あなたの事業所の職場環境づくりにお役立てください!

障害福祉の仕事とは障害福祉の仕事とは

職員の方々が、長く、活き活きと働くことができる職場環境づくりを目指して。障害福祉関連事業所の職場環境改善への取り組みや、実際に働いている方々の声をご紹介します。

社会福祉法人 すぎのこ会ひのきの杜

業務の効率化CASE 01社会福祉法人すぎのこ会
ひのきの杜

職員の勤務時間把握と支援のIoT化で残業削減、業務効率化を実現し、職員の働きがいを醸成。

職員の勤務時間を「見える化」し<br>残業時間を削減

職員の勤務時間を「見える化」し
残業時間を削減

当法人は1975年に設立され、在宅支援、グループホーム、入所支援・短期入所、児童支援、日中活動支援など、利用者のライフステージに応じた自己実現のサポートをしています。設立当初より「利用者主体」を全面に押し出していますが、利用者の重度・高齢化で支援の量が多くなり、利用者の自己実現や楽しみへの支援不足をどう解決していくのかが課題となっていました。また、利用者や保護者の満足だけでなく、職員の満足度を上げる必要があると感じていました。職員が生きがいを持って働くためには、ワークライフバランスを意識した改革が必要であると考え、恒常化していた残業時間の削減に取り組みました。特に夜間・早朝の勤務実態の把握が難しかったので、出退勤管理にタッチオンタイムを導入して、職員の勤務時間を「見える化」しました。これによって管理者・職員双方が勤務時間を正確に把握できるようになり、就業時間内に業務を終わらせようとする習慣がついて、残業時間の削減につながっています。

無駄な時間を削減して、<br>利用者とふれあう時間を確保

無駄な時間を削減して、
利用者とふれあう時間を確保

施設の建て替えを機に、利用者が住みたい、職員が働きたいと思える施設とはどのようなものなのかをコンセプトに整備をしていきました。まず「通信環境を整備」し、「記録ソフトを導入」することで、これまで手作業で作成していた利用者の記録を一元的にシステム化しました。こうすることで、業務に必要な情報をパソコンやスマートフォン等でリアルタイムに確認できるため、事務量の削減と職員同士で情報の共有化ができるようになったのは大きいと思います。職員は常時「インカム」や「グループウェア」で連絡を取り合っているため、打ち合わせや電話に要する時間もかなり減っています。また、利用者の障害に対応した様々な「入浴設備」や洗濯の時間を軽減するために「汚物除去機」を導入するなど、職員が利用者とのふれあいに専念できるよう職場環境を整えています。

介護ロボットの導入で<br>利用者へのサービスの質を向上

介護ロボットの導入で
利用者へのサービスの質を向上

国の助成金制度を活用した介護ロボットの導入も積極的に進めています。現在までに、自己負担での整備を含めて車椅子を利用する方の移乗をサポートする「移乗用リフト」を11台、ベッド用リフトを5台導入しています。介護職の職業病でもある「腰痛」の軽減にもつながっています。さらに、入居者の心拍数や呼吸数などが確認できる「ベッドセンサーやカメラなどの見守り機器」も順次導入し、見回り回数の削減や夜勤時の心理的負担の軽減につながっています。育児休暇を終えた職員も積極的に復帰してくれるようになりました。今後も、職員と意見を出し合いながら、長く働ける福祉・介護施設として、業界全体のイメージアップと人材確保につなげていきたいと考えています。

職場環境の課題

  • ●利用者主体を重視するあまりに職員に対する配慮が不足していた
  • ●職員同士のコミュニケーションをとる時間が確保しにくくなっていた
  • ●職員の身体的・心理的負担が大きくなり「働きがい」が持ちにくくなっていた

改善ポイントとその成果

①IoTを活用して労働時間を「見える化」
職員一人ひとりの勤務時間がリアルタイムで確認・意識できるようになり、残業時間を削減できるようになった。
②無駄な時間を削減して、利用者とふれあう時間を確保
記録ソフトやグループウェアを導入し職員間の情報共有が密にできるようになり、打ち合わせや電話等の時間を削減することができた。
③介護ロボットなどの導入でサービスの質を向上
リフトや見守り機器を活用することで職員の身体的・心理的負担を軽減するとともに、安全面などサービスの向上へとつなげることができた。
改善ポイントとその成果改善ポイントとその成果

働く人の声

日々の仕事もプライベートも<br>とても充実しています

日々の仕事もプライベートも
とても充実しています

秋澤 (あきざわ)慎也(しんや)さん

職員同士のコミュニケーションが増え、業務分担や業務が効率化されたことで勤務時間の短縮につながっています。時間が有効に使えるようになったのと、福祉機器のおかげで腰への負担が軽くなり、利用者の方にさらに充実したサービスが提供できるようになりました。残業が減って家族と過ごす時間が増えたことも毎日の充実につながっています。今後も他の職員と協力しながら利用者の方の笑顔につながる支援をしてきたいです。

【事業所DATA】

  • 事業所名 / 社会福祉法人 すぎのこ会「ひのきの杜」
  • 代表者 / 岩崎好宏
  • 所在地 / 栃木県栃木市岩舟町曲ヶ島806-1
  • 従業員数 / 45名(2023年12月現在)
  • 事業内容 / 障害者支援事業
  • ホームページ / https://www.suginokokai.or.jp/