8.6
小学1年生 4,557 7.4
小学5年生 4,775 6.2
中学2年生 4,234 6.3
成人 3,132 9.3

・平成10,11年度
 全国の内科・小児科を有する病院2,689施設にアンケート用紙を配布し、何を摂取した後にアレルギー症状を呈したか調査しました。1,565症例中アレルゲンとして最も頻度が高かったのは卵であり、以下牛乳、小麦、ソバ、エビ、ピーナッツの順でした。

・平成12年度
 引き続き食物アレルギーの実態の継続的な把握を行うとともに、表示のあり方、発症機序の解明、診断・治療法の確立を目的とした調査研究を実施しています。

(3)(2)を踏まえた国の対策

 平成11年3月に食品衛生調査会表示特別部会より出された報告書では、食物アレルギーを防止する観点から、食品へのアレルギー表示が必要であるとされました。さらに、平成12年7月には、同部会より、アレルギー物質を含む食品について特定の原材料を使用する場合には、その原材料を含む旨の表示を義務化するのが適当である、という報告書が提出されました。
 この報告書を受けた平成12年12月の食品衛生調査会の意見具申を踏まえて、平成13年4月より一定の種類のアレルギー物質を含む食品について、食品衛生法に基づく表示が義務化されました。

(4)アレルギー表示の義務化について

 アレルギー物質を含む食品の表示義務化の概要は以下のとおりです。

(1) 対象食品範囲
○ 容器包装された加工食品・食品添加物
(2) 表示方法
 過去の健康障害等の程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を引き起こした実績のある特定の原材料を含む場合に、その原材料を表示させることにしました。
(3) 表示が必要となった原材料(「特定原材料」)
○ 表示対象となる特定原材料の範囲を、日本標準商品分類をもとに設定しました。
○ 表示は、発症数・重篤度により義務、奨励の2段階に分けました。
・省令で表示を義務化(5品目:卵、乳、小麦、そば、落花生)。
・通知で表示を奨励(19品目:あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)。
(4) 含有量が微量な場合の表示
(ア)微量表示
○ 義務表示となる5品目はキャリーオーバー、加工助剤も表示を義務付けました。
○ 推奨する19品目は可能な限り表示を奨励することとしました。

キャリーオーバー 食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過程において使用されない物であって、当該食品中には当該物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないもの
加工助剤 食品の加工の際に添加される物であって、当該食品の完成前に除去されるもの、当該食品の原材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの又は当該食品中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該食品に及ぼさないもの

(イ)可能性表示の禁止
 「入っているかもしれない」等の表示は認めないこととしています。
(ウ)特定原材料複合化の禁止
 大項目分類名(例:牛肉・豚肉を原材料としている場合に「肉類」と表記)の使用は一部例外を除いて禁止されています。
 (例外:たん白加水分解物(魚介類))
(エ)高級食材の表示
 あわび、いくら、まつたけ等で微量が配合されている場合には「エキス含有」等を表示することとしています。
(オ)添加物の表記方法
 原則として「物質名(〜由来)」と表示することとしています。
(カ)香料の表示
 主剤の中でもタンパク質の残存がない香気成分については、表示の必要性はありませんが、タンパク質の残存する主剤及び副剤(安定化等のために使用するもの)については、表示の必要性があります。
(キ)アルコール類
 現時点では表示の対象としていません。

(5) 具体的な表示方法
(ア)代替表記
 一定のものについては、代替表記(表示方法が異なるが特定原材料と同じものであることが理解できる表記)を認めています。
 (例:卵→玉子)
(イ)特定加工食品
○ 一般に特定原材料より製造されていることが知られている「特定加工食品」については、特定原材料表示は不要となっています。
 (例:するめ→「いか」より製造されると理解できる)
○ 「特定加工食品」を原材料として含む食品については、その旨の記載により特定原材料の表示に代えることができます。
 (例:マヨネーズを使ったサンドイッチについては、「卵」の代わりに「マヨネーズ」と記載することができる。)

(6) 施行期日、その他
○ 施行期日:平成13年4月1日
 ただし、平成14年3月31日までに製造、加工又は輸入されるものについては、なお従前の例によることができます。
○ 表示内容の検証は、書類による追跡調査としています。

(5)アレルギー表示の制度開始後の動き

(1) アレルギー表示検討会の中間報告とQ&Aの追加

○ 表示制度開始後の様々な問題点の解決のために、平成13年8月より厚生科学研究の中の食物表示研究班の下に、患者、事業者、医師等からなるアレルギー表示検討会が設置され、同年10月に検討結果が中間報告として報告されました。
主な論点は、以下のとおりです。

(ア)アレルギー表示に対する検討会の考え方

○ 食物アレルギー患者が、表示によって「アレルギー症状を誘発する食品を回避し、その結果として摂取可能な食品を選ぶことができるようになる」ことが期待され、企業においては、消費者への正確な情報提供を行うことができる体制を整えることが重要であるとされました。

(イ)微量原材料の定義

○ 特定原材料は、全ての生産段階での表示を義務付けていたが、一般的には総タンパクで換算した場合、数μg/mlレベル未満のタンパク質ではアレルギーを誘発する可能性が低いことから、このレベル未満のものについては、表示を不要としました。
 この考え方は、コンタミネーション、キャリーオーバー、加工助剤についても適応されます。

(ウ)複数の複合調理加工品を含む加工食品(べんとう等)の表示について

○ 複数の複合調理加工品を含む加工食品(べんとう等)の表示は、当初より表示の困難さを指摘されていますが、この検討会でも新しい表示方法が提案されましたが、合意には至らず、今後も継続して検討されることとなりました。

(エ)制度の周知活動について

○ アレルギー表示検討会では、その研究の一環として患者や事業者に対する啓発のためのパンフレットを現在作成しています。

(2) 特定原材料検出法の検討

 食品中に特定原材料等が含まれるか否かの確認するための検知方法について、厚生科学研究の一環として研究していますが、表示検討会においてアレルギーを誘発するタンパク量が一般的に数μg/mlレベル以上とされたことより、このレベルを満たす検知方法の研究、開発を行っているところです。

(6)今後の対策等

 今後も「食物アレルギーの実態等及び誘発物質の解明に関する研究」研究班において実態調査を引き続き行い、定期的に特定原材料の見直しを行う予定です。

<省令/通知による規定>

規定 特定原材料名 理由
省令 卵、乳、小麦 ・症例数が多いもの
・なお、牛乳およびチーズは、「乳」を原料とする食品(乳及び乳製品等)を一括りとした分類に含まれるものとする。
そば、落花生 ・症状が重篤であり生命に関わるため、特に留意が必要なもの。
通知 あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご ・症例数が少なく、法令で定めるには今 後の調査を必要とするもの。
ゼラチン 牛肉・豚肉由来であることが多く、これらは特定原材料であるため、既に牛肉、豚肉としての表示が必要であるが、パブリックコメントによる「ゼラチン」としての単独の表示を行うことへの要望が多く、専門家からの指摘も多いため、独立の項目を立てることとする。


10.遺伝子組換え食品の安全性確保の推進

(1)遺伝子組換え食品とは

 組換えDNA技術とは、食品として用いられている植物等の性質、機能を上手に利用するために、他の生物から有用な性質を付与する遺伝子を取り出し、その植物等に組み込むといった技術です。
 食品の生産を量的、質的に向上させるだけでなく、害虫や病気に強い農作物の改良や、日持ちや加工特性などの品質向上に利用され、食糧の安定供給に貢献し、天然資源の節約をもたらすことなどが期待されています。

(2)安全性審査の義務化について

 厚生省(現 厚生労働省)は、平成3年に策定した「安全性評価指針」に基づき、食品衛生調査会(現 薬事・食品衛生審議会)における審議を経て、厚生大臣(現厚生労働大臣)が個別に安全性審査を行ってきたところですが、これは法律に基づかない任意の仕組みでした。
 しかしながら、遺伝子組換え食品は、近年、国際的にも広がってきており、今後さらに新しい食品の開発が進むことも予想されるため、安全性未審査のものが国内で流通しないよう、安全性審査を食品衛生法に基づき義務化することとし、関係告示の改正等を行いました。これにより、平成13年4月1日から、安全性未審査の遺伝子組換え食品は、輸入、販売等が禁止されています。
 また、未審査の遺伝子組換え食品が輸入されていないか、遺伝子組換え食品の輸入時の届出が正しく行われているかを検証するため、各検疫所においてモニタリング検査を行っています。これは、平成14年1月28日現在で750件実施され、うちニューリーフ・プラス・ジャガイモが検出された陽性例1件については適切に積み戻しの措置がとられました。

 遺伝子組換え食品等の安全性審査は、「組換えDNA技術応用食品・添加物の安全性審査基準」に基づき、個々の遺伝子組換え食品等について、薬事・食品衛生審議会の意見を聞きながら、アレルギー誘発性や、有害物質の産生、組換えDNA技術に伴う派生的な影響等を含め、詳細な審査項目に沿って行っています。
 我が国では、これまでに大豆、トウモロコシ等39品種の食品と7品目の添加物について安全性審査を行い、人の健康に影響がないことを確認しています。

※これまでに安全性審査の手続を経た食品・添加物の例

食品: 除草剤耐性の大豆、害虫抵抗性のトウモロコシ、高オレイン酸大豆など
添加物: キモシン、α?アミラーゼ、リボフラビン(ビタミンB2)など

(3)遺伝子組換え食品の表示の義務化について

 遺伝子組換え食品については、農林水産省がJAS法に基づき、平成13年4月から表示義務化を実施していますが、厚生労働省においても、平成12年12月の食品衛生調査会の意見具申を受けて、食品衛生法に基づき表示を義務化することとし、関係省令の改正等を行いました。


1.表示義務化の必要性

 遺伝子組換え食品の安全性審査の法的義務化を着実に実施するため、輸入届け、モニタリング検査を実施するとともに、表示制度も、食品の内容を明らかにするものであり、安全性審査の義務化と一体のものとして施行しました。

2.表示の考え方

 食品衛生法においては、次のような考え方から、遺伝子組換え食品であるか、非組換え食品であるかの区分について、表示を行うこととしました。

・ 遺伝子組換え食品である旨表示を義務付けると、これに着目した食品監視の対象となるほか、未審査のものを何の表示もせずに販売等した場合には、義務的な審査制度の下で規格基準違反となるだけでなく表示基準違反となります。
・ 食品衛生法では、食品添加物の表示を義務付けていますが、これも安全性審査を経たものであり、その上で、食品の内容を明らかに示すための表示を義務付けて消費者に食品の内容を理解できるようにしているところであり、安全性審査を義務付ける遺伝子組換え食品においても同様としています。

3.表示の具体的な在り方

(1)表示内容

(1) 分別生産流通管理が行われた遺伝子組換え食品の場合
 → 「遺伝子組換え食品」である旨(義務表示)
(2) 遺伝子組換え食品及び非遺伝子組換え食品が分別されていない場合
 → 「遺伝子組換え不分別」である旨(義務表示)
(参考)
分別生産流通管理が行われた非遺伝子組換え食品の場合
 → 「非遺伝子組換え食品」である旨(任意表示)

(2)義務表示の対象

 関係業界が既にJAS法に基づく遺伝子組換え食品の表示の準備を進めているという実態を踏まえ、関係業界が対応可能なものからスタートするという観点から、食品衛生法の表示制度としては、平成13年4月から、当面、次のものを義務表示の対象としていますが、それ以外のものについては、今後、流通の実態、検証技術の向上、国際的議論の推移等を見守るとともに、関係者の意見を聴いた上で、具体的内容、実施時期を検討し、状況が整えば表示義務化を実施していくこととしています。

○ 遺伝子組換え農産物が存在する種類の農産物である食品及びこれを原材料とする加工食品

* ばれいしょ加工食品の表示について

 検知技術の進歩により、ばれいしょ遺伝子の検知が可能となったことより、平成13年11月22日に開催された、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会において、ばれいしょ加工食品についても表示を義務付けることが適当との報告がなされた。現在これを受けて、本年度中の制度化に向けて、パブリックコメント、WTO通報を行っている。

(4)調査研究等の推進について

 遺伝子組換え食品の安全性については、例えば、長期摂取による慢性毒性影響や、抗生物質耐性マーカー遺伝子による薬剤耐性菌の問題、アレルギー誘発性などについて懸念を示している消費者や研究者がいることから、厚生労働省では、従来から厚生科学研究事業による「組換えDNA技術応用食品に関する調査研究」を実施しており、今後とも遺伝子組換え食品の安全性評価に関する研究等を推進することとしています。
 また、未審査の遺伝子組換え食品等が流通しないよう、輸入時のモニタリング検査等の体制を整備しているところですが、適正な検査を行っていくため、「遺伝子組換え食品検査の信頼性確保に関する調査研究」において技術的な検討を進めているところです。

(5)情報提供について

 国民への情報提供としては、薬事・食品衛生審議会の審議内容の公開や安全性審査に係る申請書の一部の一般公開を行っているほか、遺伝子組換え食品の安全性審査に関する具体的内容等を紹介したQ&Aやその他関連資料を厚生労働省のホームページに掲載しています。また、消費者が正しい情報に基づいて、遺伝子組換え食品の安全性を理解できるよう、上述の研究成果等についても適切に公表するよう努めることとしています。

(6)国際的な取組

(1)CODEX委員会 バイオテクノロジー応用食品特別部会
 平成11年6月に開催されたWHO/FAO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)総会において、バイオテクノロジー応用食品の安全性評価に関する国際基準を策定するため、バイオテクノロジー応用食品特別部会が設置され、日本が同特別部会の議長国となることが決定されました。
 その第2回会合が、平成13年3月25日〜29日、千葉県の幕張メッセ国際会議場で開催され、バイオテクノロジー応用食品のリスクアナリシス(危険性の分析)のための原則及び組換えDNA技術応用植物由来食品の安全性評価に関するガイドラインについて検討が行われました。これら2つの文書については、コーデックス委員会の手続において、ステップ3(提案規格案をコメント要請のため各国政府等に送付する段階)からステップ5(規格案として採択されるため事務局からコーデックス委員会に送付する段階)に進めることで合意されました。
 また、平成13年9月には組換えDNA技術応用植物由来食品のアレルギー誘発性評価に関するワーキンググループ、平成13年11月には組換えDNA技術応用微生物由来食品の安全性評価のガイドラインに関するワーキンググループが開催されています。
 なお、第3回会合は、平成14年3月4〜8日に横浜市で開催され、平成15年(2003年)6月に最終報告を行う予定です。

(2)その他
ア.OECD
 平成12年6月にOECDにおいてバイオテクノロジー応用食品の安全性等についての報告書がまとめられ、同年の九州・沖縄G8サミットに報告され、同サミットでは、コーデックス委員会におけるバイオテクノロジー応用食品の安全性についての議論を引き続き支持していくことが合意されました。

イ.WTO(世界貿易機関)の動き
 平成11年7月の一般理事会において、日本側(農林水産省)から遺伝子組換え食品の取扱い等新たな課題について検討する場をWTOに設置することを提案し、平成11年11月30日〜12月3日にシアトルで開催された第3回WTO閣僚会議において、遺伝子組換え食品等の安全性の評価、表示等の検討に関する提案がされましたが、会議が決裂したため、方向は定まっていません。

ウ.バイオセイフティ議定書
 生物多様性条約に基づき、バイオテクノロジーにより改変された生物(遺伝子組換え作物を含む)が輸出入により国境を越えて移動する場合の手続を定めるため、平成8年以降、作業部会を設けて、バイオセイフティ議定書交渉が進められてきました。平成12年1月のモントリオール非公式会合で大筋合意が得られ、同年5月の生物多様性条約締約国会議で正式に採択されたところですが、日本はまだ批准していません。


11.器具・容器包装及びおもちゃの安全性確保

(1)器具・容器包装及びおもちゃ等の現況

 食品衛生法は、食品に起因する衛生上の危害を防止することを目的とした法律で、その対象としては、食品用器具・容器包装、おもちゃ、洗浄剤も含まれます。

 近年の科学技術の進展に伴い、食品用の器具・容器包装等に使用される材質の多様化が進んでまいりました。こうした状況に鑑み、食品用の器具・容器包装に使用される個別の材質それぞれの特質に応じた規制が求められるようになり、特に、合成樹脂製の食品用の器具・容器包装等については、一般規格の上乗せ規格として、合成樹脂毎に規格の設定が行われています。

 器具とは、飲食器、割ぽう具その他の食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいいます。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は食品衛生法の対象とはなりません。
 容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいいます。
 おもちゃについては、乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣の指定するものが食品衛生法の対象となります。
 洗浄剤については、野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるものが食品衛生法の対象となります。

(2) 器具・容器包装及びおもちゃ等の食品衛生法上の規制

(1)器具・容器包装等について
 食品用器具・容器包装に適用される規格又は基準については、食品衛生法第10条第1項の規定に基づき設定されています。この基準又は規格に合わない器具若しくは容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、若しくは営業上使用し、その規格に合わない原材料を使用し、又はその基準に合わないような方法による器具又は容器包装の製造は禁止されています。
 現在では合成樹脂製の器具・容器包装をはじめ、以下の材質に関して個別に規格が設定されています。
○ 合成樹脂製の器具又は容器包装
・ホルムアルデヒドを製造原料とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリエチレン及びポリプロピレンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリ塩化ビニリデンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリエチレンテレフタレートを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリメタクリル酸メチルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ナイロンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリメチルペンテンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリカーボネートを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
・ポリビニルアルコールを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装
○ ガラス、陶磁器及びホウロウ引きの器具又は容器包装
○ ゴム製の器具又は容器包装
○ 金属缶(乾燥した食品(油脂及び脂肪性食品を除く。)を内容物とするものは除く。)

(2)おもちゃについて
 食品衛生法第29条に基づき、乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣の指定するおもちゃについて、規格及び製造基準が設定されています。

厚生労働大臣の指定するおもちゃ
○ 紙、木、竹、ゴム、革、セルロイド、合成樹脂、金属又は陶製のもので、乳幼児が口に接触することをその本質とするおもちゃ
○ ほおずき
○ うつし絵、折り紙、つみき
○ 次に掲げるおもちゃであって、ゴム、合成樹脂又は金属製のもの起き上がり、おめん、がらがら、電話がん具、動物がん具、人形、粘土、乗物がん具(ぜんまい式及び電動式のものを除く。)、風船、ブロックがん具、ボール、ままごと用具

(3)洗浄剤について
 食品衛生法第29条に基づき、野菜、果実、飲食器の洗浄に使用する洗浄剤については、食品衛生の観点からこれまでに、ヒ素・重金属・メタノール等の試験法、漂白剤・着色料等の規格及び使用基準が設定されています。

(3)厚生労働省の取組み・対策

 厚生労働省においては、必要に応じ、食品に使用される器具・容器包装等について規格基準を定めるとともに、以下の(4)に掲げる研究を実施する等器具・容器包装等の安全性確保に努めています。
 最近では、食品用器具・容器包装等に可塑剤として使用されているフタル酸エステル類の食品への移行量の調査・研究の結果等を踏まえ、緊急措置として可塑剤としてフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)を含有する塩化ビニル(PVC)製手袋の食品への使用を避けるよう指導を行いました。この件の詳細については、
 
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1206/h0614-1_13.htmlを参照して下さい。

(4)厚生労働省における器具・容器包装及びおもちゃに関する研究

 厚生科学研究費補助金(生活安全総合事業)において器具・容器包装及びおもちゃに関する調査・研究を実施しています。

(1)器具・容器包装に関する調査研究
・食品用器具・容器包装等に使用されている物質の実態調査
・ポリ塩化ビニル製の食品用器具・容器包装等に可塑剤として使用されているフタル酸エステル類等の食品への移行量の調査

(2)おもちゃに関する研究
・ 乳幼児が使用する合成樹脂製のおもちゃに可塑剤として使用されているフタル酸エステル類等の摂取に関する調査研究

(5)今後の対策

 厚生科学研究の進展等により新たな知見が得られた場合には、飲食に起因する国民の健康被害の防止の観点から規格基準の設定等適切な措置を講じていくこととしています。


12.内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の調査研究の推進

(1)内分泌かく乱化学物質とは

 近年、有機塩素系農薬、プラスチック容器の可塑剤、洗浄剤中の界面活性剤等、ある種の化学物質が、内分泌系(ホルモン系)をかく乱し、人の生殖機能など健康に影響を与えるという指摘がありました。内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の定義は、未だ完全に確立したとは言えませんが、世界保健機構・国際化学物質安全性計画(World Health Organization/International Programme on Chemical Safety;WHO/IPCS)では、「内分泌系の機能に変化を与え、それによって個体やその子孫あるいは集団(一部の亜集団)に有害な影響を引き起こす外因性の化学物質または混合物」と定義され、1997年2月に開催されたスミソニアン・ワークショップでは「生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはそのクリアランスなどの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質」と定義されています。

(2)厚生労働省の取組み

 内分泌かく乱化学物質問題については、その作用の有無、種類、程度等について科学的に未解明な点が多いため、内分泌かく乱作用があると指摘されている化学物質の安全性評価について、平成10年4月に厚生省生活衛生局長の私的検討会として設置された「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」において議論し、同年11月に中間報告書が取りまとめられました。
 また、その後の科学的知見を踏まえ平成13年12月に中間報告書の追補が取りまとめられました。
 中間報告書及び中間報告書追補は厚生労働省のホームページに記載されています。
 (
http://www.nihs.go.jp/edc/edc.html

図.内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会中間報告書概要(平成10年11月現在)

内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会中間報告書概要の図


 厚生労働省では、この報告を踏まえ、国際的な連携を図りつつ、調査研究を一層推進することとしています。
 また、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development;OECD)では、各国協力のもと内分泌かく乱化学物質を検出するための新しいスクリーニング試験法を開発し、リスクアセスメント手法を統一することを目的に、ほ乳動物を用いた試験法開発に関して検討が進められており、わが国もこれに積極的に参加しているところです。1999(平成11)年2月には、「OECD内分泌かく乱化学物質専門家会議」が東京において開催され、ほ乳動物を用いたスクリーニング試験法として3つの試験法(子宮肥大反応試験、去勢雄ラット反応試験、改良28日間反復投与毒性試験)のプロトコールについて合意されました。これに基づき行われた試験結果が各国試験機関からOECDに寄せられ、概ね良好な再現性が得られたことが示されたところです。

(3)国際機関の主な取組み

 1997年の「第2回化学物質安全性に関する政府間フォーラム」において、内分泌かく乱化学物質の潜在的なヒト健康影響や生態影響の可能性が指摘されて以降、国際化学物質安全性計画(IPCS)と経済協力開発機構(OECD)は、国際的な研究における中心的な役割を果たしてきています。

(1)国際化学物質安全性計画(IPCS)における取組み
 国際化学物質安全性計画(IPCS)では、1998年3月より「WHO/IPCS内分泌かく乱化学物質に関する合同運営委員会」を設置し、内分泌かく乱化学物質に関する地球規模の研究データベースの策定と科学的評価文書の作成を進めています。
 研究データベースについては、現在、22ヶ国を超える地域の大学及び研究機関(政府及び非政府の両方を含む)からの、670を超える進行中の研究プロジェクトがオンラインで閲覧でき、常に更新が行われています。
 (http://endocrine.ei.jrc.it/gedri/pack_edri.All_Page
科学的評価文書については、計5回の会合により、序章及び各章の構成と内容が検討され、全原稿(ドラフト)がとりまとめられたところである。2000年9月には、本委員会によるピアレビューが行われ、2001年の最終化及び出版が見込まれています。
http://endocrine.ei.jrc.it/gaed.html

(2)経済協力開発機構(OECD)における取組み
 経済協力開発機構(OECD)では、1998年3月に、「試験法とアセスメントのための専門家会議(EDTA)」を設置し、ほ乳動物を用いた健康影響に関するスクリーニング試験の開発及び野生生物を用いた生態影響に関する試験の開発を進めている。直近では、2001年5月27−28日に第5回会合が開催された。その概要は以下のとおりです。
 ほ乳動物を用いた健康影響に関するスクリーニング試験の開発に関しては、子宮肥大反応試験、去勢雄ラット反応試験及び改良28日間反復投与毒性試験について、日本、欧州、韓国、米国の実験施設が参画して、同一プロトコールによる共同試験が実施されてきたところ。子宮肥大反応試験は厚生労働省国立医薬品食品衛生研究所が、去勢雄ラット反応試験は米国環境保護庁が、また改良28日間反復投与毒性試験は欧州産業界がそれぞれ主導して、共同試験を進めており、子宮肥大反応試験については試験を終了し、ガイドライン化の作業を進めることとなった。また、改良28日間反復投与毒性試験は2001年末までに共同試験の第2段階が終了する見込みであり、去勢雄ラット反応試験の第1段階についての結果についても期待されるところです。
 野生生物を用いた生態影響に関する試験の開発については、魚類、鳥類、両生類、無脊椎動物を用いた試験法検討に向け、プロトコール作成や共同試験実施のための準備が行われており、一部については試験法開発に向けての提案が行われているところです。
 内分泌かく乱化学物質の試験評価戦略会議
 2001年3月30日、OECDでは、日、米、欧州3極間で、内分泌かく乱化学物質について統合された国際的なアセスメントのための戦略を開発することを目的に、試験評価戦略非公式会議が開催されました。各極の現在の計画等について報告され、国際協力の重要性を始め、活動主体、活動目標、情報の共有等について勧告が出されました。これら勧告の内容については、OECDの場でさらに議論されることになっています。

(4)今後の検討

 これまでのところ、食品用器具及び容器包装などから溶出するレベルの化学物質については、人の健康に重大な影響が生じるという科学的知見は得られておらず、現時点で直ちに使用禁止等の措置を講ずる必要はないものと考えられています。
 厚生労働省としては、食品等からの化学物質の暴露や体内動態等、ヒトの健康影響に関する調査研究を実施してきており、今後これらの調査研究成果等に基づき、必要に応じて検討会や薬事・食品衛生審議会調査会等において検討を行い、今後とも国民の健康確保に支障を来すことのないよう食品衛生に係る適切な措置を講じてまいります。
 インターネット等により分かりやすい情報の提供を目的として「内分泌かく乱化学物質ホームページ」を作成し、一般に公開されています。
 (http://www.nihs.go.jp/edc/edc.html


13.食品中のダイオキシン等の調査研究の推進

(1)ダイオキシン類とは

 ダイオキシン類とは、主に廃棄物の焼却等で発生する化学物質で、強い毒性を示し、難分解物質であるとともに、環境中の生物や人体の脂肪組織に蓄積することが知られています。
 ダイオキシン類は、1種類ではなく、ポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDD)12種類、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)15種類、コプラナーPCB12種類の混合物の総称です。
 平成11年6月、ダイオキシン類の耐容一日摂取量(長期にわたり体内に取り込むことにより健康影響が懸念されるものについて、その量まではヒトが一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される一日当たりの摂取量)が、厚生省及び環境庁の専門家委員会で検討され、当面4pgTEQ/kgbw/日(1日に体重1kg当たり4pgTEQの意味。体重50kgの人であれば、4pgTEQ×50kgで計算し、耐容一日摂取量は200pgTEQとなる。)とされました。
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1106/h0621-3_13.html

(2)ダイオキシン類と食品衛生

 食品中のダイオキシン類による健康影響については、食品全体から摂取するダイオキシン類の総量(1日平均摂取量)を把握し、耐容一日摂取量と比較する事により評価すべきものと考えています。
 平成12年度のトータルダイエット調査(国民全体の平均的な摂取量を測定する調査)によれば、平均的な食生活をしている日本人の1日平均のダイオキシン類摂取量の推計値は約1.45pgTEQ/kgbw/日と推計されており、耐容一日摂取量を下回っているため、食品衛生上の問題がないと考えています。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1205-3.html
 しかしながら、偏りのないバランスの良い食生活が勧められています。
 ダイオキシン類の摂取のほとんどは、食事由来であることから、厚生労働省は食品中のダイオキシン類について主に、(1)食品全体から国民1人あたりが摂取するダイオキシン類の推計、(2)個別食品のダイオキシン類濃度、について調査研究を実施しており、摂取量の推計調査は平成8年度から、個別食品の濃度調査は平成4年度から実施しており、今後とも引き続き調査することとしています。

(3)調査の実施状況

(1)トータルダイエット調査について
 厚生労働省では、平成8年度からトータルダイエット調査を実施しています。
 これは、通常の食生活において、食品を介して化学物質等の特定の物質がどの程度実際に摂取されるかを把握するための調査方法です。具体的には、飲料水を含めた全食品を14群に分け、国民栄養調査による食品摂取量に基づき、小売店等から食品を購入し、必要に応じて調理した後、各食品群ごとにダイオキシン類の分析を行い国民1人あたりの平均的な1日摂取量を推定するものです。
 平成10年度からの調査結果については、以下のとおり、この3年間で平均のダイオキシン類摂取量は、1.45〜2.01pgTEQ/kgbw/日となっており、耐容一日摂取量の4pgTEQ/kgbw/日を下回っています。

(表1:平成10〜12年度までのトータルダイエット調査結果)
  平成10年度調査結果 平成11年度調査結果 平成12年度調査結果
一日摂取量 100.3pgTEQ/日
(61.3〜138.4pgTEQ/日)
112.6pgTEQ/日
(59.5〜350.7pgTEQ/日)
72.66pgTEQ/日
(42.1〜100.5pgTEQ/日)
体重1kg当たりの一日摂取量 2.01pgTEQ/kgbw/日
(1.22〜
 2.77pgTEQ/kgbw/日)
2.25pgTEQ/kgbw/日
(1.19〜
 7.01pgTEQ/kgbw/日)
1.45pgTEQ/kgbw/日
(0.84〜
 2.01pgTEQ/kgbw/日)

 数値は平均値、( )内は範囲を示す。なお、体重1kg当たりの一日摂取量は日本人の平均体重を50Kgとして計算している。

(2)個別食品中のダイオキシン類調査について
 厚生労働省では、これまでに魚介類、肉類、卵類、牛乳など、1,134検体の個別食品について調査を行っています。平成10〜12年度までの調査結果及び検体数の推移は表2から表8のとおりです。

表2:平成10〜12年度魚介中のダイオキシン類の
2,3,7,8-TCDD当量濃度(pgTEQ/g)

N.D.=0
食品名 調査試料数 平均濃度
(pgTEQ/g)
範囲
(pgTEQ/g)
アジ (5) 2.686 1.470〜3.551
アナゴ (4) 3.814 0.370〜6.789
アンコウ (3) 1.138 0.034〜3.299
イワシ (5) 2.002 0.784〜2.752
輸入ウナギ (3) 0.367 0.228〜0.527
カジキ (4) 1.492 0.173〜4.273
カツオ (4) 1.241 0.101〜1.885
カマス (6) 1.537 0.730〜2.996
カレイ (4) 0.331 0.039〜0.808
キス (3) 2.341 2.165〜2.448
キチジ (3) 3.574 2.285〜4.377
輸入キンキ (1) 0.320 0.320
輸入ギンダラ (3) 1.960 0.171〜3.816
キンメダイ (3) 1.944 0.221〜5.215
サケ (4) 0.731 0.079〜2.027
輸入サケ (5) 1.391 0.040〜2.870
サバ(マサバ) (5) 2.913 1.390〜3.841
サワラ (3) 0.802 0.493〜1.119
サンマ (5) 0.282 0.183〜0.355
スズキ (4) 8.005 1.420〜25.720
タイ(マダイ) (6) 0.884 0.260〜1.916
タチウオ (3) 4.101 0.669〜6.332
タラ (4) 0.067 0.038〜0.096
輸入ニシン (6) 1.121 0.153〜3.372
ハマチ (2) 2.043 0.772〜3.314
ハモ (3) 0.462 0.295〜0.594
ヒラメ (4) 1.080 0.121〜2.334
フグ (3) 0.050 0.045〜0.057
ホッケ (4) 0.828 0.409〜1.470
ブリ (6) 3.413 1.147〜4.611
マグロ (6) 4.080 0.050〜23.093
輸入マグロ (1) 0.023 0.023
輸入マス (1) 2.545 2.545
ムロアジ (1) 0.607 0.607
メカジキ (1) 4.271 4.271
メバル (3) 2.997 1.920〜5.082
イイダコ (1) 3.096 3.096
イカ (7) 0.209 0.012〜0.388
イカ(内臓) (4) 2.745 0.849〜4.439
エビ (5) 0.265 0.061〜0.503
輸入エビ (7) 0.084 0.003〜0.257
タコ (6) 0.155 0.004〜0.356
輸入タコ (2) 0.013 〈0.001〜0.025
国産カニ (1) 1.595 1.595
輸入カニ (3) 0.070 0.032〜0.091
ズワイガニ棒肉 (1) 0.172 0.172
赤貝 (1) 0.009 0.009
アサリ (4) 0.069 0.018〜0.133
カキ (3) 0.672 0.387〜1.102
輸入カキ (2) 0.214 0.214
ホタテ (5) 0.073 0.003〜0.174


表3:平成10〜12年度魚介加工品中のダイオキシン類の
2,3,7,8-TCDD当量濃度(pgTEQ/g)

N.D.=0
食品名 調査試料数 平均濃度
(pgTEQ/g)
範囲
(pgTEQ/g)
アジ干物 (6) 1.111 0.226〜3.469
カマス干物 (1) 0.972 0.972
塩サケ (6) 0.153 0.073〜0.209
塩サケ(輸入) (1) 0.390 0.390
塩サバ (3) 0.910 0.642〜1.280
塩サバ(輸入) (1) 1.032 1.032
塩サンマ (3) 0.283 0.238〜0.306
シシャモ (2) 1.092 1.055〜1.129
輸入シシャモ (3) 0.749 0.629〜0.846
ホッケ干し (3) 1.066 0.856〜1.256
シラス干し (4) 0.293 0.103〜0.846
ちりめんじゃこ (1) 0.191 0.191
煮干し (3) 1.092 0.741〜1.394
イクラ (3) 0.264 0.115〜0.451
スジコ (4) 0.330 0.135〜0.766
タラコ (4) 0.158 0.064〜0.236
イカ塩辛 (4) 0.453 0.255〜0.712
イワシ蒲焼缶詰 (3) 0.848 0.193〜1.349
サバ水煮缶詰 (3) 1.925 1.135〜2.876
サンマ蒲焼缶詰 (3) 0.161 0.154〜0.174
マグロ缶詰 (3) 0.036 0.011〜0.086
魚肉ソーセージ (4) 0.039 0.022〜0.060
さつま揚げ (3) 0.001 〈0.001〜0.002
蒲鉾 (1) 0.013 0.013
焼き蒲鉾 (2) 0.032 〈0.001〜0.064
ちくわ (7) 0.009 〈0.001〜0.029
はんぺん (3) 0.009 0.005〜0.017
あみ佃煮 (1) 0.259 0.259
子女子佃煮 (1) 0.482 0.482


表4 平成10〜12年度肉類中のダイオキシン類の
2,3,7,8-TCDD当量濃度(pgTEQ/g)

N.D.=0
食品名 調査試料数 平均濃度
(pgTEQ/g)
範囲
(pgTEQ/g)
牛肉 (22) 0.362 0.022〜1.687
輸入牛肉 (18) 0.072 〈0.001〜0.252
豚肉 (21) 0.076 〈0.001〜1.434
輸入豚肉 (22) 0.018 〈0.001〜0.130
鶏肉 (21) 0.108 〈0.001〜0.379
輸入鶏肉 (21) 0.047 〈0.001〜0.179
輸入羊肉 (3) 0.092 0.001〜0.274
牛肝臓 (3) 0.348 0.013〜0.726
豚肝臓 (3) 0.380 0.022〜1.033
鶏肝臓 (4) 0.188 0.009〜0.395
牛タン (3) 0.231 0.193〜0.293
豚腸 (3) 0.007 0.002〜0.014
鶏皮 (3) 0.378 0.167〜0.570


表5 平成10〜12年度肉類加工品、乳・乳製品及び卵・卵加工品中の
ダイオキシン類の2,3,7,8-TCDD当量濃度(pgTEQ/g)

N.D.=0
食品名 調査試料数 平均濃度
(pgTEQ/g)
範囲
(pgTEQ/g)
鯨肉缶詰 (3) 0.038 0.027〜0.056
羊肉缶詰 (3) 0.003 〈0.001〜0.010
ロースハム (3) 0.002 0.001〜0.002
チキンフランク (1) 0.086 0.086
ソーセージ (3) 0.013 0.004〜0.017
輸入ソーセージミート缶詰 (1) 0.039 0.039
ベーコン (3) 0.007 0.001〜0.010
輸入コンビーフ (1) 0.042 0.042
牛乳 (27) 0.050 0.011〜0.159
粉ミルク (9) 0.043 〈0.001〜0.105
輸入練乳 (1) 0.079 0.079
チーズ (4) 0.101 0.061〜0.194
輸入チーズ (11) 0.261 0.029〜0.621
バター (4) 0.341 0.241〜0.435
輸入バター (4) 0.644 0.090〜0.981
鶏卵 (6) 0.102 0.035〜0.158
輸入乾燥卵黄 (2) 0.306 0.249〜0.362
輸入卵白粉 (2) 0.017 0.005〜0.028
ウズラ卵 (3) 0.143 0.046〜0.288


表6 平成10〜12年度穀類・野菜・果実・海草等中のダイオキシン類の
2,3,7,8-TCDD当量濃度(pgTEQ/g)

N.D.=0
食品名 調査試料数 平均濃度
(pgTEQ/g)
範囲
(pgTEQ/g)
もち米 (7) 0.006 〈0.001〜0.014
輸入米 (4) 〈0.001 〈0.001
輸入小麦 (4) 0.022 〈0.001〜0.046
大豆 (3) 0.001 〈0.001〜0.001
輸入大豆 (3) 0.007 0.002〜0.012
小豆 (2) 0.001 0.001
輸入小豆 (3) 0.002 〈0.001〜0.003
金時豆 (2) 〈0.001 〈0.001
いんげん (2) 〈0.001 〈0.001
輸入カボチャ (2) 〈0.001 〈0.001
きゅうり (3) 0.007 〈0.001〜0.020
ごぼう (7) 0.001 〈0.001〜0.005
輸入ごぼう (1) 〈0.001 〈0.001
さつまいも (4) 〈0.001 〈0.001
さといも (7) 〈0.001 〈0.001〜0.002
じゃがいも (4) 〈0.001 〈0.001
大根 (3) 〈0.001 〈0.001
たまねぎ (4) 〈0.001 〈0.001
トマト (3) 〈0.001 〈0.001
輸入トマト (1) 〈0.001 〈0.001
長ネギ (3) 0.017 〈0.001〜0.050
ナス (7) 0.001 〈0.001〜0.004
にら (3) 0.001 〈0.001〜0.003
にんじん (3) 〈0.001 〈0.001
輸入にんじん (1) 〈0.001 〈0.001
ピーマン (7) 0.002 〈0.001〜0.007
輸入ピーマン (3) 〈0.001 〈0.001
ブロッコリー (3) 〈0.001 〈0.001〜0.001
みつば (3) 0.011 〈0.001〜0.024
もやし (3) 〈0.001 〈0.001
れんこん (3) 0.023 0.001〜0.063
キャベツ (3) 〈0.001 〈0.001
輸入キャベツ (2) 0.030 〈0.001〜0.059
小松菜 (7) 0.097 0.014〜0.155
白菜 (3) 〈0.001 〈0.001
ほうれん草 (21) 0.046 0.002〜0.362
レタス (7) 0.025 〈0.001〜0.172
輸入レタス (1) 〈0.001 〈0.001
春菊 (3) 0.130 〈0.001〜0.239
ちんげんさい (3) 0.010 〈0.001〜0.020
茶葉 (3) 0.606 0.158〜0.856
いちご (2) 〈0.001 〈0.001
みかん (3) 〈0.001 〈0.001
りんご (3) 0.001 〈0.001〜0.003
輸入りんご (1) 〈0.001 〈0.001
(4) 0.026 0.008〜0.043
輸入バナナ (3) 0.001 〈0.001〜0.002
輸入マンダリンオレンジ (1) 〈0.001 〈0.001
輸入グレープフルーツ (3) 〈0.001 〈0.001
(3) 〈0.001 〈0.001
パパイア (1) 〈0.001 〈0.001
ぶどう (3) 0.012 0.001〜0.035
しいたけ (3) 〈0.001 〈0.001
輸入しいたけ (2) 〈0.001 〈0.001
ひじき(乾) (2) 0.032 0.001〜0.062
ひじき(生) (1) 0.002 0.002
昆布(乾燥) (3) 0.217 0.005〜0.631
ワカメ(乾燥) (4) 0.036 0.014〜0.079
ワカメ(原藻) (1) 〈0.001 〈0.001
昆布佃煮 (1) 〈0.001 〈0.001
輸入はちみつ (3) 0.007 〈0.001〜0.019


(表7:検体数の推移)

  個別食品の調査検体数
魚介類
(加工品を含む)
肉・卵類
ハチミツ
乳・乳製品 穀類野菜類等
平成4年度公表 59
58
57 14
48
30
21 21 70
10 44 48 21 84
11 142 71 15 61
12 83 62 24 61
521 231 76 306
個別食品合計 904検体


(表8:個別食品調査結果の概要)

  個別食品調査
魚介類
(加工品を含む)
肉・卵類 乳・乳製品 穀類、豆類、
芋類、野菜、
果実類
検体数 521 231 76 306
結果 <0.001〜
25.72pg/g
<0.001〜
2.960pg/g
0.005〜
0.853pg/g
0〜
0.856pg/g
<0.001pg/g
:薩摩揚げ
25.72pg/g
:スズキ
<0.001pg/g
:豚肉
2.960pg/g
:鶏肉
0.005pg/g
:牛乳
0.853pg/g
:バター
0.856pg/g
:茶葉
(3)ダイオキシン類以外の食品中の化学物質の安全性評価について
 厚生労働省ではこれまで、食品中のPCB、水銀、DDT、ディルドリン、β-BHC、ヘプタクロル及びクロルフルアズロンの暫定的規制値の設定、TBTO(ビストリブチルスズオキシド)の安全性評価等を実施しており、化学物質による食品汚染の対策を実施しています。

(4)食品からのダイオキシン類摂取量の推移について
 昭和52年度(1977年度)から平成10年度(1998年度)までの保存されていた   トータルダイエット試料を調査したところ、以下に示すとおり、ダイオキシン類の 摂取量は、昭和52年から平成10年までに約1/3に減少しています。

(表9:保存試料の調査の概要
  昭和52年度
1977年度
昭和57年度
1982年度
昭和63年度
1988年度
平成4年度
1992年度
平成7年度
1995年度
平成10年度
1998年度
体重1kg当たりの
一日摂取
8.18 5.32 5.58 2.07 2.30 2.72
 (単位:pgTEQ/kgbw/日)

(4)消費者への情報提供について

 平成9年度以降に行われた調査結果については、厚生労働省ホームページに掲載しています。(http://www1.mhlw.go.jp/topics/dioxin_13/index.html
 また、審議会資料等を公表しています。(http://www1.mhlw.go.jp/shingi/index.htmlhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/0112/txt/s1205-2.txt
 今後とも、引き続き、食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等を継続実施するとともに、調査の結果を分かり易く公表してまいります。



【参考:用語説明】

ダイオキシン:

ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)
ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)

ダイオキシン類:

ダイオキシン及びコプラナーPCB

コプラナーPCB(Co-PCB)

PCDD及びPCDFと類似した生理作用を示す一群のPCB類

トータルダイエットスタディ

通常の食生活において、食品を介して化学物質等の特定の物質がどの程度実際に摂取されるかを把握するための調査方法。飲料水を含めた全食品を14群に分け、国民栄養調査による食品摂取量に基づき、小売店等から食品を購入し、必要に応じて調理した後、各食品群ごとにダイオキシン類の分析を行い国民1人あたりの平均的な1日摂取量を推定するもの。

TEF:

ダイオキシン類は通常混合物として環境中に存在するため、様々な同族体のそれぞれの毒性強度を最も毒性が強いとされる2,3,7,8-TCDDの毒性を1とした毒性等価計数(TEF:Toxic Equivalency Factor)を用いて表す。なお、今回は1997年にWHOで再評価された最新のTEFを用いている。

TEQ:

ダイオキシン類は通常混合物として環境中に存在するので、摂取したダイオキシンの毒性の強さは、各同族体の量にそれぞれのTEFを乗じた値を総和した毒性等量(TEQ:Toxic Equivalent)として表す。

耐容一日摂取量:

長期にわたり体内に取り込むことにより健康影響が懸念される化学物質について、その量まではヒトが一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される一日当たりの摂取量。ダイオキシン類の耐容一日摂取量については、1999年6月に厚生省及び環境庁の専門家委員会で、当面4pgTEQ/kgbw/日(1日に体重1kg当たり4pgTEQの意味。体重50kgの人であれば、4pgTEQ×50kgで計算し、耐容一日摂取量は200pgTEQとなる。)とされている。


14.牛海綿状脳症(BSE)対策の推進

(1)牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy:以下「BSE」といいます。)とは

 BSEは、牛以外のヒトを含めた他の動物にも見られるTSE(伝染性海綿状脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathies)という、未だ十分に解明されていない伝達因子(病気を伝えるもの)と関係する病気のひとつで、牛の脳の組織にスポンジ状の変化を起こし、起立不能等の症状を示す遅発性かつ悪性の中枢神経系の疾病です。

注1)TSEの特徴
(1) 潜伏期間は数ヶ月から数年の長期間。
(2) 進行性、致死性の神経性疾患。
(3) 罹患した動物やヒトの脳の薬剤処理抽出材料を電子顕微鏡下で観察するとプリオン(細胞タンパクの異常化したもの)の凝集体が確認できます。
(4) 病理学的所見は中枢神経系の神経細胞及び神経突起の空胞変性、星状膠細胞の増殖。
(5) 伝達因子によるヒトや動物での特異的な免疫反応がありません。

注2)BSEの臨床的特徴
(1) 潜伏期間は2〜8年程度、発症すると消耗して死亡、その経過は2週間から6ヶ月。
(2) 英国では3〜6歳牛が主に発症。
(3) 臨床症状は、神経過敏、攻撃的あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、食欲減退による体重減少、異常姿勢、協調運動失調、麻痺、起立不能などであり、死の転帰をとります。

 BSEの原因は、他のTSEと同様、十分に解明されていませんが、最近、最も受け入れられつつあるのは、プリオンという通常の細胞タンパクが異常化したものを原因とする考え方です。プリオンは、寄生虫、細菌、ウイルスとは異なり、細菌やウイルス感染に有効な薬剤であっても効果がないとされています。
 また、BSEと同様に脳にスポンジ状の変化を起こす、十分に解明されていない伝達因子によるTSEとして、めん羊や山羊のスクレイピー、伝達性ミンク脳症、ネコ海綿状脳症、シカやエルク(ヘラジカ)の慢性消耗病(chronic wasting disease)があるほか、ヒトについてもクールー、CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病:Creutzfeldt-Jakob disease)、致死性家族性不眠症、vCJD(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病:variant Creutzfeldt-Jakob disease)が報告されています。
 平成8年3月20日、英国の海綿状脳症諮問委員会(Spongiform Encephalopathy Advisory Committee(SEAC))は、10名のvCJD患者を確認し、これらはすべて平成6年又は7年に発症したもので、従来のCJDと比較して、

(1) 若年層で発生すること、
(2) 発症して死亡するまでの平均期間が6ヶ月から13ヶ月に延長していること、
(3) 脳波が異なること、
(4) 脳の病変部に広範にプリオン・プラークが認められること
など従来のCJDとは異なる特徴を有するとしました。
 疫学的研究及び症例研究では、vCJDの症例間の共通な危険因子は確認されませんでしたが、SEACによると、9名は過去10年間に牛肉を食べており、1名は平成3年以降、菜食主義者でした。
 SEACは、BSEとvCJDの間に直接的な科学的証拠はないが、確度の高い選択肢もなく、最も適当な説明としては、患者の発生は平成元年の特定の内臓(Specified Bovine Offal)の使用禁止前にこれらを食べたことに関連があるとしました。

(2)BSEの発生状況及び原因

 BSEは、 OIE(国際獣疫事務局)の統計によると、本疾病が昭和61年に英国で発見されて以来、英国のほか、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、北アイルランド、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、フィンランド、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、スロバキア、スロベニア、ポーランド、イスラエル、カナダ及び日本で各国産牛の発生例が報告されています。
 なお、オマーン、フォークランド諸島、デンマーク、カナダ、イタリア、アゾレス(ポルトガル)では英国から輸入された牛でのBSE発生が報告されています。
 BSEの発生原因としては、伝達因子に汚染された肉骨粉(食肉処理の過程で得られる肉、皮、骨等の残磋から製造される飼料原料)を含む飼料の流通を通じて広がったと考えられ、その汚染原因はスクレイピーに感染した羊又は何らかのTSEに感染した牛のいずれかと考えられています。これは、昭和55年頃に製造方法が変更され、原因物質が残存した肉骨粉が飼料に含まれるようになったことにあるのではないかと考えられています。

(3)輸入食品対策

 前述のとおり、平成8年以降、vCJDがBSE感染によることを示唆する実験結果が蓄積してきていますが、現在までBSEがヒトへ感染したという直接的な証明はなされていません。
 しかしながら、念のため、高発生国である英国については牛肉等(牛肉、牛内臓及びこれらの加工品)の輸入自粛を要請するとともに、低発生国についてもOIE勧告を踏まえ、健康牛であっても脳、脊髄等の危険性の高い部位が輸入されないことが重要との認識で対応してきました。
 具体的には、牛肉等から人への病原体の感染については未確認であるが、人への感染の可能性が指摘されているため、念のため、平成8年3月以降BSE発生防止対策が十分に実施されていないと考えられる英国産の牛肉及び加工品の輸入自粛を指導してきました。
 さらに、平成12年12月には、農林水産省が、BSEの我が国への侵入防止に万全を期すため、EU諸国等からの牛肉等の輸入の停止措置 (平成13年1月1日実施)を決定しました。このことを受け、厚生労働省としても、この措置の周知を図るとともに、この措置に含まれない骨を原材料とする食品について、緊急措置としてEU諸国等からの輸入自粛を指導してきました。
 このように、これまでは緊急的に行政指導による措置を行ってきましたが、欧州におけるBSE急増が継続して問題が長期化しており、国民の食生活への不安が高まっている中で、BSEの我が国への侵入防止策をより確実なものとすることが必要と判断し、農林水産省の家畜伝染病予防法に基づく法的措置と並んで食品衛生法に基づく法的措置を行うこととし、食品衛生法施行規則を改正して、平成13年2月15日以降、牛肉、牛臓器及びこれらを原材料とする食肉製品について、BSE発生国(EU諸国、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、スロバキア、スロベニア、ポーランド、イスラエル及びカナダ)からの輸入を禁止しています。

注)EU諸国とは、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、デンマーク、アイルランド、英国、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、フィンランド、オーストリア、スウェーデンをいいます。

(4)国内対策

 厚生労働省では、BSEの人への感染性が指摘された平成8年3月以降、その時々の科学的知見等に基づき必要な対策を講じてきました。
 国産食肉等については、平成8年4月に、と畜場法施行規則を改正し、と畜検査の対象疾病に伝染性海綿状脳症を加え、臨床症状等の検査によるサーベイランスを実施し、平成13年5月からは、サーベイランス体制を整備し、神経症状を呈する牛に対する異常プリオンの有無の検査を開始しました。
 平成13年9月、我が国においてBSEにり患した牛が発見されたことから、平成13年10月18日より、食用として処理されるすべての牛を対象としたBSE検査を全国一斉に開始するとともに、食肉処理時の特定部位(頭部(舌、頬肉を除く。)、脊髄、回腸遠位部)の除去・焼却を法令上義務化し、BSEにり患した牛由来の食肉等が流通しないシステムを確立したところです。
 食品の製造・加工者に対し、牛由来の原材料を使用する食品について点検を行い、特定危険部位を使用している又はその可能性がある食品については、原材料の変更、販売の中止や回収を行うよう都道府県等を通じて指導したところです。
 また、各都道府県等においては、これらの取組が確実に行われるよう、必要に応じ、製造・加工者の施設に立ち入るなど、指導の徹底を図っています。
 点検結果については、8,980の製造・加工者から報告のあった132,645の食品のうち、22の食品について、特定危険部位が使用されていた、又はその可能性があるため、回収措置等が行われたところです。
 こうした結果については、厚生労働省ホームページ等において全て公表し、詳細な情報を提供しており(
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/bse.html)、引き続き適切に情報提供を進めることとしています。


15.保健機能食品制度の創設

(1)制度創設の趣旨

 国民の食生活が多様化し、また、多種多様な食品が流通する今日、消費者が自らの健康を維持するためには、個々人の食生活の状況に応じ、必要な栄養成分を適切に摂取することが重要です。
 近年、ビタミン、ミネラル、ハーブ類等の種々の栄養成分を補給することを目的とした食品の流通が増大していますが、これらの食品については、適切な摂取がなされることにより健康の維持、増進に寄与することが評価できる一方で、不適切な摂取がなされた場合等においては、人の健康を損なうことも考えられます。
 こうしたことから、不適切な表示により、国民の栄養摂取状況を混乱させ、また、過剰摂取等により健康上の被害をもたらすことがないよう、これらの食品についても食品衛生法上の表示基準等を定めることにより、消費者の食品の適切な選択に資することができるようにすることを目的として、平成13年4月に保健機能食品の制度を創設しました。

(2)保健機能食品とは

 保健機能食品は、特定保健用食品及び栄養機能食品の2種類の類型からなり(概要図参照)、それぞれに独自の表示をすることを可能とするものです。

(1)特定保健用食品:
 (個別許可型)
特定の保健の用途に資することを目的とし、健康の維持、増進に役立つ又は適する旨を表示することについて、厚生労働大臣により許可又は承認された食品です。
(2)栄養機能食品:
 (規格基準型)
高齢化、食生活の乱れ等により、その人にとって不足しがちな栄養成分の補給、補完に資することを目的とした食品です。
その食品から1日当たりに摂取することとなる栄養成分の量について一定の基準を満たす場合、その栄養成分の機能に関し一定の表示を行うことが可能となるものです。
(概要図)

概要図


 また、保健機能食品は、許可等を受けた特定の保健の目的に関する表示や栄養成分の機能に関する表示以外にも、下表に示す事項を表示しなければならないこととされています。
 これらの表示は、特定保健用食品については栄養改善法に基づき平成3年から制度化されていますが、今回の保健機能食品制度の創設により、形状の制限を撤廃し、これまで認められなかった錠剤、カプセル等の形状のものも食品として適切であれば認めていくこととしています。
(表)
特定保健用食品 栄養機能食品
(1)保健機能食品(特定保健用食品)である旨
(2)栄養成分量及び熱量
(3)1日当たりの摂取目安量
(4)摂取方法
(5)摂取をする上での注意事項
(6)1日当たりの栄養所要量に対する充足率
(関与成分が栄養所要量の定められた成分
である場合)
(1)保健機能食品(栄養機能食品)である旨
(2)栄養成分量及び熱量
(3)1日当たりの摂取目安量
(4)摂取方法
(5)摂取をする上での注意事項
(6)1日当たりの栄養所要量に対する充足率
(7)厚生労働省による個別審査を受けたもの
ではない旨

 さらに、保健機能食品ではない一般の食品については、保健機能食品と紛らわしい名称を用いたり、栄養成分の機能や特定の保健の用途に適する旨の表示をすることが禁止されています。
 保健機能食品制度については、平成13年4月1日から施行されています。
 なお、制度の詳細については、平成13年3月27日に、食品衛生法施行規則等の改正等が行われ、同日付けで施行通知等の関連通知が発出されていますので、そちらをご覧下さい。

(官報)平成13年3月27日号外第59号
・食品衛生法施行規則等の一部を改正する省令(厚生労働省令第43号)
・食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(厚生労働省告示第95号)
・特定保健用食品の安全性及び効果の審査の手続きを定める件(同第96号)
・栄養機能食品の表示に関する基準を定める件(同97号)
・栄養表示基準の一部を改正する件(同98号)

(通知)
・保健機能食品制度の創設について(医薬発第244号医薬局長通知)
・保健機能食品制度の創設等に伴う特定保健用食品の取扱い等について
 (食発第111号食品保健部長通知)
・保健機能食品であって、カプセル、錠剤等通常の食品形態でない食品の成分となる物質の指定及び使用基準改正に関する指針について
 (食発第115号食品保健部長通知)
・保健機能食品制度の創設等に伴う取扱い及び改正等について
 (食新発第17号新開発食品保健対策室長通知)

(3)今後の対応等

(1) 保健機能食品制度については、施行後間もないことから、ポスターやパンフレットの配布等種々の媒体を通じて、国民への制度周知を図っていくこととしています。
(2) 栄養機能食品については、比較的検討が容易であった14種類のビタミン及びミネラルについて基準を設定しましたが、引き続き、その他の栄養成分の基準の設定について検討していくこととしています(栄養機能食品の栄養成分の機能表示等の基準については、次頁参照)。
(3) 保健機能食品制度の検討の中で、残された課題である製造基準(食品GMP)の検討についても、引き続き行っていくこととしています。
(4) また、基準に反した不適切な表示を行っている食品の排除のための監視指導の充実に努めていくこととしています。


栄養機能食品の機能表示等の基準

(ミネラル類)
名称 下限値 注1)
上限値
栄養機能表示 注意喚起表示
カルシウム 250mg
600mg
カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の目安量を守ってください。
4mg
10mg
鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。

(ビタミン類)
名称 下限値 注1)
上限値
栄養機能表示 注意喚起表示
ナイアシン 5mg
15mg
ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。
パントテン酸 2mg
30mg
パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビオチン 10μg
500μg
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンA
注2)
180μg
600μg
ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください。
ビタミンB 0.3mg
25mg
ビタミンBは、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。
ビタミンB 0.4mg
12mg
ビタミンBは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB 0.5mg
10mg
ビタミンBは、たんぱく質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB12 0.8μg
60μg
ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
ビタミンC 35mg
1,000mg
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
ビタミンD 0.9μg
5.0μg
ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
ビタミンE 3mg
150mg
ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。
葉酸 70μg
200μg
葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。

本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません。
注1: 上限値及び下限値は、食品の1日摂取目安量を摂取した場合に当該食品 から摂取される当該栄養成分の量の上限値及び下限値である。
2: ビタミンAの前駆体であるβ−カロチンについては、ビタミンAと同様の栄養機能表示を認める。この場合、「妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意して下さい。」旨の注意喚起表示は、不要とする。


16.食品衛生行政の推進と情報の提供・公開

食品衛生行政の概要図

(注)数字は平成12年末現在。なお、地方厚生局の食品衛生監視員数は平成13年4月現在。


各項目の照会先

「目次」等、包括的な内容 企画課・企画法令係(内線:2451)
1.食品添加物の安全性確保の推進 基準課・添加物係(内線:2453)
2.食品中の残留農薬の安全性確保の推進
  基準課・残留農薬係(内線:2486)
3.残留動物用医薬品等の対策の推進 基準課・乳肉水産基準係(内線:2488)
監視安全課・化学物質係(内線:2472)
4.抗生物質耐性細菌(バンコマイシン耐性腸球菌など)による食品の汚染の防止
  監視安全課・化学物質係(内線:2477)
5.輸入食品の安全性確保の推進 検疫所業務管理室・輸入監視係(内線:2469)
6.食中毒対策の推進 監視安全課・食品安全係(内線:2478)
7.異物混入防止対策の推進 監視安全課・食品安全係(内線:2478)
8.HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)の推進
  監視安全課(内線:2474)
9.食物アレルギー対策の推進 基準課(内線:2484)
10.遺伝子組換え食品の安全性確保の推進
  監視安全課(内線:2455)
11.器具・容器包装及びおもちゃの安全性確保
  基準課・調査指定係(内線:2487)
12.内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の調査研究の推進
  監視安全課・化学物質係(内線:2477)
13.食品中のダイオキシン等の調査研究の推進
  監視安全課・化学物質係(内線:2477)
14.牛海線状脳症(BSE)対策の推進 監視安全課・乳肉水産安全係(内線:2476)
15.保健機能食品制度の創設 新開発食品保健対策室(内線:2458)


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