平成11年9月6日
厚生省生活衛生局

平成10年度「食品からのダイオキシンの一日摂取量調査」
(トータルダイエットスタディ)について



 食品からのダイオキシン(ダイオキシン類及びコプラナーPCB)の一日摂取量調査について、平成10年度の調査結果がまとまった。(調査結果の詳細は別添研究報告書のとおり)
 この調査は、平成10年度厚生科学研究費(主任研究者;豊田正武国立医薬品食品衛生研究所食品部長)により行われたものであり、調査結果の概要は下記のとおりである。

1 調査目的

ダイオキシンの人への主な暴露経路の一つと考えられる食品について、平均的な食生活における食品からのダイオキシンの摂取量を推計すること。


2 調査方法

 (1) 一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)
 全国7地区(10か所)で集めたトータルダイエット試料(14食品群)について、ダイオキシンを分析し、平均的な食生活において食品から摂取されるダイオキシンの量を推計する。
 (2) 保存試料を用いた経年変化に関する調査
 昭和52年度(1977年度)から平成7年度(1995年度)に関西地区で採取・保存された5時点(平成10年度分を加えると6時点)のトータルダイエット試料について、ダイオキシンを分析し、平均的な食生活において食品から摂取されるダイオキシン量の経年変化について推計する。
 なお、個別食品についても調査を実施しているが、調査結果については現在とりまとめ作業を行なっており、まとまり次第公表する予定。
3 調査項目
 ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDD)7種、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)10種)及びコプラナーPCB (Co-PCB)12種
4 調査結果の概要

 (1)一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)

平成10年度一日摂取量調査からのダイオキシンの一日摂取量は、2.00pgTEQ/kgbw/日であった。
一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)
平成9年度実態調査結果 平成10年度実態調査結果
一日摂取量
7pgTEQ/日
(68.7〜158.8pgTEQ/日)
99.8pgTEQ/日
(61.1〜136.0pgTEQ/日)
体重1kg当たりの
一日摂取量
2.41pgTEQ/kgbw/日
(1.37〜3.18pgTEQ/kgbw/日)
2.00pgTEQ/kgbw/日
(1.22〜2.72pgTEQ/kgbw/日)
数値は平均値、( )内は範囲を示す。なお、体重1kg当たりの一日摂取量は日本人の平均体重を50Kgとして計算している。


(2) 保存試料を用いた経年変化に関する調査

昭和52年度(1977年度)から平成10年度(1998年度)までのトータルダイエット試料の調査結果は以下のとおり。
(単位:pgTEQ/kgbw/日)
昭和52年度
(1977年度)
昭和57年度
(1982年度)
昭和63年度
(1988年度)
平成4年度
(1992年度)
平成7年度
(1995年度)
平成10年度
(1998年度)
平成11年度
(1999年度 )
体重1kg当たりの
一日摂取量
8.18 5.32 5.58 2.07 2.30 2.72 2.72

5.今後の予定等

平成11年度も食品中のダイオキシン汚染実態調査を継続する予定。一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)については、7地区(16か所)に調査対象を拡大するとともに、1か所については年4回のサンプリングを行い、年間を通じた変化について推計することとしている。
以上

 

(参考1)平成9年度の一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)との比較
 

平成9年度
平成10年度
調査地区 7地区(10カ所) 7地区(10カ所)
調査項目 PCDD7種、PCDF10種
Co-PCB3種
PCDD7種、PCDF10種
Co-PCB12種
毒性等価係数 ITEF(International Toxicity
Equivalency Factor)
1,2,3,7,8-PentaCDD: 0.5
OctaCDD: 0.001
OctaCDF: 0.001
3,3',4,4'-TetraCB: 0.0005
97年WHOによるTEF
1,2,3,7,8-PentaCDD: 1
OctaCDD: 0.0001
OctaCDF: 0.0001
3,3',4,4'-TetraCB: 0.000
他の異性体は同じ値である。
定量下限
魚介類
肉・卵類
PCDD及びPCDF
4〜5塩素化合物 0.01ppt
6〜7塩素化合物 0.02ppt
8 塩素化合物 0.05ppt
Co-PCB
ノンオルト体 0.01ppt
PCDD及びPCDF
4〜5塩素化合物 0.01pp
6〜7塩素化合物 0.02pp
8 塩素化合物 0.05ppt
Co-PCB
ノンオルト体 0.1pp
モノオルト体 1pp
ダイオキシン一日摂取量 2.41pgTEQ/kgbw/日 2.00pgTEQ/kgbw/日
耐容一日摂取量(TDI) 10pgTEQ/kgbw/日 4pgTEQ/kgbw/日
平成10年度の調査においては、(1)Co-PCBの分析対象異性体を3種から12種に拡大し、(2)毒性等価係数について97年WHOの係数に変更した。

 

(参考2) 定量下限以下のダイオキシン検出状況に関する考察

  定量下限以下の数値の取り扱いについて、次のような推計を行った。

(1)定量下限値未満で検出下限値以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満のものは検出下限の1/2の値を用いて各異性体の毒性当量を算出する方法を採用した場合 (JISガイドライン)

一日摂取量 121.9pgTEQ/日 体重1kg当たりの一日摂取量 2.44pgTEQ/kgbw/日

(2) 定量下限以下のものは定量下限の1/2の値を用いて各異性体の毒性当量を算出する方法を採用した場合
 

一日摂取量 147.5pgTEQ/日 体重1kg当たりの一日摂取量 2.95pgTEQ/kgbw/日


食品中のダイオキシン汚染実態調査研究(平成10年度)

その1:トータルダイエットからの1日摂取量

主任研究者 豊田 正武 国立医薬品食品衛生研究所 食品部長
研究要旨:
我が国におけるダイオキシン(ダイオキシン類(PCDD7種、PCDF10種)及びCo-PCB12種)の食品を介した人への曝露状況を把握するために、昨年に引き続き7地区で集めたマーケットバスケット方式によるトータルダイエット試料(14食品群、10試料)について、ダイオキシンを分析し結果を集計することにより、通常の食品から摂取されるダイオキシンの量を求めた。同時にダイオキシン摂取量の経年変化を把握するため、1977年から1995年の19年間の保存トータルダイエット試料(13食品群、5試料)についても分析し、遡及的に摂取量の傾向を推計した。
平成10年度トータルダイエットからのダイオキシンの1日摂取量は、平均99.8±24.6pgTEQ/day(範囲61.1〜136.0pgTEQ/day)であった。日本人の平均体重を50kgとして、本研究から得られたダイオキシンについて体重kg当たりの1日摂取量に換算すると、平均2.00±0.49pgTEQ/kgbw/day(範囲1.22〜2.72pgTEQ/kgbw/day)で、食事由来摂取量は我が国のTDIの4pgTEQ/kgbw/day以下となっている。平均摂取量は昨年度と比較し、若干減少している。なお参考として不検出(定量限界未満の場合)を定量限界の1/2として計算した場合(以下、ND=LOD/2と略す)は、それぞれ平均147.5±24.2pgTEQ/day(範囲112.3〜192.6pgTEQ/day)、平均2.95±0.48pgTEQ/kgbw/day(範囲2.25〜3.85pgTEQ/kgbw/day)であった。
1977年度から1998年度までのトータルダイエット6試料(1977、1982、1988、1992、1995、1998年度)13食品群からの摂取量は、それぞれ409.1、266.1、278.9、103.6、115.1、136.0pgTEQ/dayである(ND=LOD/2の場合470.0、321.5、331.9、155.5、168.5、192.4pgTEQ/dayである)。体重(kg)当たりの1日摂取量に換算すると、それぞれ8.18、5.32、5.58、2.07、2.30、2.72pgTEQ/kgbw/dayとなる(ND=LOD/2の場合9.40、6.43、6.64、3.11、3.37、3.85pgTEQ/kgbw/dayとなる)。この結果ダイオキシンの1日摂取量は過去22年間で明らかに減少し、1998年度の総摂取量は1977年度の総摂取量の1/3(33%)に減少し、ダイオキシン類の摂取量は1/4(24%)となり、Co-PCBsの摂取量は2/5(41%)に減少している(ND=LOD/2の場合のダイオキシンの総摂取量も2/5(41%)に減少している)。このことは、過去20年間に食事経由のダイオキシン暴露量が減少し、人体汚染レベルの低下に反映していることを強く示唆している。
なお、不検出(定量限界未満の場合:ND)に、ゼロ、定量限界の1/2、定量限界を当てはめた場合の摂取量への影響に関する解析を行った結果から、摂取量の算出にはNDにゼロを用いて計算した結果に、定量限界の1/2を用いて計算した場合の結果を参考までに併記して示すこととした。
研究班構成
分担研究者 : 飯田隆雄 福岡県保健環境研究所
研究協力者 : 内部博泰、柳俊彦、河野洋一 (財)日本食品分析センター
堀 就英 福岡県保健環境研究所
A.研究目的
ダイオキシンについては、急性毒性の他に発癌性、催奇形成等の毒性が報告されていることから、厚生省研究班により1996年そのTDI(耐容1日摂取量)を当面10pgTEQ/kgbw/dayとすることが決定された。その後、1998年WHOの欧州地域事務局及び国際化学物質安全性計画(IPCS)による専門家会合が開催され、ダイオキシンのTDIの見直しが行われ、1〜4pgTEQ/kgbw/dayとすることが決定された。これを受けて我が国でも1999年生活環境審議会・食品衛生調査会・中央環境審議会の合同専門家会合が開催され、当面の間ダイオキシンのTDIを4pgTEQ/kgbw/dayとすることが適当であると結論された。その報告書中で、我が国におけるダイオキシンの平均的な1日摂取量は、2.60pg/kgbw/dayと試算されており、その内食品からが2.41pg/kgbw/dayで全体の93%を占め、人への主な暴露源は食品であると考えられている。我が国におけるダイオキシンの食品経由の暴露量は、1996年度より厚生省研究班によりトータルダイエット試料による調査が実施されている。本年度は、昨年度に引き続きマーケットバスケット方式によるトータルダイエット試料について、ダイオキシンの含量調査を行い摂取量を昨年度のデータと比較すると共に、保存トータルダイエット試料を用いた含量調査を行い我が国におけるダイオキシン摂取量の経年変化の実態を把握することとした。

B.研究方法
1.試料

平成10年度のトータルダイエット試料は、約120品目を厚生省の平成6年または8年度国民栄養調査による食品群別摂取量表を基にして、7地区10機関で購入した。実際の食事形態に従い、各食品をそのまま又は調理した後、13群に大別し、混合しホモジナイズし、−20℃で保存したものを分析用試料とした。13食品群の内訳は、1群は米・米加工品、2群は米以外の穀類・種実類・芋類、3群は砂糖類・菓子類、4群は油脂類、5群は豆類・豆加工品、6群は果実類、7群は緑黄色野菜、8群は他の野菜・きのこ類・海草類、9群は調味・嗜好飲料、10群は魚介類、11群は肉類・卵類、12群は乳・乳製品、13群はその他の食品(カレールー等)であり、なお14群として飲料水(水道水)を加えている。
経年調査用のトータルダイエット試料は関西地区より提供を受け当所が冷凍保存していた飲料水以外の13群、1977〜1995年の5試料を用いた。
2.試験方法
試験方法は昨年度の報告書(平成9年度)と同様に行った。
ただし、定量値については、1997年におけるWHOの毒性等価係数(TEF:Toxic Equivalence Factor)を用いて、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)当量に換算して示した。なお数値はNDの場合、昨年同様ゼロを用いた値及び本年度より定量限界値の1/2を用いた値の両者を併記して示した。
また、これらダイオキシンの定量限界は、1〜3群及び5〜13群が、TetraCDDとTetraCDF、PentaCDDとPentaCDFが0.01pg/g、HexaCDDとHexaCDF、HeptaCDDとHeptaCDFが0.02pg/g、OctaCDDとOctaCDFが0.05pg/g、Co-PCBのうちノンオルト体が0.1pg/g、モノオルト体が1pg/gであった。4群では、TetraCDDとTetraCDF、PentaCDDとPentaCDFが0.05pg/g、HexaCDDとHexaCDF、HeptaCDDとHeptaCDFが0.1pg/g、OctaCDDとOctaCDFが0.2pg/g、Co-PCBのうちノンオルト体が0.5pg/g、モノオルト体が5pg/gであった。また、14群では、TetraCDDとTetraCDF、PentaCDDとPentaCDFが0.0001pg/g、HexaCDDとHexaCDF、HeptaCDDとHeptaCDFが0.0002pg/g、OctaCDDとOctaCDFが0.0005pg/g、Co-PCBのうちノンオルト体が0.001pg/g、モノオルト体が0.01pg/gであった。

C.研究結果
1.平成10年度トータルダイエット調査

本研究は、通常の食事から摂取されるダイオキシンの量を把握するために行ったものであり、昨年度と同様に日本全国7地区、各地区1〜3試料からの10試料を用いて全国規模で推定することとした。
表1〜3に7地区14食品群からのダイオキシン類、Co-PCBs及びダイオキシンについて、NDをゼロとして計算した場合(以下、ND=Oと略す)の摂取量データと各群からの摂取割合を示した。同様に表4〜6にNDに定量限界の1/2を用いて計算した場合(以下、ND=LOD/2と略す)の数値を示した。
ダイオキシン類の1日摂取量は、ND=Oの場合、平均41.5±8.3pgTEQ/day(範囲29.0〜50.1pgTEQ/day)である。本研究から得られたダイオキシン類について日本人の平均体重を50kgとして、体重(kg)当たりの1日摂取量に換算すると、平均0.83±0.17pgTEQ/kgbw/day(範囲0.58〜1.00pgTEQ/kgbw/day)となる。ND=LOD/2の場合は、平均78.4±8.3pgTEQ/day(範囲68.9〜91.1pgTEQ/day)であり、体重(kg)当たりでは平均1.57±0.17pgTEQ/kgbw/day(範囲1.38〜1.82pgTEQ/kgbw/day)である。
各食品群別のダイオキシン類の1日摂取量は、ND=Oの場合多い順に10群(魚介類)が61.2%、11群(肉・卵)が19.2%、12群(乳・乳製品)が14.3%となり、これらの群で全体の94.7%を占めている。ND=LOD/2の場合は、10群が33.0%、1群(米)が14.3%、11群が11.7%、12群が9.3%となり、第1群からの摂取割合が増加する結果となった。
Co-PCBについては、1日摂取量は平均58.2±18.6pgTEQ/day、範囲31.4〜90.0pgTEQ/dayであり、体重(kg)当たりの摂取量は、平均1.16±0.37pgTEQ/kgbw/day(範囲0.63〜1.80pgTEQ/kgbw/dayとなる。食品群別の摂取量は、多い順に10群77.5%、11群12.6%、12群4.6%であり、これら3群で全体の94.7%を占める。ND=LOD/2の場合は、平均69.1±18.7pgTEQ/day(範囲43.2〜103.0pgTEQ/day)であり、体重(kg)当たりの摂取量は、平均1.38±0.37pgTEQ/kgbw/day(範囲0.86〜2.06pgTEQ/kgbw/dayである。食品群別には多い順に10群65.3%、11群10.7%であり、両群で全体の76.0%を占める。
ダイオキシン類とCo-PCBを合わせたダイオキシンの1日総摂取量は、平均99.8±24.6pgTEQ/day(範囲61.1〜136.0pgTEQ/day)であり、体重(kg)当たりに換算すると、平均2.00±0.49pgTEQ/kgbw/day(範囲1.22〜2.72pgTEQ/kgbw/day)である。食品群別摂取量は、多い順に10群70.7%、11群15.4%、12群8.6%で、これら3群で全体の94.7%を占める。ND=LOD/2の場合は、体重(kg)当たりのダイオキシンの1日総摂取量は平均2.95±0.48pgTEQ/kgbw/day(範囲2.25〜3.85pgTEQ/kgbw/day)となる。食品群別では多い順に10群48.1%、11群11.2%、1群10.1%、12群6.9%、2群(雑穀・芋)5.7%であり、やはり1群からの寄与が多くなる。
ダイオキシンの食事由来摂取量はいずれも我が国のTDIの4pgTEQ/kgbw/day以下となっており、また昨年度の平均摂取量2.41±0.63pgTEQ/kgbw/dayより、Co-PCBsの分析対象の異性体が増加しているにも拘わらず若干減少している。
2.摂取量の経年変化
表7に保存トータルダイエット試料からのダイオキシンの1日摂取量について、1977年度から1995年度までの5試料の結果を1998年度のトータルダイエット試料の13食品群の結果と合わせて示した。なおNDを定量限界の1/2として計算した場合の数値を参考に付記した。また図1にこれらのデータを用いた、22年間の摂取量の経年変化を示した。
1977年度から1998年度までの6試料(1977、1982、1988、1992、1995、1998年度)からのダイオキシンの総摂取量は、ND=Oの場合それぞれ409.1、266.1、278.9、103.6、115.1、136.0pgTEQ/dayであり、ND=LOD/2の場合470.0、321.5、331.9、155.5、168.5、192.4pgTEQ/dayである。体重(kg)当たりの1日摂取量に換算すると、ND=Oの場合それぞれ8.18、5.32、5.58、2.07、2.30、2.72pgTEQ/kgbw/dayとなり、ND=LOD/2の場合9.40、6.43、6.64、3.11、3.37、3.85pgTEQ/kgbw/dayとなる。この結果ダイオキシンの1日摂取量は過去22年間で明らかに減少し、ND=Oの場合、1998年度の総摂取量は1977年度の総摂取量の1/3(33%)に減少し、ダイオキシン類の摂取量は1/4(24%)となり、Co-PCBsの摂取量は2/5(41%)に減少している。またND=LOD/2の場合のダイオキシンの総摂取量も2/5(41%)に減少している。

D.考察

トータルダイエットスタディーにおける1日摂取量の値は、分析データの定量限界値の取り扱いにより大きな影響を受けることが知られており、諸外国の分析においても様々なデータ処理が行われている。本研究のトータルダイエット試料中ダイオキシン分析においても、同様な問題が考えられるため、本研究で最も1日摂取量の多かった関西地区の分析データを用い、NDにゼロ、定量限界の1/2、定量限界を用いて計算した場合の摂取量への影響に関する解析を行った。
図2に各食品群別のダイオキシンの1日摂取量を示した。ND=Oの場合食品群別1日摂取量は多い順に10群が93.9%、11群が3.3%、7群が1.8%となり、第1群からの寄与はゼロである。ND=LOD/2の場合は、10群が66.6%、1群が10.6%、2群が5.1%、11群が4.3%となり、第1群からの摂取割合が増加する。更に、NDを定量限界として計算した場合は、第10群が51.7%、第1群が16.3%、第2群が7.9%、第11群が4.8%となり、第1群からの寄与が1割以上となることが分かる。特にPCDDsとPCDFsの摂取量ではその寄与が23.2%と大きい。
以上のようにNDの取り扱いにより第1群からの寄与が著しくなり、第1群ではダイオキシン摂取について過大評価する原因となり得る。これは、サンプル中のダイオキシン量を算出するために測定試料中のダイオキシン濃度に掛け合わせる食品重量が他の食品群に比べ大きいこと等に起因している。即ち、(1)第1群は1日の摂取量が他の群と比較し大きいこと、(2)第1群の試料調製では実際の食事形態に合わせるため調理等により、他の群より大量に水が添加されていること、(3)第1群に含まれるダイオキシン異性体のほとんどが定量限界以下であること、等の要因が考えられる。因みにほとんどの異性体が定量限界以上で定量されている第10群からの摂取については、NDの取り扱いの影響はほとんど現れない。
また1昨年度農林水産省は米中のダイオキシン類の含量調査を実施しており、その成果報告書によれば玄米中PCDDs及びPCDFsの含量は0.00022〜0.018pgTEQ/gであり、関西地区における米の1日摂取量(178.4g)のすべてを玄米から摂取すると仮定すると、その摂取量は最大でも3.2pgTEQ/dayと、計算値31.0pgTEQ/dayの1/10にしかならない。従って、NDに定量限界をそのまま当てはめる算出法は妥当性に欠けると考えられる。また、定量限界の1/2の値を採用した場合でも第1群からの摂取は玄米の分析値から試算した値の約5倍の摂取となる。しかしながら、ダイオキシンは定量限界以下の超微量レベルであらゆる食品にバックグランドとして含まれる可能性を否定出来ないため、NDをゼロとして計算する事も必ずしも正確であるとは考えられない。よって、本報告ではトータルダイエットからの摂取量の算出には、不検出値にゼロを用いた結果(ND=O)に、定量限界の1/2を用いた場合(ND=LOD/2)の結果を参考までに併記して示すこととした。
なお、先般公表されたJIS「排ガス中のダイオキシン類及びコプラナーPCB測定方法ガイドライン(案)」において、定量下限値未満の測定値の取扱いについて例示されているため、このうち「定量下限以上の値と定量下限値未満検出下限値以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満のものは試料ガスにおける検出下限の1/2の値を用いて各異性体の毒性当量を算出する」方法を準用した場合の数値を表8〜10に併せて示した。この場合の摂取量はいずれも上記の参考値(ND=LOD/2の場合)より低い値となっている。
地区別ダイオキシン摂取量について、平成9年度の摂取量データと比較すると、北海道地区と東北地区の摂取量は前者で2倍となり、後者で半分に低下し、年度により大きく変動している。その他の地区では、50%以下の変動であり、その摂取傾向も昨年度とほぼ一致していた。即ち概して関東地区、中部地区、関西地区、九州地区で高い傾向にあるが、データの年変動もあるため地区別摂取傾向を正確に知るにはさらに継続的にデータを蓄積する必要がある。北海道地区と東北地区での変動の原因は不明である。
さらに、本調査では、過去22年間に遡り我が国のダイオキシン1日摂取量の経年変化を明らかとすることを目的とし、保存トータルダイエット試料の分析を実施した。この結果、ダイオキシン類(PCDDs+PCDFs)、Co-PCBsの摂取量は1977年以降のほぼ15年間いずれも減少傾向にあることが分かった(表7、図1)。最近6年間ではその減少傾向は緩やかとなり、Co-PCBsでは僅かに増加しているようにも見られる。しかし、このCo-PCBs摂取量の増加傾向は変動の範囲内と考えられる。その理由は、第1にこれらのデータが1地区のみのデータであり、年度による変動が大きいこと、第2に最近2ヶ年の全国7地区(10試料)の調査でCo-PCBsの平均摂取量は若干減少しているからである。
厚生省は昨年1973〜1996年における保存母乳中ダイオキシン濃度の経年変化調査を実施し、母乳中ダイオキシン濃度は20年間で半分以下に減少していることを報告している。本報告の食事由来ダイオキシン摂取量の減少傾向は保存母乳中ダイオキシン濃度の経年的な減少傾向と良く一致している。

E.結論

平成10年度トータルダイエットからのダイオキシンの1日摂取量は、平均99.8±24.6pgTEQ/day(61.1〜136.0pgTEQ/day)(ND=LOD/2の場合、平均147.5±24.2pgTEQ/day(112.3〜192.6pgTEQ/day))である。日本人の平均体重を50kgとした場合、体重kg当たりの1日摂取量は、平均2.00±0.49pg(1.22〜2.72pg)(ND=LOD/2の場合平均2.95±0.48pg(2.25〜3.85pg))であり、TDI以下となっている。平均摂取量は昨年度と比較し若干低下している。
6ト−タルダイエット試料(1977、1982、1988、1992、1995、1998年度)からの摂取量は、それぞれ409.1、266.1、278.9、103.6、115.1、136.0pg(ND=LOD/2の場合470.0、321.5、331.9、155.5、168.5、192.4pg)である。体重kg当たりの1日摂取量では、それぞれ8.18、5.32、5.58、2.07、2.30、2.72pg(ND=LOD/2の場合9.40、6.43、6.64、3.11、3.37、3.85pg)となる。この結果ダイオキシンの1日摂取量は過去22年間で明らかに減少し、1998年度の総摂取量は1977年度の総摂取量の1/3(35%)に減少し、特にダイオキシン類の摂取量は1/4(24%)となり、Co-PCBsの摂取量は2/5(41%)に減少している(ND=LOD/2の場合の総摂取量も半分以下の2/5(41%)に減少している)ことが分かった。また過去約20年間におけるダイオキシン摂取量の減少傾向は、母乳中ダイオキシン濃度の減少傾向と良く一致している。このことは、過去20年間に食事経由のダイオキシン暴露量が減少し、人体汚染レベルの低下に反映していることを強く示唆している。

F.研究発表
1.論文発表
1)豊田正武、内部博泰、柳俊彦、河野洋一、堀就英、飯田隆雄:日本における食事経由のPCDDs, PCDFs及びCoplanar PCBsの摂取量、食衛誌、40(1)、98-110(1999)
2)豊田正武、飯田隆雄、堀就英、柳俊彦、河野洋一、内部博泰:日本における市販食品中のPCDDs、PCDFs及びCoplanar PCBs含有量、食衛誌、40(1)、111-121(1999)

謝辞

本研究は、平成10年度厚生科学研究費及び試験検査費により行った。なおトータルダイエット試料の作製にご協力願いました7地区の10研究機関の方々に感謝致します。

参考文献
1)厚生省生活衛生局:食品中のダイオキシン汚染実態調査研究(平成9年度)
2)厚生省児童家庭局:母乳中のダイオキシン類に関する調査中間報告(平成9年度)
3)科学技術庁研究開発局:ダイオキシン類汚染に関する緊急研究(平成9年度)成果報告書
4)中央環境審議会環境保健部会・生活環境審議会・食品衛生調査会:ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について(平成11年6月)


表1   平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン類1日摂取量(ND=0)
(PCDDs+PCDFs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区   中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.0
2群(雑穀・芋) 0.10 0.08 0.14 0.00 0.62 0.06 0.00 0.08 0.00 0.05 0.11 0.18 0.3
3群(砂糖・菓子) 0.09 0.10 0.07 0.38 0.48 0.03 0.39 0.12 0.04 0.03 0.17 0.17 0.4
                           
4群(油脂) 0.02 0.65 0.79 0.10 0.08 0.06 0.21 0.08 0.11 0.03 0.21 0.27 0.5
5群(豆・豆加工品) 0.00 0.00 0.06 0.00 0.09 0.02 0.03 0.00 0.05 0.00 0.03 0.03 0.1
6群(果実) 0.05 0.00 0.07 0.00 0.12 0.00 0.04 0.00 0.00 0.00 0.03 0.04 0.1
                           
7群(有色野菜) 0.81 0.32 2.17 1.21 0.08 0.29 2.45 2.41 0.08 2.03 1.19 1.00 2.9
8群(野菜・海草) 0.10 0.52 0.17 0.14 0.00 0.09 0.00 0.03 0.09 0.00 0.11 0.15 0.3
9群(嗜好品) 0.37 0.00 0.04 0.00 0.29 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.07 0.14 0.2
                           
10群(魚介) 36.15 16.42 21.71 22.53 26.55 25.43 21.20 40.91 18.17 24.88 25.40 7.67 61.2
11群(肉・卵) 4.55 5.76 10.08 17.27 7.57 7.30 7.74 1.69 7.79 10.10 7.99 4.11 19.2
12群(乳・乳製品) 5.98 4.57 14.49 8.29 0.81 9.02 2.35 0.69 3.32 9.98 5.95 4.47 14.3
                           
13群(加工食品) 0.53 0.56 0.31 0.18 0.29 0.64 0.01 0.03 0.03 0.00 0.26 0.25 0.6
14群(飲料水) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.06 0.02 0.01 0.02 0.0
総摂取量(pgTEQ/day) 48.7 29.0 50.1 50.1 37.0 42.9 34.4 46.0 29.7 47.1 41.5 8.3 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 0.97 0.58 1.00 1.00 0.74 0.86 0.69 0.92 0.59 0.94 0.83 0.17  

表2   平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのCo-PCBs1日摂取量(ND=0)
(Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区  関東地区  中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 0.01 0.00 0.00 0.59 0.02 0.01 0.02 0.00 0.00 0.00 0.07 0.18 0.1
2群(雑穀・芋) 0.05 0.05 0.14 0.03 8.54 0.25 5.71 0.00 0.00 0.00 1.48 3.05 2.5
3群(砂糖・菓子) 0.38 0.01 0.01 1.50 0.04 0.02 0.09 0.07 0.03 0.06 0.22 0.46 0.4
                           
4群(油脂) 0.02 0.06 0.07 0.02 0.04 0.06 0.01 0.07 0.01 0.02 0.04 0.02 0.1
5群(豆・豆加工品) 0.00 0.02 0.02 0.02 0.01 0.05 0.00 0.00 0.00 0.00 0.01 0.02 0.0
6群(果実) 0.00 0.00 0.02 0.00 2.36 0.02 0.00 0.00 0.00 0.00 0.24 0.74 0.4
                           
7群(有色野菜) 0.03 0.03 0.09 2.77 0.05 0.08 0.00 0.04 0.00 0.02 0.31 0.86 0.5
8群(野菜・海草) 0.03 0.32 0.04 0.00 0.11 0.12 0.03 0.00 0.00 0.49 0.11 0.16 0.2
9群(嗜好品) 5.54 0.00 0.00 0.00 0.01 0.02 0.17 0.00 0.00 0.00 0.57 1.75 1.0
                           
10群(魚介) 69.39 18.09 42.35 41.35 42.44 51.02 28.81 86.85 26.24 44.58 45.11 20.41 77.5
11群(肉・卵) 6.22 13.68 4.92 7.10 6.02 3.87 20.86 2.77 3.72 4.30 7.35 5.65 12.6
12群(乳・乳製品) 3.20 1.49 5.22 3.28 2.91 2.63 3.21 0.15 1.41 3.08 2.66 1.37 4.6
                           
13群(加工食品) 0.13 0.07 0.07 0.09 0.18 0.19 0.00 0.01 0.00 0.05 0.08 0.07 0.1
14群(飲料水) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.0
総摂取量(pgTEQ/day) 85.0 33.8 52.9 56.7 62.7 58.3 58.9 90.0 31.4 52.6 58.2 18.6 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 1.70 0.68 1.06 1.13 1.25 1.17 1.18 1.80 0.63 1.05 1.16 0.37  

表3   平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン1日摂取量(ND=0)
(PCDDs+PCDFs+Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 0.01 0.00 0.00 0.59 0.02 0.01 0.02 0.00 0.00 0.00 0.07 0.18 0.1
2群(雑穀・芋) 0.16 0.14 0.29 0.04 9.17 0.31 5.72 0.08 0.00 0.05 1.60 3.19 1.6
3群(砂糖・菓子) 0.46 0.11 0.08 1.89 0.51 0.05 0.49 0.20 0.07 0.08 0.39 0.56 0.4
                           
4群(油脂) 0.04 0.71 0.86 0.12 0.12 0.13 0.22 0.15 0.12 0.06 0.25 0.29 0.3
5群(豆・豆加工品) 0.00 0.02 0.07 0.02 0.10 0.07 0.03 0.00 0.05 0.00 0.04 0.04 0.0
6群(果実) 0.06 0.00 0.09 0.00 2.48 0.03 0.04 0.00 0.00 0.00 0.27 0.78 0.3
                           
7群(有色野菜) 0.83 0.35 2.26 3.98 0.13 0.36 2.45 2.45 0.08 2.05 1.49 1.32 1.5
8群(野菜・海草) 0.12 0.84 0.21 0.14 0.11 0.21 0.03 0.03 0.09 0.49 0.23 0.25 0.2
9群(嗜好品) 5.91 0.00 0.04 0.00 0.30 0.02 0.17 0.00 0.00 0.00 0.64 1.85 0.6
                           
10群(魚介) 105.54 34.52 64.05 63.88 68.99 76.45 50.01 127.76 44.41 69.46 70.51 27.94 70.7
11群(肉・卵) 10.77 19.44 15.00 24.37 13.60 11.17 28.59 4.46 11.51 14.40 15.33 7.07 15.4
12群(乳・乳製品) 9.19 6.06 19.71 11.57 3.72 11.65 5.56 0.84 4.73 13.07 8.61 5.54 8.6
                           
13群(加工食品) 0.66 0.63 0.38 0.27 0.47 0.83 0.02 0.04 0.03 0.05 0.34 0.30 0.3
14群(飲料水) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.06 0.02 0.01 0.02 0.0
総摂取量(pgTEQ/day) 133.7 62.8 103.0 106.9 99.7 101.3 93.3 136.0 61.1 99.7 99.8 24.6 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 2.67 1.26 2.06 2.14 1.99 2.03 1.87 2.72 1.22 1.99 2.00 0.49  

(参考)  表4   平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン類1日摂取量(ND=LOD/2)
(PCDDs+PCDFs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 7.66 12.44 9.28 12.08 6.37 14.67 12.40 15.47 13.24 8.77 11.24 3.05 14.3
2群(雑穀・芋) 3.99 5.15 4.23 6.85 4.78 5.72 5.84 7.55 6.48 4.60 5.52 1.18 7.0
3群(砂糖・菓子) 0.71 0.75 1.49 1.55 1.25 0.99 1.19 1.08 0.83 0.71 1.06 0.31 1.3
                           
4群(油脂) 1.71 1.92 2.54 1.97 2.10 1.81 1.78 1.88 1.65 1.59 1.90 0.27 2.4
5群(豆・豆加工品) 1.59 1.64 1.48 1.75 1.37 1.32 1.65 1.63 1.54 1.81 1.58 0.15 2.0
6群(果実) 2.27 2.90 2.94 2.52 2.44 2.27 2.52 2.36 2.47 2.31 2.50 0.24 3.2
                           
7群(有色野菜) 2.27 2.13 3.67 3.26 1.73 1.76 3.27 3.05 2.26 3.73 2.71 0.77 3.5
8群(野菜・海草) 3.96 5.24 4.35 5.86 4.33 3.51 4.78 3.05 3.96 5.00 4.40 0.84 5.6
9群(嗜好品) 4.03 6.84 4.19 3.91 6.61 4.92 3.57 3.17 3.91 4.55 4.57 1.23 5.8
                           
10群(魚介) 36.49 16.93 21.89 23.22 26.94 26.08 21.66 41.38 18.66 25.27 25.85 7.65 33.0
11群(肉・卵) 5.59 6.58 10.76 18.22 8.20 8.50 8.87 5.25 8.55 11.22 9.17 3.73 11.7
12群(乳・乳製品) 7.26 5.70 14.79 9.53 3.31 9.83 3.66 3.05 4.74 11.09 7.30 3.92 9.3
                           
13群(加工食品) 0.64 0.60 0.36 0.29 0.37 0.70 0.26 0.55 0.63 0.83 0.52 0.19 0.7
14群(飲料水) 0.12 0.12 0.12 0.12 0.12 0.12 0.12 0.12 0.15 0.14 0.13 0.01 0.2
総摂取量(pgTEQ/day) 78.3 68.9 82.1 91.1 69.9 82.2 71.6 89.6 69.1 81.6 78.4 8.3 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 1.57 1.38 1.64 1.82 1.40 1.64 1.43 1.79 1.38 1.63 1.57 0.17  

(参考)  表5  平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのCo-PCBs1日摂取量(ND=LOD/2)
(Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 2.42 3.91 2.92 4.33 2.02 4.63 3.92 4.87 4.16 2.76 3.59 0.99 5.2
2群(雑穀・芋) 1.28 1.64 1.42 2.17 8.87 2.01 6.11 2.36 2.04 1.44 2.93 2.51 4.2
3群(砂糖・菓子) 0.36 0.44 0.50 0.76 0.43 0.39 0.55 0.39 0.29 0.35 0.45 0.13 0.6
                           
4群(油脂) 0.55 0.53 0.69 0.61 0.67 0.61 0.51 0.63 0.49 0.51 0.58 0.07 0.8
5群(豆・豆加工品) 0.50 0.53 0.46 0.56 0.42 0.45 0.51 0.51 0.47 0.57 0.50 0.05 0.7
6群(果実) 0.71 0.91 0.92 0.79 2.52 0.73 0.79 0.74 0.78 0.73 0.96 0.55 1.4
                           
7群(有色野菜) 2.69 0.61 0.76 2.90 0.58 0.54 0.52 0.48 0.69 0.70 1.05 0.93 1.5
8群(野菜・海草) 2.15 1.83 1.36 1.82 1.42 1.15 1.51 0.95 1.17 2.00 1.54 0.40 2.2
9群(嗜好品) 5.81 2.15 0.31 1.23 2.00 1.56 1.28 1.00 1.23 1.43 1.80 1.50 2.6
                           
10群(魚介) 69.39 18.09 42.35 41.35 42.44 51.02 28.81 86.85 26.24 44.58 45.11 20.41 65.3
11群(肉・卵) 6.22 13.69 4.93 7.10 6.02 4.04 20.86 3.00 3.80 4.43 7.41 5.60 10.7
12群(乳・乳製品) 3.36 1.63 5.39 3.43 3.10 2.76 3.30 0.99 1.59 3.24 2.88 1.25 4.2
                           
13群(加工食品) 0.15 0.08 0.08 0.10 0.19 0.20 0.08 0.17 0.19 0.30 0.15 0.07 0.2
14群(飲料水) 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.00 0.1
総摂取量(pgTEQ/day) 95.6 46.1 63.1 67.2 70.7 70.1 68.8 103.0 43.2 63.1 69.1 18.7 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 1.91 0.92 1.26 1.34 1.41 1.40 1.38 2.06 0.86 1.26 1.38 0.37  

(参考)  表6  平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン1日摂取量(ND=LOD/2)
(PCDDs+PCDFs+Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 10.09 16.35 12.20 16.41 8.39 19.30 16.32 20.34 17.40 11.53 14.83 4.02 10.1
2群(雑穀・芋) 5.27 6.79 5.65 9.02 13.65 7.73 11.95 9.91 8.52 6.04 8.45 2.76 5.7
3群(砂糖・菓子) 1.07 1.19 1.99 2.31 1.68 1.38 1.74 1.47 1.12 1.06 1.50 0.42 1.0
                           
4群(油脂) 2.26 2.44 3.23 2.58 2.77 2.42 2.28 2.51 2.14 2.10 2.47 0.34 1.7
5群(豆・豆加工品) 2.09 2.17 1.94 2.32 1.79 1.77 2.17 2.14 2.02 2.37 2.08 0.20 1.4
6群(果実) 2.98 3.81 3.86 3.31 4.96 3.00 3.31 3.11 3.25 3.03 3.46 0.61 2.3
                           
7群(有色野菜) 4.96 2.74 4.43 6.17 2.31 2.30 3.79 3.53 2.96 4.43 3.76 1.25 2.5
8群(野菜・海草) 6.11 7.07 5.70 7.68 5.75 4.66 6.29 4.00 5.14 6.99 5.94 1.14 4.0
9群(嗜好品) 9.84 9.00 5.50 5.14 8.61 6.48 4.84 4.16 5.14 5.98 6.47 1.97 4.4
                           
10群(魚介) 105.88 35.03 64.24 64.57 69.38 77.09 50.47 128.23 44.90 69.85 70.96 27.92 48.1
11群(肉・卵) 11.81 20.27 15.69 25.33 14.22 12.53 29.73 8.25 12.35 15.65 16.58 6.64 11.2
12群(乳・乳製品) 10.63 7.34 20.18 12.96 6.41 12.59 6.96 4.05 6.33 14.33 10.18 4.90 6.9
                           
13群(加工食品) 0.79 0.68 0.44 0.39 0.56 0.89 0.34 0.72 0.82 1.13 0.68 0.25 0.5
14群(飲料水) 0.16 0.16 0.16 0.16 0.16 0.16 0.16 0.16 0.19 0.18 0.17 0.01 0.1
総摂取量(pgTEQ/day) 173.9 115.0 145.2 158.3 140.6 152.3 140.4 192.6 112.3 144.7 147.5 24.2 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 3.48 2.30 2.90 3.17 2.81 3.05 2.81 3.85 2.25 2.89 2.95 0.48  

表7  保存トータルダイエット試料由来のダイオキシン(PCDDs,PCDFs,Co-PCBs)の1日摂取量の経年変化

(pgTEQ/day)
 
 
PCDDs   PCDFs   PCDDs+PCDFs   Co-PCBs   総摂取量  
N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2
年度                    
1977 123.1 152.4 64.6 81.5 187.7 234.0 221.4 236.1 409.1 470.0
1982 69.2 96.5 48.9 64.6 118.1 161.1 148.0 160.4 266.1 321.5
1988 55.5 82.4 66.3 81.6 121.8 164.0 157.1 167.9 278.9 331.9
1992 19.5 46.4 22.6 36.6 42.1 83.0 61.5 72.5 103.6 155.5
1995 30.3 57.2 27.3 41.9 57.6 99.1 57.5 69.4 115.1 168.5
1998 20.0 48.5 26.0 41.0 46.0 89.5 90.0 103.0 136.0 192.4

(pgTEQ/kg bw/day)
 
 
PCDDs   PCDFs   PCDDs+PCDFs   Co-PCBs   総摂取量  
N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2 N.D.=0 N.D.=LOD/2
年度                    
1977 2.46 3.05 1.29 1.63 3.75 4.68 4.43 4.72 8.18 9.40
1982 1.38 1.93 0.98 1.29 2.36 3.22 2.96 3.21 5.32 6.43
1988 1.11 1.65 1.33 1.63 2.44 3.28 3.14 3.36 5.58 6.64
1992 0.39 0.93 0.45 0.73 0.84 1.66 1.23 1.45 2.07 3.11
1995 0.61 1.14 0.55 0.84 1.15 1.98 1.15 1.39 2.30 3.37
1998 0.40 0.97 0.52 0.82 0.92 1.79 1.80 2.06 2.72 3.85


注) ND=LOD/2は参考値。 1998年は1〜13群の測定値。

表8   平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン類1日摂取量(ND=検出下限値/2)
(PCDDs+PCDFs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区
関東地区
中部 地区
関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 1.98 4.58 3.64 3.47 2.91 3.24 3.33 7.02 2.92 3.00 3.61 1.30 6.2
2群(雑穀・芋) 1.72 2.22 2.51 4.39 3.36 4.01 2.45 4.24 2.35 1.08 2.83 1.06 4.9
3群(砂糖・菓子) 0.68 0.67 0.68 1.30 1.07 0.54 0.87 0.91 0.63 0.34 0.77 0.26 1.3
                           
4群(油脂) 0.87 1.09 2.54 0.80 1.36 1.21 0.94 1.16 0.61 0.63 1.12 0.53 1.9
5群(豆・豆加工品) 0.57 0.61 0.61 0.67 0.87 0.46 0.69 0.42 0.48 0.79 0.62 0.14 1.1
6群(果実) 0.83 1.01 1.07 1.04 1.26 0.99 1.50 0.88 0.60 0.62 0.98 0.26 1.7
                           
7群(有色野菜) 2.00 1.99 3.80 2.35 0.77 1.12 3.23 2.56 0.96 3.50 2.23 1.01 3.8
8群(野菜・海草) 1.49 3.29 1.74 2.36 1.93 1.69 1.52 0.84 1.66 2.05 1.86 0.61 3.2
9群(嗜好品) 1.72 2.74 2.73 1.33 3.47 1.27 0.73 0.88 1.22 1.93 1.80 0.86 3.1
                           
10群(魚介) 36.12 16.43 22.16 23.09 26.51 26.04 21.71 41.91 17.82 24.96 25.68 7.45 44.1
11群(肉・卵) 5.85 6.90 10.21 18.02 8.47 8.43 7.97 2.74 7.70 10.88 8.72 3.77 15.0
12群(乳・乳製品) 7.62 5.77 14.47 9.34 3.33 9.46 6.61 2.81 4.78 11.31 7.55 3.48 13.0
                           
13群(加工食品) 0.57 0.57 0.33 0.29 0.35 0.66 0.14 0.26 0.37 0.29 0.38 0.16 0.7
14群(飲料水) 0.03 0.09 0.05 0.03 0.02 0.08 0.02 0.03 0.09 0.08 0.05 0.03 0.1
総摂取量(pgTEQ/day) 62.0 48.0 66.5 68.5 55.7 59.2 51.7 66.7 42.2 61.5 58.2 8.3 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 1.24 0.96 1.33 1.37 1.11 1.18 1.03 1.33 0.84 1.23 1.16 0.17  

表9  平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン類1日摂取量(ND=検出下限値/2)
(Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 1.09 0.88 0.49 1.77 1.20 1.16 2.33 1.04 0.26 0.45 1.07 0.59 1.67
2群(雑穀・芋) 1.01 1.47 1.05 0.46 7.90 1.62 6.11 0.97 0.54 0.43 2.16 2.49 3.38
3群(砂糖・菓子) 0.48 0.23 0.19 1.77 0.42 0.23 0.53 0.27 0.28 0.33 0.47 0.45 0.74
                           
4群(油脂) 0.43 0.50 0.91 0.35 0.60 0.43 0.23 0.64 0.14 0.39 0.46 0.21 0.73
5群(豆・豆加工品) 0.21 0.22 0.11 0.11 0.16 0.11 0.13 0.12 0.06 0.28 0.15 0.06 0.24
6群(果実) 0.38 0.38 0.25 0.09 1.83 0.20 0.65 0.07 0.16 0.25 0.43 0.50 0.67
                           
7群(有色野菜) 2.75 0.29 0.63 2.73 0.29 0.22 0.41 0.32 0.11 0.42 0.82 0.97 1.28
8群(野菜・海草) 2.00 1.65 0.36 0.40 1.84 0.53 0.87 0.15 0.21 0.75 0.88 0.66 1.38
9群(嗜好品) 4.78 8.70 0.44 0.22 0.85 1.85 0.54 0.10 0.53 0.52 1.85 2.64 2.91
                           
10群(魚介) 69.66 18.54 42.43 42.02 42.94 50.64 28.69 86.35 26.62 44.75 45.26 19.16 71.01
11群(肉・卵) 6.45 13.28 4.78 6.58 6.46 3.87 21.12 2.89 3.92 4.65 7.40 5.33 11.61
12群(乳・乳製品) 2.63 2.10 5.20 3.32 2.50 2.40 2.86 1.38 1.61 2.77 2.68 1.00 4.20
                           
13群(加工食品) 0.19 0.09 0.08 0.07 0.16 0.18 0.04 0.09 0.06 0.13 0.11 0.05 0.17
14群(飲料水) 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.00 0.01
総摂取量(pgTEQ/day) 92.1 48.4 56.9 59.9 67.2 63.4 68.8 94.4 34.5 56.1 63.7 17.2 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 1.84 0.97 1.14 1.20 1.34 1.27 1.38 1.89 0.69 1.12 1.27 0.34  

表10  平成10年度トータルダイエットの1〜14群からのダイオキシン類1日摂取量(ND=検出下限値/2)
   (PCDDs+PCDFs+Co-PCBs/2,3,7,8-TCDD当量:pgTEQ)

食品群 北海道地区 東北地区 関東地区 中部 地区 関西地区 中国・四国
地区
九州地区 平均
摂取量
標準
偏差
比率
(%)
B B
1群(米) 3.06 5.46 4.13 5.24 4.11 4.40 5.65 8.05 3.18 3.45 4.67 1.43 3.8
2群(雑穀・芋) 2.73 3.68 3.56 4.85 11.26 5.64 8.57 5.21 2.89 1.51 4.99 2.79 4.1
3群(砂糖・菓子) 1.16 0.90 0.86 3.08 1.49 0.77 1.40 1.18 0.91 0.67 1.24 0.66 1.0
                           
4群(油脂) 1.31 1.59 3.45 1.16 1.96 1.65 1.17 1.79 0.75 1.02 1.58 0.71 1.3
5群(豆・豆加工品) 0.78 0.84 0.72 0.76 1.03 0.56 0.82 0.54 0.55 1.07 0.77 0.18 0.6
6群(果実) 1.21 1.39 1.31 1.13 3.09 1.19 2.15 0.95 0.76 0.87 1.41 0.67 1.2
                           
7群(有色野菜) 4.76 2.28 4.43 5.07 1.07 1.34 3.64 2.88 1.08 3.92 3.05 1.46 2.5
8群(野菜・海草) 3.49 4.94 2.10 2.77 3.77 2.22 2.39 0.99 1.87 2.79 2.73 1.05 2.2
9群(嗜好品) 6.50 11.45 3.17 1.55 4.32 3.11 1.27 0.99 1.75 2.45 3.66 3.03 3.0
                           
10群(魚介) 105.78 34.97 64.60 65.11 69.45 76.68 50.39 128.25 44.44 69.72 70.94 26.51 58.2
11群(肉・卵) 12.30 20.18 14.99 24.60 14.92 12.29 29.09 5.63 11.62 15.54 16.12 6.47 13.2
12群(乳・乳製品) 10.25 7.87 19.67 12.66 5.83 11.86 9.47 4.19 6.39 14.08 10.23 4.35 8.4
                           
13群(加工食品) 0.76 0.66 0.41 0.36 0.51 0.83 0.18 0.35 0.43 0.42 0.49 0.19 0.4
14群(飲料水) 0.03 0.10 0.05 0.04 0.03 0.09 0.03 0.04 0.10 0.09 0.06 0.03 0.0
総摂取量(pgTEQ/day) 154.1 96.3 123.4 128.4 122.8 122.6 116.2 161.1 76.7 117.6 121.9 23.2 100
摂取量(pgTEQ/kg bw/day) 3.08 1.93 2.47 2.57 2.46 2.45 2.32 3.22 1.53 2.35 2.44 0.46  

 

図1  ダイオキシンの食事経由1日摂取量の経年変化

図1

 

図2   ダイオキシンの1日摂取量の算出に対する定量限界値の影響(関西地区)

図2