II. 反芻動物におけるTSE感染性レベル
II.1. | 以前のデータ一覧表 サフォーク種ヒツジ及びヤギのスクレイピー臨床的症例から採取した組織の感染性分類(マウス生物学的検定で得られた感染性力価に基づく)に関して入手できるすべてのデータを示した最新の一覧表を1999年7月22日・23日に採択されたヒツジの血統及び遺伝子型分類の方針に関する意見書(EC 1999年)の付属文書に示したが、この表を本報告書の表 1に再録する。 ヒツジ(Hadlow他 1982年)及びヒツジ/ヤギ(Hadlow他 1980年)に関するデータとウシBSE自然発生例の組織に関する予備的マウス感染性データとの比較も行われている。この比較を付属文書に示す。ウシBSE症例の組織のうち報告書作成時においてマウス生物学的検定で感染性が検出されなかった組織のリストもKimberlin(1996年)によって示されている(表 2参照)。BSE病原体に実験的に経口曝露したヒツジから採取した組織の感染性分類に関する予備的な表を、飼育条件下で小型反芻動物からBSEが検出された場合に備えた先制リスク評価に添付した報告書の付属文書 3に示した(表 3参照)。 |
表 1 | ヒツジ及びヤギにおける自然発生スクレイピー:各齢のサフォーク種ヒツジ及びヤギのスクレイピー前臨床的/臨床的症例の組織分類をSwiss系マウスにおける病原体力価で示す5(1999年7月22日・23日付け付属文書「ヒツジの血統及び遺伝子型分類の方針に関する意書」より修正を加えず再録)(EC 1999年) |
グループ | 感染性力価 (およその範囲) |
前臨床的症例 | 臨床的症例 | ||||
ヒツジ | ヒツジ | ヤギ | |||||
≦8ヵ月(0/16) | 10-14ヵ月(8/15)6 | 25ヵ月(1/13) | >25ヵ月(1/6) | 34-57ヵ月(9/9) | 38-49ヵ月(3/3) | ||
A | 高 ≧4.0 |
脳、 脊髄 |
脳、 脊髄 |
||||
B | 中 3.2~4.0 |
近位結腸、遠位回腸、LN(RP/MP)、脾臓 | 近位結腸、遠位回腸、LN(RP/MP)、扁桃 | 近位結腸、遠位回腸、脾臓、扁桃、LN(BM)、LN(PF、陰性1/9)、LN(PS、陰性2/9)、LN(PR/MP)、(遠位直腸+) | 近位結腸、近位回腸、LN(BM)、LN(RP/MP)、LN(乳房上)、下垂体、(遠位直腸+)、脾臓 | ||
C | 低 ≦3.2又は 力価不明 |
LN(PS/PF)、扁桃 | 脳(髄質/間脳)、LN(BM)、LN(PS/PF)、脾臓 | 副腎、骨髄**、遠位結腸、CSF、肝臓**、LN(乳房上×2)、鼻粘膜、膵臓**、下垂体、坐骨神経、胸腺**、胎盤**° | 副腎、遠位結腸、CSF、鼻粘膜、坐骨神経、胸腺 | ||
D | 検出されず | 回腸、LN(PS/PF)、LN(RP/MP)、胸腺、扁桃、脾臓 | 血餅、脳(髄質)、遠位結腸、糞便、LN(BM)、血清 | 副腎、脳(中脳皮質)、遠位結腸、LN(乳房上)、鼻粘膜、唾液腺、脊髄、胸腺 | 初乳 | 血餅、胎仔、心臓、腎臓、肺、乳腺、骨格筋、卵巣、唾液、唾液腺、精子嚢、精巣、甲状腺、子宮 | 血餅、骨髄、糞便、腎臓、乳腺、乳、骨格筋、卵巣、唾液腺、血清、子宮 |
(-/-) | = | (陽性症例数/検査症例数) | ** | = | 微量又はきわめて微量 | MP | = | 腸間膜/門脈 |
* | = | 組織30mg当りのマウス脳内LD50のlog10値 | PF | = | 大腿前 | CSF | = | 脳脊髄液 |
+ | = | 分析は行わなかったが、リンパ網内系組織含量が高い | PS | = | 肩前 | LN | = | リンパ節 |
° | = | 他の試験で陰性 | RP | = | 咽頭後 | BM | = | 気管支縦隔 |
表 2 | BSE確定症例から採取した組織のうち、脳内及び腹腔内に接種したマウスの生物学的検定で感染性が検出されなかった組織 (Kimberlin 1996年より)
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表 3 | ヒツジの実験的BSE-潜伏段階別及びPrP遺伝子型別の感染性の分布(飼育条件下で小型反芻動物からBSEが検出された場合に備えた先制リスク評価の付属文書 3(2001年2月8日・9日SSCにより採択)[EC 2001年]を最近の実験結果[本報告書II.6.4参照]に基づいて更新したもの)
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II.2. | 発表データの背景 TSE感染性病原体の組織中濃度を求める生物学的検定は通常はエンドポイント力価測定を使用して行われ、これよりも正確度が落ちるが潜伏期間測定を使用して行われることもある。このような生物学的検定に最も多く使用されている実験モデルは近交系マウスである。マウスは最も実用的な生物学的検定モデルであるが、種障壁効果のためにヒツジ又はウシ組織における病原体濃度が過小評価される可能性がある。これまでの力価測定データは少数の例外を除いてKarber(1931年)に従いlog10 ID50単位の形で表されている。1単位の平均感染用量又は致死用量(ID50)は、接種動物群の半数に疾患を伝達する感染性と定義される。試料の連続10倍希釈液1mLを希釈群当り20匹のマウスに接種した場合(1匹当り0.05mL)、接種した動物の50%(20匹中10匹)に疾患を伝達する希釈液の希釈度で1単位のID50が表されることになる。連続10倍希釈液を使用した力価測定では、およそ100%、50%又は0%の伝達率が示されることが多く、最後の伝達率0%の希釈液(限界希釈液)がわかれば、生存率を使用して希釈前の接種材料のID50単位を計算できる。この値は、通常、組織1g当りのID50単位に換算される。 げっ歯類を使用したエンドポイント力価測定及び潜伏期間測定の実験から、このような生物学的検定の再現性は使用する動物に適応させた病原体株(その動物内でクローン化したものが望ましい)の感染性を調べた場合に最も高くなることが示唆されている点に注意する必要がある。C57B1系マウスを使用したエンドポイント力価測定生物学的検定の試験室間再現性が、少なくともME7スクレイピーについて証明されている(Taylor他 2000年)。一方、ウシ及びヒツジ組織の感染性評価に最近使用されているマウス力価測定は、ウシ又はヒツジからの一次接種が種障壁を挟んで行われている点で上記のような生物学的検定とは異なる。 感染性生物学的検定の有効性には多数の因子が影響を及ぼす。接種経路は感染力価及び用量反応曲線に影響する(Kimberlin及びWalker 1978年)。接種量も生物学的検定の感度に影響する。実際には、生物学的検定の実施上最も効率的な接種経路が選択されている。表 1及び表 2に示す生物学的検定の場合、マウス脳内(ic)接種によるスクレイピー感染性検出限界の計算値を接種量30μLで計算すると、組織1g当りのID50値として約102.0(Kimberlin 1994年)である。マウスに脳内投与できる接種材料の量は明らかに限られている。表 3に示すように、BSEに自然感染したウシから採取した組織の感染性を測定するマウスアッセイでは(Fraser及びFoster 1994年、H. Fraserの私信)、ic投与とip投与を組み合わせて合計120μLが接種されており、検出限界はID50/gとして101.4であった(Kimberlin 1996年)。 Fraser他(1992年)は、RIII系及びC57B1系近交マウスに一次接種したBSEのエンドポイント力価測定値から求めた感染はどちらの系統でもほぼ同等であることを示した。 潜伏期間と力価との関係に対し多くの研究者が疑問を示しており(概要についてはMasel及びJansen 2001年を参照)、潜伏期間測定による力価推定の妥当性が疑問視されている。スクレイピーに感染したマウスの脳から得た接種材料に対して一定の物理的・化学的処理を行うと同じ力価でも潜伏期間が変化し、エンドポイント力価測定と潜伏期間測定との間にはID50としておよそ101~102の差が生じる(Masel 及びJansen 2001年)。マウスを使用して100回を超えるスクレイピー感染性力価測定を行ったある分析では(McLean 及び Bostock 2000年)用量対数値の減少に伴って平均潜伏期間が線形に延長することが明らかにされたが、潜伏期間のばらつきも用量減少に従って線形に増加した。従って、用量反応曲線から推定した力価の正確度は低用量では低くなる。 感染性(測定法によって異なる)とPrPSc濃度との定量的相関性が乏しかった例は多数あるが(Masel及びJansen 2001年)、PrPSc濃度とTSE感染性との関係性を証明する報告も発表されている(概要についてはLee他2001年を参照)。スクレイピーに罹患したサフォーク種のヒツジから採取した脳、脾臓、リンパ節及び胎盤についてマウス生物学的検定(Rocky Mountain Swiss系マウス)で得られた結果とPrP免疫ブロット法で得られた結果を比較した場合、「感染性とPrP-resとの間に完全な相関性が認められた」(Race他1998年)。ただし、このような相関性が見られたのはマウスアッセイで得られた罹患率データと相対潜伏期間(すなわち、用量反応曲線に従う校正を行わない潜伏期間)及びPrP-resの有無との間に限られていた。従って、この相関性は結局のところ基本的に定性的なものである。 CEA Elisa試験のBio-Radバージョンを使用したPrPSc迅速検出の成績とウシBSE症例の脳に関するマウス感染性力価測定データとの間には良好な相関関係が認められていることから、この種の迅速試験の結果から感染力価を推定できると期待される(Deslysら 2001年)。このような試験結果が得られているのは脳組織に限られており、中枢神経系組織以外の組織についてはまだ適切な迅速PrP試験技術がない。 しかし、時間のかかる生物学的検定の代わりに診断マーカー法としてPrPSc検出法が使用される例が増大する傾向にあることから、感染性データ自体が欠けている場合に感染性測定の代替法としてPrPSc濃度測定を使用する価値について何らかの調査を検討するべきである。感染性に関する過去のデータのみに基づいてリスク評価を行う代わりにこのような代替法を使用してリスク評価を行えば、新しいデータからより正確な推定値を得られるであろう。ただし、この問題は本報告書の範囲外である。 ドナー動物種の感染性の検出感度を強化した遺伝子導入マウスを使用してデータが得られれば従来のマウスで行われた生物学的検定のデータと比較できると思われるが、このようなモデルからはまだ感染性力価データは得られていない(Buschmann他 2000年)。 TSE症例の感染性の力価測定は、中枢神経系(特に脳)を中心として行われている。他の組織に関する最近のデータは、少数の実験から得られたデータに限られる。 |
II.3. | ヒツジスクレイピー -スクレイピー病原体に経口曝露及び自然曝露したヒツジの組織のマウス接種生物学的検定 経口経路でスピレイピーに実験的に感染させたヒツジの組織に関する新しい感染性力価データないし潜伏期間データは得られていない。スクレイピー自然感染例に関するデータは、脳組織の感染力価に限られている。サフォーク種ヒツジの臨床的スクレイピー症例から採取した脳のマウス感染性力価平均値は105 (ic)ID50/g(Hadlow及びその他 1979年)であったのに対し、スクレイピー病原体に対する組織プールの影響を調べる試験においてスクレイピーが疑われる症例から得た2867個の脳のプールに関するマウス感染性力価は104.1 ic ID50/gであった(Taylor他 1997年)。ヒツジスクレイピー症例の脳のプールを使用してスクレイピー病原体に対するブタ経口曝露を行った後に複数の系統のマウスで測定した場合、感染性値は大きく異なった。IM系マウスにおけるマウス(ic+ip)ID50/gは103.7であったのに対し、C57BL系マウスでのマウス(ic+ip)ID50/gは102.8であった(S.A.C. Hawkins 私信)。 |
II.4 | ウシBSE-VLA病原性試験において実験的にBSEを感染させて逐次殺処分したウシから採取した組織のマウス接種生物学的検定 この試験のデザインについては既報に説明がある(Wells他1996年、Wells他1998年)。簡単に述べると、1991年に出生したフリージアン/ホルスタイン種のウシ40頭をBSE歴のない農場から集め、BSE症例75例から採取してプールした脳幹を4ヵ月齢時に30頭に対してそれぞれ100g経口投与した。10頭に対しては投与を行わず対照とした。 臨床的症状の発症を検出するために、試験期間にわたってウシの臨床的モニタリングを行った。 6ヵ月齢時及び,その後は4ヵ月間隔で26ヵ月齢時(曝露22ヵ月後)まで、脳幹を投与したウシについては3頭ずつ、対照群のウシについては1頭ずつを殺処分した。その後、脳幹を投与したウシ及び対照群のウシを任意の時点で殺処分し、曝露40ヵ月後に最終の殺処分を行った。 組織を無菌的に採取し、マウス生物学的検定に供した。殺処分を行うごとに、主としてリンパ網内系(LRS)、末梢神経系(PNS)、中枢神経系(CNS)、消化管、横紋筋及び主要な内臓(表 3.1、Wells他 1996年)を代表する44の組織から接種材料を調製した。接種材料はすべて10%生理食塩水懸濁液として調製し、一部の組織については抗生物質を添加した。各採取時点で、病原体に曝露したウシから得た組織ごとに接種材料をプールした。対照ウシからも組織ごとに同様の方法で接種材料を調製した。試験接種材料と対照接種材料を脳内経路(20μL)と腹腔内経路(100μL)で近交系マウスに投与し、標準定性的生物学的検定による感染性を測定した。曝露18ヵ月後までに殺処分したウシから調製した接種材料は、RIII系マウスとC57B1-J6系マウスの一方又は両方の系のマウスに接種した。 英国のVLAによるBSE病原性試験で得られた広範囲の組織をマウス(RIII系とC57BL系の一方又はその両方)にic経路及びip経路で接種する定性的生物学的検定が完了した(Wells他 1996 年、1998年、1999年及び未発表データ)。陽性組織の感染性力価測定は行われていない。感染性が検出されなかった組織については、マウス(ic/ip) LD50/gが101.4未満であったと言える。結果を表 4にまとめる。 感染性が検出された組織のデータを更に解析して感染性力価の近似値を得るには、RIII系マウス及びC57BL系マウスに関する生存率、用量、潜伏期間のデータを使用しなければならない。このようなデータの解析はまだ完了しておらず、特にRIII系マウスに関するデータ解析が進んでいない(G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkins、未発表データ)。BSE病原性試験で得られた組織のうち、RIII系/C57BL系マウス生物学的検定で潜伏期間データが得られているものについては、組織感染性力価の近似値が推定されている。これを表 4に示す。現在入手できる値の大半はC57BL系マウス生物学的検定に基づくものであり、この生物学的検定からは単一の実験に基づく用量反応曲線しか得られていないことから(ic接種後の脳に関する曲線のみ)、これらの推定値はあくまでも暫定的なものである。近い将来、RIII系マウス感染性生物学的検定による潜伏期間データが得られる予定であり、このデータが得られれば一連の用量反応曲線(ic+ip接種後)の要約データに基づいて感染性力価を推定できるであろう。しかし、これらのデータからは、病原性試験において陽性となった組織の大半について得られたきわめて低い推定感染性力価(マウスic+ip ID50/gとして101未満)よりも高い精度で推定を行うことは不可能である(表 4)。 中枢神経系における感染性推定値がこのようにきわめて低かったのは、病原性試験において曝露32~40ヵ月後に殺処分したウシでも臨床的状態が比較的早期にあったことで説明できると思われる。BSEの前臨床的症例及び臨床的にBSEが疑われる症例の脳について行われた感染性力価測定では、広範囲の力価が得られている(マウスic またはic+ip ID50/gとして102.9~105.2)(Fraser他 1992年、Taylor他 1994年、Kimberlin 1996年、G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkinsの未発表データ)。これらの力価のうち最高値はBSE末期の単一症例の後脳から得られたものであり、最低値は臨床的にBSEが疑われる症例から採取したすべての脳のプールから得られたものであることから(陰性症例が10%以上含まれる可能性がある)、このばらつきはサンプリング法の違いである程度説明できることを強調しなければならない。 |
表 4 | BSE病原体に経口曝露し逐次殺処分したウシから採取した組織の感染性生物学的検定の要約(G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkinsの未発表データ) |
組織 | 感染性 | 感染性力価の推定範囲(マウスic/ip ID50/g)と ドナーウシの潜伏期間(括弧内) |
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神経系 | 脳-前頭葉皮質、後髄 | +、 + | [C57BL]≦101.0(32~40ヵ月) |
下垂体 | |||
脳脊髄液 | |||
硬膜 | N.D. | ||
脊髄-C2~C3、T10~T11、L3~L4 | +、 +、 + | [C57BL]≦101.0(32~40ヵ月) | |
下神経節 | |||
背根神経節-C3~C6、T5~T8 | + | [C57BL]≦101.0(32~40ヵ月) | |
三叉神経節 | + | [C57BL]≦101.0(32~40ヵ月) | |
星状神経節 | |||
坐骨神経 | |||
顔面神経 | |||
横隔神経 | |||
撓骨神経 | N.D | ||
半腱筋 | N.D | ||
横隔膜筋 | N.D | ||
三頭筋 | |||
咀嚼筋 | N.D | ||
胸骨頭筋 | |||
最長筋 | |||
消化器 | 舌(背側、粘膜を含む) | ||
顎下唾液腺 | |||
耳下唾液線 | |||
前食道 | N.D. | ||
反芻胃 | |||
第三胃 | N.D. | ||
第四胃(幽門) | |||
十二指腸 | |||
遠位回腸(パイエル板を含む) | + | [RIII]<100.5~101.5(6~14ヵ月)、101.2(18ヵ月)、[C57BL]<101(36~40ヵ月) | |
らせん状結腸 | |||
糞便‡ | |||
膵臓 | |||
肝臓 | |||
リンパ網内系 | 脾臓 | ||
胸腺(頚部) | |||
扁桃 | |||
顎下リンパ節 | |||
咽頭後リンパ節 | |||
気管支縦隔リンパ節 | |||
肝リンパ節 | |||
腸間膜リンパ節 | |||
肩前リンパ節 | |||
膝腋リンパ節 | |||
その他 | 腎臓 | ||
尿‡ | -‡ | ||
副腎 | N.D. | ||
肺(左尾葉) | |||
鼻粘膜(中鼻甲介) | |||
心膜‡ | -‡ | ||
心臓(左室/中隔) | |||
三尖弁‡ | -‡ | ||
大動脈‡ | -‡ | ||
血液(バフィーコート) | |||
血液(血清) | N.D. | ||
血液(血餅) | N.D. | ||
骨髄(胸骨) | +* | [C57BL]<101.0(38ヵ月) | |
コラーゲン(アキレス腱)‡ | |||
皮膚‡ | -‡ | ||
骨(大腿骨幹)‡ |
+ | 陽性 |
- | 陰性(マウス(ic+ip)log10 LD50/gで101.4以下) |
N.D. | 検査せず(採取し、後の試験用に保存) |
‡ | 2回の殺処分時(曝露18ヵ月後及び32ヵ月後)にのみ一定のRIII系マウス生物学的検定を行った。 |
* | この試験(Wells他 1999年)で曝露したウシの臨床的徴候の発症期間(潜伏期間終了後)に入る1回の時点(曝露38ヵ月後)にのみきわめて低い感染性が検出された。 |
II.5. | ウシBSE-ウシ組織のウシ接種生物学的検定 ヒツジのスクレイピー症例では広範囲のリンパ組織で感染性が検出されたが、それとは対照的にウシ自然発生BSE症例のマウス生物学的検定では中枢神経系以外の組織から感染性を検出できなかったことから、BSE病原体検出に関するこの生物学的検定法の有効性が問題となった。そのため、種障壁を挟んでマウスで分析した組織感染性力価が過小評価されていることを示す指標を求め、ウシ及びマウスへの一次接種による感染力価測定を同時に行うことによりウシBSE症例から採取した脳の感染性に関する近似的な用量潜伏期間曲線を作成する試験(VLA/CSG SE1821)を行った。更に、BSE自然発症例から脾臓及びリンパ節を採取してウシ生物学的検定を行い、これらの組織の感染性濃度の桁を推定した。 ウシBSE症例から採取してプールした脳幹から接種材料を10-3~10-8の範囲で10倍希釈し、各希釈液をウシの4ヵ月齢群に脳内(ic)接種した。他の2群のウシには脾臓又はリンパ節プールの10-1希釈液を同様の方法で接種した。ウシの臨床状態を臨床的疾患を示す確定的徴候が生じるまでモニタリングし、その後殺処分して脳の検査を行ってBSEの形態的表現型を確認し、免疫組織学的検査により疾患特異的PrPの有無を評価した。これと平行して、sincs7(RIII)系マウスにおける感染性力価測定を、標準マウスエンドポイント力価測定プロトコールに従って10-1~10-6の希釈範囲で行った。最大の分析効率を得るために、マウスにはic経路と腹腔内(ip)経路を同時に使用して接種を行った。 脳感染力価はマウス(ic+ip)では103.3 ID50/g、ウシ(ic)では106.0 ID50/gであった。従って、BSE組織の感染力価を種障壁を挟んでマウスで測定すると500倍過小評価されることになる(G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkingsの未発表データ)。相対力価で表すと、マウス(ic/ip)におけるLD50/g値100が、ウシ(ic)におけるLD50/gの102.7に相当する。すなわち、マウス生物学的検定の検出限界(マウス[ic/ip]LD50/gとして約101.4)はウシ(ic) LD50/gの104.1に相当する。最初の病原体試験で得られた一定の組織の生物学的検定をウシ脳内接種を使用して更に行ったが、これまでのところ感染性が確認されたのはマウス生物学的検定ですでに陽性が示された組織に限られている(表 5-G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkingsの未発表データ)。 マウス生物学的検定の感度が比較的低かったことは、BSEでは広範なLRS感染性が明らかに欠けていることで説明できるかもしれないが、BSE末期のウシ臨床歴症例5例から採取しプールしたリンパ節(咽頭後、腸間膜、膝窩)又は脾臓を脳内接種して行った生物学的検定の結果はこの仮説は裏付けるものではない。この試験における生存率データから、組織感染性濃度はウシ(ic)LD50/gとして少なくとも1未満であり、おそらく0.1未満であると思われる。 |
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ウシBSE症例の脳組織プールをウシに脳内接種して行った感染力価測定から用量潜伏期間曲線が得られる。この曲線を用い、組織の潜伏期間に対応させることにより接種材料の感染性力価の近似値が得られると思われる。病原性試験で得られたウシ組織に関する生物学的検定から今日までに得られているデータに基づくと、感染性が認められる組織は遠位回腸(曝露6ヵ月後、10ヵ月後、18ヵ月後)及び脳幹/脊髄(曝露32ヵ月後)である。これらの曝露後時点における組織の平均潜伏期間とウシ感染力価測定から得た用量潜伏期間曲線から推定すると、感染力価はそれぞれ101~102(6ヵ月後)、104(10ヵ月後)、103(18ヵ月後)、103~104(32ヵ月後)であると思われる。マウス生物学的検定では遠位回腸の感染性力価は曝露6ヵ月後及び10ヵ月後に上昇し(平均潜伏期間が低減)、曝露18ヵ月後のウシから採取した遠位回腸をマウスに接種した場合にはこの上昇が頭打ちになったという点で、この結果はRIII系マウス潜伏期間に関するデータにきわめて近い。しかし、ウシで得た感染性データとマウスで得た感染性データの間には最大で1 log10の差が認められた。 このウシ生物学的検定で接種を受けたウシの生存期間について現在入手できるデータを検討すると(表 5)、他の組織群において感染性は、存在するとしても大半はウシ(ic) ID50/gとして102未満であり、感染力価がきわめて低い群も存在することは明らかである。ウシ組織の感染性分類に関する暫定要約を表 6に示す。 |
II.6. | ヒツジBSE-BSE病原体に経口曝露したヒツジの組織のマウス接種生物学的検定 |
II.6.1. | 2000年4月13日・14日に採択された小型反芻動物特定危険部位に関するSSCの意見書(EC 2000年)に添付した報告書には、BSEのヒツジへの伝達に関する試験(英国動物保健研究所(IAH)が実施したヒツジBSE病原性実験)の早期の結果においてARQ/ARQ型感染ヒツジの一部においてPrPScが広範に認められ、曝露16ヵ月後にはリンパ網内系組織で検出されるようになったが、これに対応する感染性の結果はこれまでのところ生物学的検定からは得られていないと示されている。この報告書では、この結果は他の齢(より若齢を含む)で感染性又はPrPScが検出される可能性を除外するものではないという点も強調されている。この報告書では触れられていない他の情報(Somerville他 1997年)において、BSEに感染したQQ171系チェビオット種ヒツジの一部から脾臓のPrPScが認められたことが示されている。 IAHのヒツジBSE病原性実験は現在も継続されている。組織の免疫細胞化学試験で得られたBSE罹患動物のデータが発表されている(Foster他 2001年)。BSE症例7頭(6頭は現在も生存)すべてにおいてCNS及びLSR組織がPrPSc免疫染色性を示したが、他の組織はこのような染色性を示さなかった。発表された結果からは得られた情報はARQ/ARQ型チェビオット種ヒツジにおける実験的BSEの臨床的症例に関するデータに限られているが(平均潜伏期間は、5g経口曝露後約25ヵ月)、心臓、肺、肝臓、胸腺を含む主要臓器の大半はPrPSc免疫染色性を示さなかった点に注意する必要がある。腎臓糸球体についてはごく弱い染色性が認められた。試験対象とした骨格筋及び生殖組織ないし皮膚についてはPrPScが存在する証拠は得られていない。 試験対象とした末梢神経(迷走神経、撓骨神経、坐骨神経)のうち、経口曝露によりスクレイピー病原性を示すことが多くの研究者によって示唆されているのは迷走神経のみであり、体性末梢神経はPrPSc免疫染色性を示していない点も興味深い。このような動物から採取した一定範囲の組織に関する感染性生物学的検定が現在行われている。潜伏期間の中の各時点で殺処分した動物に関する試験はまだ完了していない。暫定データは、動物によっては一部のリンパ組織から感染後早期にTSE感染性(PrPSc免疫染色性など)の証拠を検出できるというJeffrey他(2001年)の所見を支持するものである。 |
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II.6.2. | VLA(英国)が行ったPrPSc組織分布に関する試験の暫定更新結果(Jeffrey他 2001年)や、BSE病原体(罹患脳ホモジネート5g)に経口曝露したロムニー種(ARQ/ARQ)及びサフォーク種(ARQ/ARQ)のヒツジの感染性(マウス生物学的検定)(S. Bellworthy 未発表データ)に基づくと、組織中の病原体が最も早期に認められた例は以下の通りである。 ロムニー種(潜伏期間範囲20~37ヵ月に関する現在のデータ)
ニュージーランドサフォーク種(初期臨床症例の潜伏期間24ヵ月に関する現在のデータ) この試験では、ロムニー種ヒツジの一部については消化管全体にわたり腸神経系(ENS)ニューロンのPrPSc免疫染色性が認められたが(噴門洞の染色性が最も低かった)、ペイエル板については免疫染色性は認められないことも明らかにされた。 これまでのところ、臨床的症例でも胸腺の免疫染色性は検出されておらず、体性末梢神経幹(坐骨神経、横隔神経)や脊髄神経根の免疫染色性も検出されていない。 この試験からは、骨格筋感染性に関する新しいデータは得られていない。 同等の接種を行ったARQ/ARR型(BSE/スクレイピー感受性異型接合体)ロマニー種ヒツジでは、接種後約4年が経過したが、これまでのところ正常である。 試験で逐次殺処分した動物ではこれまでのところどの組織からもPrPScは検出されていないことから、これらの組織では曝露後最大2年間については確実に感染性が見られないと思われる。 これらのデータから、経口経路で比較的大量のBSE病原体に実験的に感染させたウシとは異なり、ヒツジの場合、少なくともARQ/ARQ型スクレイピー/BSE感受性個体では、潜伏期間早期に広範囲のリンパ組織が侵襲される可能性があると思われる。新しく得られたデータは、ヒツジに経口曝露したBSEは特に感染性又はPrPScの組織分布の点でスクレイピーとほぼ同じ病原性を示すというこれまでの見解と一致する。 |
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II.6.3 | 輸血によるヒツジへのBSE伝達が1例報告されているが、この例からは感染性データはほとんど得られない(Houston他 2000年)。輸血を受けたこのヒツジ(ARQ/ARQ型ニュージーランドチェビオット種)では、感染したヒツジから潜伏期間(629日)のほぼ中間において採取した血液400mLを輸血したヒツジで610日後に臨床的疾患が発症し、両者の潜伏期間はほぼ同等であった。ヒツジにおけるBSE感染経路の相対的有効性に関する十分な情報は得られていないが、実験モデルでは接種経路によって有効性に差があることが一般的に認められており、この知見からひとつの解釈を導き出せるかもしれない。経口経路と脳内経路の有効性の差は、ウシの場合105~106の範囲である(G.A.H. Wells及びS.A.C. Hawkinsの未発表データ)。マウスについてもこれらの経路の有効性に差について同等の値がしばしば示されている。静脈内経路の有効性は脳内経路とほぼ同じであると仮定し、この仮定がヒツジにも適用できるとすると、以前に引用した試験(Jeffrey他 2001年)において潜伏期間が20ヵ月と最も短かったのは104.0×5という経口用量を投与した場合であるが、潜伏期間がこれと同等となる血液400mLの総感染性はマウスID50単位として1~10という低い値になると思われる。このような計算値はヒツジの品種によって異なるものの、マウス生物学的検定では検出されないことは確かであろう。 |
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II.6.4 | エンドポイント感染性力価測定は行われていないが、BSE病原体に脳内経路又は経口経路で曝露したヒツジ(ARQ型チェビオット種)の脳及び脾臓に関する感染症一次伝達の潜伏期間データはどちらの組織でもほぼ同等であった(Foster他 1996年)。この潜伏期間は、ウシBSE病原体のマウスへの一次伝達で見られた潜伏期間より短く(Fraser他 1992年)、エンドポイント感染性力価測定の結果はic LD50/gとして105.1以上であった。ic経路とip経路又は両経路の組み合わせがRIII系マウスにおける潜伏期間に及ぼす影響を比較する試験(Bruce他 1994年)では、両経路を組み合わせた場合にウシBSE感染検出の有効性が僅かに上昇した。従って、Foster他(1996年)が試験したヒツジBSE症例の脳及び脾臓の感染性力価はic/ip LD50/g値として105の桁であったと結論付けられるであろう。263K系ハムスタースにスクレイピーを単一の経路で接種した場合、脾臓と脳では用量反応関係が異なることが示されていることから(Robinson他 1990年)、異なる組織/臓器を使用した潜伏期間アッセイを解釈する際には注意が必要がある。 BSEに実験的に感染させたヒツジから採取した組織の感染性力価データは得られていない。 ロムニー種及びサフォーク種ヒツジをBSE病原体に対して経口曝露したVLA試験(Jeffrey他 2001年)において採取された組織のマウス生物学的検定は不完全なものであるが、曝露を受けたロムニー種(ARQ/ARQ型)のヒツジから得た一定の組織については、RIII系マウス用量反応曲線から感染性力価の近似を得るに十分な潜伏期間データが得られている(S. Bellworthy、私信)。 曝露(マウス[ic+ip]ID50/g として104.0の接種材料5gに対する曝露)16ヵ月後までにヒツジの脾臓の感染性力価はマウス(ic+ip)ID50/gとして102.8に接近すると思われる。曝露10ヵ月後の値はこれよりも低く、その後に上昇する(データは不完全)。他のリンパ組織における曝露16ヵ月後の値はおそらく101.0であるが、その後上昇し、曝露22ヵ月後には(依然前臨床状態であるが)中枢神経系の感染性は103以上になる。 臨床的症状が発症したヒツジ(潜伏期間20~28ヵ月)からはまだデータが得られていない(Jeffery他 2001年)。 2001年2月8日・9日に採択された本報告書の付属文書 3「飼育条件下で小型反芻動物からBSEが検出された場合に備えた先制リスク評価」(EC 2001年a)はこの試験の結果に基づくものであり、従って、BSE病原体に実験的に曝露したロムニー種(ARQ/ARQ型)ヒツジの組織感染性分類に関してこの付属文書は引き続き適用される(表 3)。 |
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II.6.5 | ヒツジの実験的BSEと自然感染スクレイピーとの間に組織感染性分布にこのような強い類似性が見られたことから、今後、各種組織における感染性の可能性と推定レベルに関する指針を小型反芻動物組織のスクレイピー感染性に関する既存の表に基づいて作成する必要があろう(表1および付属文書を参照)。 |
II.7.1. | ヒツジ(及びヤギ)のTSE 小型反芻動物(ヒツジ)のスクレイピー 表 1及び付属文書のヒツジ組織スクレイピー感染性に関する内容の更新に使用できる新しいデータは得られていない。従って、表1及び付属文書はスクレイピー感染性分布に関する限り、引き続き有効である。 小型反芻動物(ヒツジ)のBSE ヒツジ組織感染性力価の表をスクレイピー病原体の及びBSE病原体の感染に関して更新するために使用できると思われる新しいデータはきわめて少ない。BSE病原体に実験的に曝露したヒツジについては、上記のデータから、臨床的段階における脳及び脾臓の感染性力価は同等であると解釈できるであろう。従って、BSEの場合、脾臓は(おそらくは他のリンパ網内系組織も)CNS組織と共に高レベルの感染性を有するものとして考える必要があるという点を考慮に入れるべきである。この所見は、スクレイピーに感染したヒツジの脾臓の感染性を「中」に分類しているこれまでのデータ(表 1及び表 2)とは異なる。この所見は、ヒツジのBSE発生の可能性が存在する状況におけるヒツジSRMの検討に対して明らかに影響を及ぼす。ただし、表 1及び表 2の内容をスクレイピー又はBSEのヒツジ組織感染性について更新できる程の新しいデータは得られていない。 |
II.7.2. | ウシのBSE ウシ組織感染性の表のBSEに関する内容を作成する基礎となる情報が新しく得られつつあるが、データは不完全であり、情報の多くは実験的経口曝露後の感染性分布に関する単一の試験から得られたものである。実験的に曝露したウシで感染性を示した少数の組織について生物学的検定から得られた潜伏期間の値に基づくと、大半の感染組織の感染性は生物学的検定の検出限界に近く、中枢神経系組織もその例外ではないと思われる(表 4)。ウシの生物学的検定で早期に得られたこのような組織評価結果(表 5)はマウスのデータを補足するものであるが、この生物学的検定を完了させるには今後5年以上を要すると思われる。しかし、その間にも更に陽性の結果が得られると思われる。BSEに感染したウシに関して入手できる感染性データを暫定的に要約し、表 6に示す。 |
表6 | BSE病原体への実験的経口曝露又は自然曝露後の感染性に基づくウシの組織分類に関する予備推定の暫定的要約1 |
感染性力価2 (およその範囲) |
実験的 | 自然発生(臨床的症例) | ||||
前臨床的症例(曝露後経過月数) | 臨床的症例(曝露後経過月数) | |||||
マウス | ウシ3 | (6~14) | (18) | (32) | (36~40) | |
高 (103.0~105.0) |
高 (105.7~107.7) |
脳、脊髄、 ?網膜(データ未発表) |
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中 (101.5~ 103.0) |
中 (103.3~105.6) |
遠位回腸 (10ヵ月) |
脳 | |||
低 (≦101.5) |
低 (≦103.2) |
遠位回腸 | 遠位回腸 | 脳、脊髄、背根神経節 | 脳、脊髄、背根神経節、三叉神経節、遠位回腸、骨髄(38ヵ月) | |
検出されず | 組織一覧については表 1、表 5、付属文書参照 | 咽頭後LN、腸間膜LN、膝窩LN、試験対象とした他の組織については表 2及び参考文献参照 | ||||
?(<101.0) | ?(<100) |
1 | 詳細については表 1、表 5、付属文書参照。 |
2 | ウシBSE症例の感染性範囲はヒツジスクレイピー症例に比べ非対称的であったため、ここで使用した分類は暫定的で任意なものある。この分類は、表 1及び付属文書のグループ又は分類とは一致しない。 |
3 | 太字で示した表の値はウシ生物学的検定に基づく。 |
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5 | Hadlow他(1979年、1980年、1982年)、Pattison他(1964年、1972年)、Groschup他(1996年)による。DRGについては本文参照。 |
6 | 更に感度の高い感染性測定法が使用されるようになってきたため、検査対象の齢範囲が10ヵ月未満まで引き下げられると思われる。16週齢のラムで扁桃の感染性が検出された例がある。胎盤はグループCに分類されているが、力価は不明である。 |