あなたの事業所の職場環境づくりにお役立てください!

障害福祉の仕事とは障害福祉の仕事とは

職員の方々が、長く、活き活きと働くことができる職場環境づくりを目指して。障害福祉関連事業所の職場環境改善への取り組みや、実際に働いている方々の声をご紹介します。

社会福祉法人 佑啓会

業務の効率化CASE 04社会福祉法人佑啓会

膨大な事務処理を電子カルテで一気に軽減

法人の事務処理にカスタマイズした<br>最新の電子カルテを導入

法人の事務処理にカスタマイズした
最新の電子カルテを導入

千葉県内に10カ所、東京都内に3カ所の事業所を運営する同法人は、多岐に渡る事業内容とともに事務処理に多くの時間を割いていました。利用者一人ひとりの日々の記録、会議や打ち合わせ、各事業所とのやりとりの記録などを手書きの紙ベースで行ってきました。とくに、記録から請求への転記作業が繁雑で職員にはかなりの負担となっていることが問題となっていました。こうした事務処理を軽減するために取り組んだのが9年ほど前。システムの制作会社と二人三脚でカスタマイズを重ねて2016年5月に導入したのが、電子カルテ「ケアカルテ」です。

手書きの煩雑さから脱却した<br>記録から請求までの一元管理

手書きの煩雑さから脱却した
記録から請求までの一元管理

「ケアカルテ」は、利用者情報、スケジュール、日常記録、リスクマネジメント、ケアプランなどの一元管理と請求が連動するシステムで、PCやモバイル端末に記録やデータを打ち込めば、誰とでも情報共有ができるものです。これまでの紙ベースでの手書きから比べたら雲泥の差ともいえる業務効率化を実現しました。
「ケアカルテ」導入後、同法人はさらなる業務効率化を目指してICT戦略室を立ち上げました。事務業務、情報共有、電子決済などを電子化して職員の事務に携わる時間を短縮し、その時間を利用者支援に充てるために立ち上げられたプロジェクトです。福祉事業は旧態依然とした手作業のイメージを払拭したいという法人の意気込みが窺えます。

複数の職員がその場で編集できるソフト導入で<br class="hp_di-pc">仕事の効率化をさらにアップ

複数の職員がその場で編集できるソフト導入で
仕事の効率化をさらにアップ

ICT戦略室の進める業務の効率化の一環にクラウド型グループウェアの「Google Workspace」の導入があります。情報とデータを共有しつつ、ログインしている職員たちが話し合いながらひとつの資料を同事に編集できるというソフトウェアです。編集を終えた資料はそのまま職員のパソコンや端末に保存できるので印刷する必要もなくなりました。
業務効率化を図ってきた同法人は人材確保にも注力し、就活イベント『Tasuku Fukushi』で「ケアカルテコーナー」を設けて学生に体感してもらっています。里見吉佑(きちゆう)理事は「最先端のICTシステムの導入は採用の後押しにもなっている」と語ります。かつては新卒採用者が募集人数に届かないことがありましたが、2023年度は41名採用、2024年度の内定は42名と年間採用目標30名を大きく上回るようになりました。また、学生をターゲットに、職員の仕事を紹介するYouTubeチャンネルも「きつい、汚い」という福祉事業のイメージを変えているようです。

職場環境の課題

  • ●事業所間での情報共有に手間がかかっていた。
  • ●記録から請求への転記作業が煩雑。
  • ●新卒採用が募集に届かないことがあった。

改善ポイントとその成果

①カスタマイズした電子カルテの導入
PCやモバイル端末に打ち込んだ記録やデータで情報を共有。遠方の事業所とのやりとりも簡単になった。ファイルを持ち寄る必要がなくなったことは大きなメリット。
②共有した記録やデータが請求に直結
日々の記録から請求までを一元管理できる電子カルテによって煩雑な転記が解消された。監査などでも、必要なデータがすぐに閲覧できる。
③最新の電子カルテやクラウド型グループウェアで学生にアピール
事務処理が手書きで煩雑という福祉現場のイメージを変える最新ソフトの導入、YouTubeチャンネルの開設などが予定募集の人員を大幅に超える原動力にも。
改善ポイントとその成果改善ポイントとその成果

働く人の声

電子カルテやグループウェアの導入で効率的な仕事ができるようになりました

電子カルテやグループウェアの導入で効率的な仕事ができるようになりました

弓場 (ゆば)洸紀(ひろき)さん

福祉型障害児の児童入所支援員です。さまざまな事情のために家庭で暮らせない4歳から18歳まで約30人の利用者の生活支援をしています。彼らのために何をしてあげたらいいのか、してあげられるのかを考える毎日です。日々の記録は成長に役立てるために必要ですから、その日の体調、食事の量、喧嘩の原因、アレルギーを起こしていないかなど、些細でも気付いたことはすべて記録します。その量は多く、夜勤職員と日勤職員の引き継ぎや確認にも手間がかかりました。手書きだったときはかなりの時間をかけて記録していましたが、「ケアカルテ」はちょっとした時間を見つけてパソコンで手軽に打ち込めますし、一人ひとりのデータはリアルタイムに全職員で共有できるので引き継ぎもストレスなくできるようになりました。また「Google Workspace」は職員との連絡や情報が共有でき、ひとつの資料をみんなで同時に編集できることが大きいです。こうしたソフトが導入されてから仕事が効率的になり、子どもたちの記録も増えたと思いますし子どもたちと一緒にいられる時間が多くなったことがいちばんの収穫でしょうか。

【事業所DATA】

  • 事業所名/社会福祉法人佑啓会
  • 代表者/里見 吉英
  • 所在地/千葉県市原市今富1110-1
  • 従業員数/750名(2023年11月現在)
  • 事業内容/障害福祉事業
  • ホームページ/https://yukeikai-fg.jp/