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2 新規学校卒業者の採用

(1) 平成13年3月卒業予定者の採用内定企業

 平成13年3月卒業予定者を「採用内定した」とする企業割合(複数回答)をみると、高校卒を「採用内定した」とする企業は17.3%、高等専門学校卒4.1%、専修学校卒7.0%、短大卒6.4%、大学卒19.2%となっている。
 これを企業規模別にみると、それぞれ規模が大きくなるほど高くなっており、5,000人以上では高校卒57.9%、高等専門学校卒31.5%、専修学校卒30.3%、短大卒50.9%、大学卒92.1%となっているが、30〜99人では高校卒11.2%、高等専門学校卒2.5%、専修学校卒5.1%、短大卒2.2%、大学卒8.8%となっている。
 事務職、技術・研究職、現業職の別に高校卒、大学卒を「採用内定した」とする企業割合をみると、事務職については高校卒4.7%、大学卒7.9%、技術・研究職については高校卒2.8%、大学卒9.2%、現業職については高校卒12.9%、大学卒7.0%となっている(付属統計表第5表)。

(2) 新規大学卒の採用

イ 採用活動の開始時期
 採用活動の開始時期をみると、事務職、技術・研究職では「12年4月」とする企業割合が最も高くそれぞれ18.3%、19.6%、現業職では「12年3月」とする企業割合が最も高く17.8%となっている。これを企業規模別にみると、いずれの職種でも規模が大きくなるほど12年4月以前とする企業割合が高くなっている(第1図、付属統計表第6表)。

ロ 採用内定の最も多い時期
 採用で最も多く内々定ないし内定を出した時期をみると、事務職、技術・研究職、現業職のいずれの職種でも「12年6月」とする企業割合が最も高くそれぞれ24.4%、24.6%、19.2%となっている。これを企業規模別にみると、いずれの職種でも規模が大きくなるほど12年6月以前とする企業割合が高くなっている(第2図、付属統計表第7表)。

ハ 前年と比べた採用内定の最も多い時期
 採用で最も多く内々定ないし内定を出した時期を前年と比べると、事務職、技術・研究職、現業職のいずれの職種でも「前年と変わらなかった」とする企業割合が最も高くそれぞれ57.7%、62.7%、61.2%となっている。これを企業規模別にみると、いずれの職種でも規模が大きいところでは「前年よりも早まった」とする企業割合が「前年よりも遅くなった」とする企業割合を上回っている(付属統計表第8表)。


第1図 新規大学卒の採用活動の開始時期別企業数割合
(新規大学卒内定企業=100)

(事務職)
(技術・研究職)
(現業職)


第2図 新規大学卒の内定最多時期別企業数割合
(新規大学卒内定企業=100)

(事務職)
(技術・研究職)
(現業職)

ニ 採用時の選考方法
 採用時の選考方法(複数回答)を職種別にみると、事務職、技術・研究職、現業職のいずれの職種でも「面接試験(個人)」を行っている企業割合が最も高くそれぞれ90.0%、88.9%、86.9%となっている。また、「エントリーシート」を利用している企業は、事務職で26.7%、技術・研究職で23.1%、現業職で20.0%となっており、企業規模が大きくなるほどその割合が高く、特に、5,000人以上の企業では事務職で68.7%、技術・研究職で59.6%、現業職で52.7%となっている(付属統計表第9表)。

ホ 採用予定数を決めた要因
 採用予定数を決めた要因をみると、事務職、技術・研究職、現業職のいずれの職種でも「経営環境の変化に応じて増減」とする企業割合が最も高くそれぞれ44.6%、55.1%、47.3%となっている。次いで高い割合となっているのは、事務職では「退職者の補充」26.2%であるのに対し、技術・研究職、現業職では「一定数を継続的に採用」がそれぞれ30.7%、29.5%となっている(付属統計表第10表)。

へ 採用の際の重視項目
採用の際の重視項目(複数回答3つまで)をみると、事務職、技術・研究職、現業職すべての職種において「熱意・意欲」とする企業割合が最も高くそれぞれ74.0%、66.7%、76.5%となっている。次いで高い割合となっているのは、事務職では「一般常識・教養」39.5%、「協調性・バランス感覚」39.2%、「行動力・実行力」32.8%、「理解力・判断力」31.8%、技術・研究職では「専門的知識・技能」51.1%、「理解力・判断力」33.6%、「行動力・実行力」29.6%、現業職では「行動力・実行力」46.6%、「健康・体力」38.3%、「一般常識・教養」35.4%となっている。
 これを前回調査(平成10年)と比較してみると、事務職及び現業職では「熱意・意欲」を重視項目とする企業割合が最も高い点では変わりないが、それぞれ58.7%から74.0%、65.2%から76.5%と上昇している。また、技術・研究職では前回「専門的知識・技能」を重視項目とする企業割合が最も高かったのに対し、今回は「熱意・意欲」を重視項目とする企業割合が最も高くなっている(第3図、付属統計表第11表)。


第3図 新規大学卒採用の際の重視項目別企業数割合(M.A.3つまで)
(新規大学卒採用内定企業=100)

(事務職)
(技術・研究職)
(現業職)

(注) 1) 「無回答」は省略している。
2) 平成10年調査の重視項目では、平成13年の重視項目の他に「ユニークな個性がある」及び「ボランティア活動を積極的にしていた」の項目がある。
ト 採用方法
(イ) 職種別採用
 職種別採用を「実施している」とする企業割合は48.1%であり、これを企業規模別にみると、5,000人以上30.7%、1,000〜4,999人32.4%、300〜999人40.4%、100〜299人52.0%、30〜99人53.1%と、規模が小さくなるほどその割合は高くなっている。
(ロ) 企業グループで採用
 企業グループで採用を「実施している」とする企業割合は12.7%であり、これを企業規模別にみると、5,000人以上8.6%、1,000〜4,999人9.4%、300〜999人10.4%、100〜299人16.9%、30〜99人10.2%となっている。
(ハ) 勤務地を限定した採用
 勤務地を限定した採用を「実施している」とする企業割合は26.6%であり、これを企業規模別にみると、5,000人以上25.2%、1,000〜4,999人20.2%、300〜999人22.6%、100〜299人27.0%、30〜99人30.3%となっている。
(ニ) 学校名不問採用
 学校名不問採用を「実施している」とする企業割合は67.4%であり、これを企業規模別にみると、5,000人以上67.1%、1,000〜4,999人60.7%、300〜999人64.1%、100〜299人66.6%、30〜99人72.1%となっている(付属統計表第12表)。

(3) 通年採用制

イ 導入状況
 新規大学卒について通年採用制を「導入している」とする企業割合は、6.6%となっている。
 また、現在導入していない企業で「今後導入する予定」とする割合は3.0%、「今後導入を検討中」とする企業割合は25.6%となっている。これを企業規模別にみると、「導入している」とする企業割合は、5,000人以上の16.8%に対し、それより小さい規模ではいずれも1割に満たない(付属統計表第13表)。

ロ 採用回数
 通年採用制を「導入している」とする企業について平成12年(1月〜12月)の採用回数をみると、「採用しなかった」とする企業割合が41.8%と最も高く、次いで「2回」30.9%、「3〜4回」15.2%となっている(付属統計表第14表)。
ハ メリット
 通年採用制を「導入している」とする企業について通年採用制のメリット(複数回答)をみると、「年間を通じて不足人員を補充できる」とする企業割合が最も高く72.6%、次いで「多様な価値観を持った人材を採用できる」29.0%、「人員計画が立てやすい」19.1%となっている(付属統計表第15表)。
ニ 問題点
 通年採用制を「導入している」とする企業について通年採用制の問題点(複数回答)をみると、「新入社員研修の時期・回数の重複化」27.5%、「人事部の負担の増加」22.4%、「人材レベルが揃えにくい」19.1%となっている。一方、「問題点はない」とする企業割合は40.5%となっている(付属統計表第16表)。


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