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平成13年4月27日

平成12年度食品中の食中毒菌汚染実態調査結果について


 厚生労働省は、汚染食品の排除等食中毒予防対策の一環として、平成10年度から食品中の食中毒菌汚染実態調査を実施している。平成12年度は、中央卸売市場を管轄する全国19自治体の 協力を得て、主に生食に供される野菜類、食肉及び生食用魚介類加工品2,256検体を採取し、 サルモネラ及び腸管出血性大腸菌O157、腸炎ビブリオ(魚介類加工品のみ)について検査を実施した。
 その結果、野菜類ではアルファルファ1検体、食肉ではミンチ肉35検体、牛レバー2検体で サルモネラが検出されたほか、生食用魚介類加工品4検体で腸炎ビブリオ最確数が100を超えることが確認された。なお、サルモネラが検出されたアルファルファについては、再発防止のために製造者に対して製品検査、衛生害虫の侵入防止措置及び従事者の手指の洗浄消毒の指導を行った。
 厚生労働省としては、この調査結果から、家庭や調理場での食品衛生的な取扱い(適正な保存、加熱調理の徹底及び二次汚染防止)などを引き続き注意喚起していく。また、生食用魚介類加工品については 本年夏までに腸炎ビブリオによる食中毒防止のため規格基準整備を予定している。

 調査の詳細は別添のとおり。


別添

平成12年度食品中の食中毒菌汚染実態調査結果

1 調査目的

 本事業は、汚染食品の排除等、食中毒発生の未然防止対策を図るため、流通食品 の細菌汚染実態を把握することを目的とする。

2 調査方法及び項目

(1)実施自治体

 中央卸売市場を管轄する全国19自治体

(2)対象食品

(1) 主として生食に供される野菜類(ミニトマト、ほうれんそう、カイワレ、アルファルファ、みつば、レタス、もやし、サラダ菜、カット野菜等)
(2) 生食又は調理されて供される野菜(キャベツ、ニンジン、大根、白ネギ等
(3)食肉(主としてミンチ肉、生食用と称して販売されている牛レバー)
(4)生食用魚介類加工品(刺身、むき身の貝類等)

(3)検査項目

(1)E.coli
(2)腸管出血性大腸菌O157
(3)サルモネラ
(4)腸炎ビブリオ(ただし、生食用魚介類加工品のみ)

3 調査結果の概要

(1)野菜類の汚染状況

 アルファルファ1検体からサルモネラが検出されたが、他の野菜類からはサルモネラ、腸管出血性大腸菌O157は検出されなかった。

(2)肉類の汚染状況

 ミンチ肉35検体、牛レバー2検体からサルモネラが検出されたが、腸管出血性大腸菌O157は検出されなかった。

(3)生食用魚介類加工品(刺身、むき身の貝類等)

 加熱工程がないもので3検体、加熱工程があるもので1検体から、1gあたりの最確数が100個を超える腸炎ビブリオが確認された。

4 今後の方針

 厚生労働省としては、今年度についても同規模の調査を引き続き実施することとしている。また、今回の調査結果からみて家庭、調理場での適切な保存、加熱調理及び二次汚染の防止等の衛生上注意が必要な事項の徹底について、「大量調理施設衛生管理マニュアル」「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」等に基づき営業者及び消費者に対して引き続き注意を喚起していく。なお、生食用魚介類加工品等は、本年、規格基準等が整備される予定であることから、これに基づき営業者の指導を予定している。


対象食品別検査成績(1)

検体名 検体数 E. coli
陽性数(%)
サルモネラ
陽性数(%)
O157
陽性数(%)
ミニトマト 187 4 2.1 0 0.0 0 0.0
ほうれんそう 202 35 17.3 0 0.0 0 0.0
かいわれ 200 20 10.0 0 0.0 0 0.0
アルファルファ 55 7 12.7 1 1.8 0 0.0
みつば 166 51 30.7 0 0.0 0 0.0
レタス(外皮部分を含む) 214 18 8.4 0 0.0 0 0.0
もやし 230 55 23.9 0 0.0 0 0.0
サラダ菜 20 4 20.0 0 0.0 0 0.0
カット野菜 178 7 3.9 0 0.0 0 0.0
ミンチ肉(牛) 244 131 53.7 6 2.5 0 0.0
ミンチ肉(豚) 149 103 69.1 3 2.0 0 0.0
ミンチ肉(牛豚混合) 70 36 51.4 2 2.9 0 0.0
ミンチ肉(鶏) 83 56 67.5 24 28.9 0 0.0
牛レバー 67 37 55.2 2 3.0 0 0.0
牛レバー(生食) 19 9 47.4 0 0.0 0 0.0
豚レバー 1 1 100.0 0 0.0 0 0.0
その他の野菜 * 171 20 11.7 0 0.0 0 0.0

2,256

594 26.3 38 1.7 0 0.0
*:その他の野菜とは、キャベツ、サラダ菜、ニンジン、大根、白ネギ等を含む。


対象食品別検査成績(2)

分類 検体名 加熱工程なし 加熱工程あり
検体数 >100/g (%) 検体数 >100/g (%)
魚類 まぐろ 110 0 0.0 0 0 0.0
たい 32 0 0.0 0 0 0.0
あじ 23 0 0.0 0 0 0.0
かつお 19 0 0.0 0 0 0.0
さけ 12 0 0.0 0 0 0.0
はまち 11 0 0.0 0 0 0.0
ぶり 10 0 0.0 0 0 0.0
その他 *1 52 0 0.0 0 0 0.0
魚類計 269 0 0.0 0 0 0.0
貝類 ほたてがい 154 0 0.0 5 0 0.0
あおやぎ 35 0 0.0 0 0 0.0
あかがい 27 1 3.7 0 0 0.0
ほっきがい 16 0 0.0 1 0 0.0
その他 *2 32 0 0.0 2 0 0.0
貝類計 264 1 0.4 8 0 0.0
その他 うに 105 2 1.9 0 0 0.0
いか 30 0 0.0 1 0 0.0
えび 10 0 0.0 1 0 0.0
たこ 8 0 0.0 24 1 4.2
その他 *3 2 0 0.0 0 0 0.0
その他計 155 2 1.3 26 1 3.8
総計 688 3 0.4 34 1 2.9
*1:かんぱち、とびうお、すずき、たちうお、かれい等を含む。
*2:つぶがい、とりがい、さざえ、ばかがい、あさり、たいらぎ等を含む。
*3:すじこ、たらこ等を含む。


照会先:厚生労働省医薬局食品保健部
    高谷監視安全課長
担当者:宮川(内2473)
    中嶋(内2478)


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