あなたの事業所の職場環境づくりにお役立てください!

障害福祉の仕事とは障害福祉の仕事とは

職員の方々が、長く、活き活きと働くことができる職場環境づくりを目指して。障害福祉関連事業所の職場環境改善への取り組みや、実際に働いている方々の声をご紹介します。

社会福祉法人 青谷学園

休暇制度の充実CASE 02社会福祉法人青谷学園

週休3日で年間173日の休日を実現1日10時間労働で給与の減額なし

人材採用と職員定着に期待して導入した1カ月単位の変形労働時間制

人材採用と職員定着に期待して導入した1カ月単位の変形労働時間制

1982年設立の当法人は365日24時間のサービスを実施しています。設立以来、女性職員は妊娠すると退職するのが当たり前の空気がありました。さらに10年前頃からは、採用しても3年経たずに離職する職員が多くなり、質の高いサービス提供を続けるために働き方の改革に取り組むと同時に、長く働いてもらうために健康経営も始めました。
その一環として導入したのが2017年4月から始めた1日10時間労働の週休3日です。休日は122日から173日となり、年間労働時間も1920時間に減らしました。2交代制とし、日勤は午前8時から午後7時まで(休憩1時間)、夜勤は午後6時45分から翌午前8時(休憩3時間15分)。1カ月単位の変形労働時間制(週平均40時間以内)です。しかし、10時間労働では子育て中の職員にとって保育園や学童保育の時間に合わないため、職員の意見も取り入れながら週5日1日8時間労働(週40時間)で夜勤がなく土日祝日を休日にするシフトも作りました。1年の半分以上が休日となったことで副業を認め、多くの職員が休日を有効に使って副業や自己研鑽に励んでいます。

平均時間外労働はわずか15分<br>休日を増やしワークラフバランスを推進

平均時間外労働はわずか15分
休日を増やしワークラフバランスを推進

この制度の導入で1日あたりの労働時間は2時間増えましたが職員からは休日が1日増えたことが歓迎されました。3交代制だと不規則になりがちだった生活リズムも2交代制にしてから整えやすくなったようで「夜勤が楽になった、8時間労働には戻りたくない」という声が多く寄せられました。また、引き継ぎは遅出や早出を経由せず日勤と夜勤間だけなので情報共有がしやすいこともメリットです。
1日10時間労働導入にあたって白樫理事長が決めたことは、1日の労働時間をこれ以上長くしないということでした。時間外労働削減の宣言を出し、理事長自らが退勤時間ピッタリに帰るようにして、ようやく全職員に定時退勤が定着していきました。2023年度の全職員の月平均時間外労働は15分。正職員だけでも23分しかありません。また、管理職が率先して年次有給休暇の取得率アップにも取り組んできた結果、2023年度は91.4%にも達しています。こうしたワークライフバランス推進のなかで、子育て支援として特に男性の育休を促進しています。奥さんの妊娠を知ったときから30日以上の取得を勧め、30日休んでも賞与の減額がないようにしました。この制度により男性全員の育休取得率は100%です。

ホワイト企業ランキング1位<br>懸念だった人材確保に光が

ホワイト企業ランキング1位
懸念だった人材確保に光が

当法人ではこのほかにも、働きやすい職場作りとして女性活躍推進などさまざまな取り組みを行っていますが、それが評価されて2023年9月に非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構(非営利型)が調査・作成するホワイト企業ランキングで1位となりました。そうした背景もあってか、新卒では常に5~6人の応募があり、経験豊かな中途採用希望者も増えています。定着率も改善傾向にあり、人材確保の一環で始めた週休3日制度も広く認知されてきているようです。
京都府福祉職場組織活性化プログラムのアンケートの「この法人で働き続けたい」という項目では、京都府の平均3.68に対して当法人は平均4.26(5点満点)と高い数値を得ています。よい人材が長く働ける環境であれば、ご利用者様へよりよいサービスも続けられます。また、ご利用者様だけでなく職員の体に配慮した介護機器のロボット化やICT化にも積極的に取り組み、よりよい障害福祉を推進していきます。

職場環境の課題

  • ●安定した人材確保が難しかった。
  • ●利用者へ充実したサービスを継続的に提供したい。
  • ●職員のワークライフバランスを向上させたい。

改善ポイントとその成果

①24時間2交代制で休日を増加
24時間2交代制1日10時間労働を導入して休日を増やした結果、職員応募者が増えた。
②職員のリフレッシュで利用者へのサービスに集中
週3日の休日が職員の疲労回復、リフレッシュにつながり、利用者へのサービスに集中できるようになった。
③ワークライフバランスの充実を図る
年間休日が173日となり、職員の仕事と生活の両立が充実してきた。
改善ポイントとその成果改善ポイントとその成果

働く人の声

1カ月の休暇取得で旅行を満喫<br>心身ともにリフレッシュできました

1カ月の休暇取得で旅行を満喫
心身ともにリフレッシュできました

畝田 (あぜた)直子(なおこ)さん

週休3日制になって生活リズムが整うようになりました。それまでは、早出・遅出・夜勤と3交代制だったので、日勤でも2パターン、夜勤ではお昼から次の日の朝までの勤務でリズムを整えることが難しかったです。週休3日制では日勤と夜勤の2交代制のためリズムを整えやすくなりました。週休2日制の夜勤は、入浴・夕食・歯磨きの援助をしてから就寝準備だったので身体的な疲労や深夜に集中力が切れそうなったりしましたが、現在は就寝準備からの業務なので、身体的にもかなり楽になりました。週休2日制のままだったら夜勤業務が続けられていたのかなと思います。
週休3日制で1日の労働時間が2時間増えましたが、休みが1日多くなったのでプライベートが充実しました。数年前には公休と年次有給休暇を合わせて1カ月の休暇を取得し、いろいろな場所に旅行に行って、かなりリフレッシュできました。普段でも連休が数回取れるなど、有給休暇を数日取得すると連休になる確率が高いので、外出する日と家でゆっくりする日が作りやすくなりました。

【事業所DATA】

  • 事業所名/社会福祉法人青谷学園
  • 代表者/白樫 忠
  • 所在地/京都府城陽市中芦原14
  • 従業員数/99名(2023年12月現在)
  • 事業内容/第一種社会福祉事業(障害者支援施設)、第二種社会福祉事業(特定相談支援事業・障害福祉サービス事業)
  • ホームページ/https://aodani.or.jp/