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何故、働き方改革が必要なのか?

 わが国の経済成長を進める妨げになる困難の根本には、少子高齢化、生産年齢人口減少すなわち人口問題という構造的な問題に加え、イノベーションの欠如による生産性向上の低迷、革新的技術への投資不足があります。
 日本経済の再生を実現するためには、投資やイノベーションの促進を通じた付加価値生産性の向上と、労働参加率の向上を図ることが必要です。そのためには、働き方改革を推進し、誰もが生きがいを持って、その能力を最大限発揮できる社会を創ることが必要です。

働き方改革実行計画について

働き方改革実行計画(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)において、「日本経済再生に向けて、最大のチャレンジは働き方改革」とされています。「働き方」は「暮らし方」そのものであり、働き方改革は、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、日本の働くということに対する考え方そのものに手を付けていく改革です。
多くの人が、働き方改革を進めていくことは、人々のワーク・ライフ・バランスにとっても、生産性にとっても好ましいと認識しながら、これまでトータルな形で本格的改革に着手することができていませんでした。その変革には、社会を変えるエネルギーが必要です。


首相官邸 働き方改革の実現

IT業界における働き方のトレンド

 IT業界では、働く環境の向上を図るために"あるべき働き方"*を示し、労働時間の適正化を図り、ワークライフ・バランスを実現し、 従業員満足度倍増および女性の活躍などを目標として掲げています。 また、働くひとり一人が自身の仕事に誇りを持ち、経営の主体性を保持し、魅力ある産業を実現し、様々な社会的要請に対応し、自らが企業や産業とともに成長できる環境づくりを目指しています。
 特に、IT業にとってワーク・ライフ・バランスを実現するためには、働き方(ワークスタイル)を見直し、長年の課題でもある長時間労働を抑制し、年次有給休暇の取得促進を効果的に進めることが必要になります。近年、働き方のトレンドとしてはダイバーシティの促進により、柔軟性の確保、多様な人材の活躍、ひいては企業の生産性向上を推進するワーク・ライフ・バランスの実現がトレンドとなっています。

*IT業界では業界団体が中心となり、長時間労働の是正に取り組んでいくとともに、テレワーク、副業・兼業、フリーランス等のワークスタイル、ライフスタイルにあった柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。
働き方改革宣言
■JISA(一社)情報サービス産業協会
■CSAJ(一社)コンピューターソフトウェア協会
■JEITA(一社)電子情報技術産業協会<ソリューションサービス事業委員会>

情報サービス業界における働き方のトレンドの図

世界のIT業界との比較

 世界各国のIT企業で働くITエンジニアは中国とインドがそれぞれ140万人を超えています。(図1)一方、今やITは企業活動の根幹ともなり、IT企業以外の企業にも多くのITエンジニアが働いています。特にアメリカでは230万人を超えています。(図2)我が国でも今後は優れたITを提供することにくわえ、ITを活用する側にも優秀なITエンジニアがいて企業のビジネスモデル改革や新たなビジネス市場の創造が期待されています。

ITサービス企業技術者数(2009年)の図、ユーザー企業技術者数(2009年)の図

資料:IPA「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」

長時間労働が中々なくならない理由

IT業界は業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や、業務における強い心理的負荷による精神障害が多い業界です。

【労災補償】
■情報サービス業
平成29年度脳・心臓疾患の労災請求件数の多い業種としてランクイン(中分類の上位15業種)
平成29年度精神障害の労災請求件数の多い業種としてランクイン(中分類の上位15業種)
平成29年度精神障害の労災支給決定件数の多い職種としてランクイン(中分類の上位15職種)

■情報処理・通信技術者
平成29年度脳・心臓疾患の労災支給決定件数の多い職種としてランクイン(中分類の上位15職種)
平成29年度精神障害の労災請求件数の多い業種としてランクイン(中分類の上位15職種)
平成29年度精神障害の労災支給決定件数の多い業種としてランクイン(中分類の上位15職種)

(厚生労働省)「平成29年度過労死等の労災補償状況」


 長時間労働の要因のひとつとして、受発注の仕組みやITエンジニアの仕事の特性によるところもあります。情報システム構築の開発プロセスには多くのIT エンジニアがシステム設計、プログラム作成、テストに従事し、その仕事の特性には次のものがあります。

●ソフトウェア開発は、複数のIT エンジニアがプロジェクト・チームで仕事を行うため、作業の進捗管理や製品の品質管理が難しく、個々人の経験やノウハウに依存する特性があります。また、企画プロセスが不十分な場合、その後の工程に影響が出て、時間外労働などが増える場合もあります。

●仕事に従事する場所は開発プロセスにより変わることがあり、自社の事業場だけではなく顧客先に常駐して業務にあたること(客先常駐)もあります。

●開発プロセスの全部もしくは一部を他のソフトウェア会社に委託(アウトソーシング)し、元請け、一次請け、二次請け等の多重下請構造になることもあります。


 いずれも、関係者のコミュニケーション不足が長時間労働の要因となり、プロジェクトの成否はプロジェクト・マネジメントと人材の総合的な能力が鍵となります。

また、平成30年版過労死等防止対策白書において、過労死等が多く発生しているとの指摘がある業種として、IT業界を個別に分析しています。労災支給決定事案からみられる要因としては、「厳しい納期」、「顧客対応」、「急な仕様変更」等、主に発注者等顧客からの要望に対応する業務が大きな比重を占めており、また、労働者に対して実施したアンケートにおいても同様に、所定外労働が発生する理由として、「トラブル等の緊急対応」、「顧客対応」、「仕様変更」、「納期・予算に無理がある」等顧客に関連する理由が多く占めていることが分かりました。

平成30年版過労死等防止対策白書本文(該当箇所:P117~P136)