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京都市特有の問題点と相談支援事業の役割と機能
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障害をもつ学生の支援費活用における問題点
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仕送りを受けている学生は、親の居住地で支給決定を受けなければならないという規定のもとで、現在居住している地域の福祉事務所では相談に乗ってくれないケースが多発してきている。この問題に取り組み、支援しているのは、支援センターである |
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高齢者専門事業所への支援費制度介入への積極的なアプローチ
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当支援センターが位置する地域は、担当が広域になっており、介護保険の事業所しか存在しない場所もある。障害者を敬遠しがちな事業所に対して、ヘルパーの再教育プログラム等を提案している |
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支援費サービス事業所における問題点
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事業所が不足していることによる主体性の相違に関する問題点
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事業所を選択できないという問題点に関連して、契約できた事業所の意向でサービス提供の時間数や時間帯が決められることが多くなっている。利用者主体という名目であるが、事業者主体という実態が浮かび上がってくる |
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事業者が誘導して「本人の意思ではない利用」を促進している疑問点
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「支給量の全てを使用しないと、来年度に削減される」という不安から、知的障害をもつ人たちに対して、「本人の意思ではない利用」が為されているという報告を受けている |
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ホームヘルパーに対して支給される給与の格差に対する問題点
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事業所からヘルパーに支払われる時給は、900円から1000円という金額である。支援費制度における身体介護においては、4000円を超える金額が支給されているにも関わらず、時給が安過ぎるのではないだろうか。NPO法人の事業所が多いという現状を見ると、利益還元という問題は大きいと思われる |
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障害をもつ人たち自身の問題点
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支援費制度の充実によるエンパワメント低下への不安
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「来週の介護者を探すために、毎晩二時間も電話をしている」という状況にあった重度の障害をもつ人たちが、事業所へ一本の電話を掛けるだけで事足りてしまうという状況は、歓迎すべきではあるが、彼らのエネルギーを奪うものになり兼ねないという危険性を感じる |
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ボランティア不足による問題点
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今まで関わってきたボランティアが、「お金がもらえる」という意識から、ヘルパー資格を習得し、有資格者となってきている。一見は良い傾向と思われるが、自由であり、友人感覚で関係が持てるボランティアが減少していることは、今後の大きな問題点となると思われる |
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第三者評価的な存在感が薄れていく問題点
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オンブズマンや監査委員とは異なり、不正を摘発するのではなく、サービスの質を向上させるように活動する第三者評価の役割は、今まで障害者自身や障害者団体が担ってきたと認識している。障害をもつ人たち自身が事業所を立ち上げてきていることにより、この機能が弱まってきているのではないかと懸念している |
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