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第13回ASEAN・日本社会保障ハイレベル会合 結果概要
平成27年11月20日
第13回ASEAN・日本社会保障ハイレベル会合
平成
27
年
10
月
20
日(火)から
10
月
22
日(木)の
3
日間、第
13
回
ASEAN
・日本社会保障ハイレベル会合を開催致しました。今回の会合は、「災害から人、くらし、みらいを守る」をテーマとして、
ASEAN10
ヶ国の保健、社会福祉、労働政策の各分野の担当行政官及び中国、韓国、協力機関からの参加を得て活発な議論を行い、各国における今後の取組についての提言を採択しました。
本会合の概要は、以下のとおりです。
会合は、英語を使用言語として行われています。英語版は
こちらをご参照ください。
開催概要
●開催日程・場所:
日程:平成
27
年
10
月
20
日(火)~
22
日(木)
会場:ANAクラウンプラザ神戸(兵庫県・神戸市)
●参加者 計100
名
・
ASEAN9
ヶ国※の保健、社会福祉及び労働政策の担当行政官 39
名
※
ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、
フィリピン、タイ、ベトナム
・オブザーバー:中国
・協力機関:
ASEAN
事務局、世界保健機関(
WHO
)健康開発総合研究センター、
国際労働機関(
ILO
)アジア太平洋地域総局、
独立行政法人国際協力機構(
JICA
)、アジア開発銀行(ADB)、アジア防災センター(ADRC)、兵庫県、神戸市
・有識者:
- 片田 範子 兵庫県立大学看護学部 教授
- 河田 惠昭 人と防災未来センター センター長
- 河村 宏 特定非営利法人 支援技術開発機構 副理事長
- 中山 伸一 兵庫県災害医療センター センター長
- 山本 あい子 兵庫県立大学地域ケア開発研究所 教授
・一般傍聴者
プログラム
10 月 20 日(火)
○
開会挨拶 (PDF:82KB) 竹内
譲 厚生労働副大臣、吉本 知之 兵庫県副知事、玉田 敏郎 神戸市副市長
○講演
characteristics of disaster occurrence and their resilient strategy in asean countries (PDF:1,331KB)
(河田 惠昭 人と防災未来センター センター長)
○パネルディスカッション1 「災害時の医療提供」
話題提供: Essentials for Prompt Emergency Medical Response in Catastrophe: Lessons learned from the Great Hanshin-Awaji Earthquake in 1995 (PDF:7,321KB)
(中山 伸一 兵庫県災害医療センター センター長 )
発表:
カンボジア プレゼンテーション (PDF:1,817KB)
ラオス プレゼンテーション (PDF:715KB)
○パネルディスカッション2 「地域福祉の視点に基づく被災者の生活支援」
話題提供:
Proposal for maintaining health & lives of people based on Sendai Framework for Risk Reduction from 2015 to 2030 (PDF:622KB)
(山本 あい子 兵庫県立大学地域ケア開発研究所 教授)
発表:
インドネシア プレゼンテーション (PDF:2,902KB)
ミャンマー プレゼンテーション (PDF:465KB)
○パネルディスカッション3 「復興時における被災者の就労支援と雇用創出」
話題提供:
Actions Taken for Recovery from Disaster by the Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan in terms of Employment and Labour Policies (PDF:174KB)
(須藤 祥 厚生労働省大臣官房国際課 課長補佐 )
発表: フィリピン プレゼンテーション (PDF:957KB)
マレーシア プレゼンテーション (PDF:2,139KB)
○協力機関講演
・協力機関講演1: WHO Frameworks and strategies for comprehensive disaster risk management for health security threats (PDF:5,560KB)
(
Mr. Alex Ross, Director,
WHO Centre for Health Development
)
・協力機関講演2: Employment Promotion in Disaster Settings: Reflection on Recent Experiences in Asia_(PDF:1,481KB)
(小山 淑子 ILOアジア太平洋地域総局 「災害と雇用」専門官
)
10
月
21
日(水)
○施設訪問
(人と防災未来センター
)
○
自治体視察
(神戸市)
○神戸市機器管理センター
○みなとのもり公園
10 月 22 日(木)
○協力機関講演
・協力機関講演3:
JICA’s Assistance for Disaster Risk Reduction and Reconstruction (PDF:4,292KB)
(譲尾 進 国際協力機構 社会基盤・平和構築部 都市・地域開発グループ第一チーム課長
)
・協力機関講演4:
Disaster Risk Management at ADB with Lessons from Yolanda (PDF:2,173KB)
(金井 達也 アジア開発銀行 協調融資局シニアアドバイザー
)
・協力機関講演5:
Promoting Disaster Risk Reduction through Multi-National Cooperation in the Asian Region (PDF:7,764KB)
(近藤 共子 アジア防災センター所長
)
○
パネルディスカッション4 「コミュニティを主体とした弱者支援のための災害前からの備え
」
話題提供:
Proactive Participation of High Risk Stakeholders in Disaster Risk Reduction (PDF:2,647KB)
(河村 宏 特定非営利法人 支援技術開発機構 副理事長
)
発表:
ブルネイ プレゼンテーション_(PDF:1,507KB)
べトナム プレゼンテーション (PDF:943KB)
○パネルディスカッション5 「防災や災害対応に関する保健・福祉・労働分野における日本とASEAN地域の協力と連携
」
発表:
ASEAN事務局 プレゼンテーション (PDF:2,748KB)
タイ プレゼンテーション (PDF:1,229KB)
○
提言(レコメンデーション)採択
(PDF:99KB)
◯
閉会挨拶 (PDF:48KB) 山田 雅彦 厚生労働省大臣官房国際課統括調整官
採択された提言
本会合で共有された情報・知見に基づいて、各国の課題や施策、今後の取組について活発に議論を行い、参加者全員の合意の下、提言(レコメンデーション)を採択しました。以下、提言の仮訳を掲載いたします。
前文
「災害から人、くらし、みらいを守る」をテーマに2015年10月20日から22日まで神戸において開催された第13回ASEAN・日本社会保障ハイレベル会合に参加した、ASEANプラス3各国の保健、社会福祉及び労働分野からの参加者及び関係機関の参加者は、
ASEAN・日本社会保障ハイレベル会合を2003年より開催している日本政府のイニシアチブに感謝するとともに、第13回会合は、地域における人間中心の災害対策についての、保健、社会福祉及び労働分野のステークホルダーの役割について、情報共有と意見交換のための有効な場であることを認識し、
日本が2015年3月に仙台にて主催した、第3回国連防災世界会議の成果を歓迎し、また今般の会合においてその成果を共有し、
ASEAN加盟国及び日本は、それぞれ異なる種類や規模の自然災害に直面しているものの、人間中心の災害対策が共通かつ価値のある考え方であると認識し、
女性、子ども、障害者、高齢者を含むコミュニティの各ステークホルダーは、災害時に適切に対応されるべき特別なニーズを抱えていると同時に、災害に強い地域社会の構築に積極的な役割を果たす存在であることを認識し、
災害によってある国・地域にもたらされた被害が、他の国・地域の労働市場及び産業にも影響を与えうることを考慮し、災害管理により幅広い視点を取り入れることの重要性に留意し、
災害への対応を強化するための、政府内の様々な省庁または部局、職種及び国を超えた分野横断的な協力の必要性と価値を強調し、
2013年に開催された第23回ASEANサミットで採択された防災への協力強化に関するASEAN宣言を通じ、JTF-HADRの設立を含めた様々なASEAN関連メカニズムを通じたHADRにおける協働とより統一された行動を推進するASEAN各国の首脳に留意し、
さらに、ASEANの災害対策のイニシアチブを歓迎した。
参加者の合意事項
我々会合の参加者は、以下の点について合意する。
各国において、第13回会合の議事内容及び結果を担当大臣や幹部に報告する。
日本は、ASEAN事務局と協力し、本会合の議事内容及び結果をASEAN+3保健大臣/高級事務レベル会合(AHMM+3/SOMHD+3)、ASEAN+3社会福祉開発大臣/高級事務レベル会合(AMMSWD+3/SOMSWD+3)、ASEAN+3労働大臣/高級事務レベル会合(ALMM+3/SLOM+3)に報告する。
参加者の提言
我々は、全ての参加者に以下について求める:
1.災害発生時には,全ての被災者が脆弱な立場に置かれることを認識し、女性や、特に脆弱な立場に置かれやすい子ども、高齢者、障害者等の固有の状況やニーズに配慮した形で、かつこれらの人々が参画する形で、災害への備え、対応及び復興に取り組む。
2.あらゆる種類のハザードに対する災害リスクマネージメントアプローチの価値を認識する。
3.緊急時の医療対策、システムおよび計画をさらに強化し、災害時の人命救助と被災者の健康と福祉を確保するために可能な初期対応を提供する。
4.技術ガイドラインの導入、実地訓練、国際保健規則(IHR)のコア・キャパシティの履行を通じ、キャパシティビルディングを改善する。
5.災害への備え、対応及び復興を改善するため、パブリックセクターとプライベートセクター、NGO、ボランティア、アカデミアその他のステークホルダーとの協力を強化し、災害対策に必須の資材の貯蔵、災害リスクの評価、退避計画の検討、コミュニティへの関与及び緊急時におけるコミュニティのリーダーの能力向上を含めた被災者への支援を行う。
6.平時での準備態勢の強化、リスク評価の実施及び緊急時の対応を改善するため、IHRの履行とユニバーサルヘルスカバレッジを通じた保健システムの基本機能の確保等を通じ、国家レベルでの災害リスク管理の確立と強化に努める。
7.障害者を含めた被災者に、ディーセント・ワーク及び持続可能な職を提供することが、災害からの復興に必須であることに留意する。
8.災害後は、ビルド・バック・ベター(Build Back Better)の考え方を踏まえ、災害リスクを低減するインフラの整備及び被災地における雇用創出と就労支援の視点を持ったインフラ再生への投資の検討を含めた、より災害に強い国または地域になることを支援する方策を実行する機会が提供されることを認識する。
9.政府組織に限らず、NGO、ボランティア及びコミュニティを含めた災害管理と、さらには災害リスク及びその管理能力へのコミュニティの認識を高めることに関係する幅広い分野のステークホルダーのキャパシティビルディングを改善する。災害対応計画の策定と評価の際には、過去の災害管理の経験を想起し、ビルド・バック・ベターに向けよく活用されるべきである。
10.経済的な結びつき、気候変動、急激な都市化がASEAN地域で進行しているため、災害による被害と影響は多くの国において拡大されうることを認識する。従って、国境を越えた取り組みが、災害リスクの低減、備え、対応及び復興に必須である。
11.ASEAN加盟国、日本、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)、WHO、ILO、JICA、ADRC、ADBその他関係する国際機関、地域機関及びパートナーとの分野横断的な協力の推進とともに、災害への備え、管理、対応のための公衆衛生、社会福祉及び労働に関する知識、経験、技術的社会的イノベーションの共有を強化する。
12.仙台防災枠組2015-2030、ASEANの“災害への一つの対応”により補強される持続可能な開発目標といった国際開発アジェンダの履行を支援する。
○
会合概要
(
写真付き、英語
)
【参考】ASEAN・日本社会保障ハイレベル会合開催の趣旨・経緯
厚生労働省では、 2003 年より、 ASEAN 地域における社会福祉及び保健医療の各分野の人材育成を強化し、日本と ASEAN 諸国の協力関係を強化するため、 ASEAN10 ヶ国から社会福祉、保健衛生政策を担当するハイレベル行政官を招聘して ASEAN ・日本社会保障ハイレベル会合を開催してきました。 2011 年の第 9 回会合からは、保健及び福祉分野に加えて労働分野との連携も視野に入れて、労働政策を担当する行政官も招聘しています。
会合では、参加国が保健、福祉及び労働分野での取組について情報を共有し、自国の政策立案にあたって参考となる多くの有益な知見を得たとの評価をいただいています。
本会合は、 ASEAN + 3 (日中韓)保健大臣会合及び社会福祉開発大臣会合を支える事業として関係国間で位置づけられており、第 12 回会合までの結果は、 ASEAN+3 保健大臣会合、 ASEAN+3 社会福祉開発大臣会合、 ASEAN+3 労働大臣会合等において報告し、高い評価を得ると同時に、今後の会合への期待も表明されています。
第1回~第13回会合のテーマ
第 1 回 |
2003 年 11 月 |
社会福祉・保健サービスにおける人づくり |
第 2 回 |
2004 年 8 月 |
高齢化社会と福祉・医療の人づくり |
第 3 回 |
2005 年 8 月 |
社会福祉・保健におけるパートナーシップと人作り ~母子保健福祉と障害者福祉を中心として~ |
第 4 回 |
2006 年 8 月 |
社会福祉・保健医療サービスの連携と人材育成 ~社会的弱者(児童・女性)支援と福祉・医療サービス~ |
第 5 回 |
2007 年 8 月 |
社会福祉・保健サービスの連携と人材育成・地域開発 -地域における高齢者サービス- |
第 6 回 |
2008 年 9 月 |
次世代健全育成(健やかな次世代の育成を目指して) ─保健と福祉の緊密な連携の下で─ |
第 7 回 |
2009 年 8 月 |
「共生社会」の構築(障害者の自立、自己実現と社会参加)~福祉と保健、医療システムの連携を通じて~ |
第 8 回 |
2010 年 8 月 |
社会的弱者の貧困軽減 ~保健と福祉の連携強化を通じて~ |
第 9 回 |
2011 年 10 月 |
福祉及び保健分野における人材育成 ─サービス提供者の能力向上と社会的弱者の就業能力育成に焦点をあてて─ |
第10 回 |
2012 年 10 月 |
自然災害における社会的弱者への対応 |
第11 回 |
2013 年 12 月 |
Active Aging |
第12回 | 2014年11月 | 高齢化する社会に対応するしなやかなコミュニティを育む |
第13回 | 2015年10月 | 災害から人、くらし、みらいを守る |
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