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問題

生産性の基準がなく、生産性が把握できていない

勘所14

生産性の基準を設定し定量的に把握すべし。

背景

 これまではソフトウェアの生産性は、単位時間にどれだけのコードを書いたかの量で測られてきました。しかし、いまは量よりもどの様な創造的なシステムを開発したかという質的アウトプットが重要になっています。創造的な成果をあげ、質的アウトプットからみた生産性の向上をはかるには労働時間を適正に維持することが必要です。労働時間が過度に長くなると、ITエンジニアの創造性は失われ、質的アウトプットからみた生産性は低下します。
 長時間労働を改善し質的アウトプットからみた生産性の向上をはかるには、働く一人ひとりが時間に対する意識を変え、働き方を変える必要があります。「時間には限りがある」という時間意識をもち、時間制約の中で知恵と創意工夫を発揮して成果をあげることが重要です。

解決策

質的アウトプットからみた生産性の向上をはかるには、開発プロジェクトを評価する生産性基準を設定することが大切ですし、生産性基準があるかないかで長時間労働の発生リストは大きく異なります。生産性基準を設定するには、以下の対応が有効です。

解決策1

機能要件、品質要件などを基にした生産性の評価基準を設定し、定量的に把握します。 そのためには日頃から成果やプロセスの計数管理を実施していることが必要です。

解決策2

生産性を定量的に測るには様々な指標がありますが、プロジェクトマネージャがチーム内の仕事を把握し、メンバーがお互いに共有できる指標を設定することが大切です。

解決策3

生産性を測るためにはプロジェクト管理ツール等を積極的に活用することも有効です。また独立行政法人情報処理推進機構「ソフトウェア開発データ白書」や一般社団法人日本情報システムユーザー協会「ソフトウェアメトリックス調査」も参考になります。

ヒントとなる取組事例

■株式会社熊本計算センターの取組
開発ドキュメントの標準化として、ドキュメント作成規約やテンプレートを用意し、記載ルールや記載レベルを統一することにより、ドキュメント作成や製造工程の生産性向上を図るとともに、自動ログイン、ソースチェックなど開発ツールを整備し、作業時間の短縮を実現しました。

■新日鉄住金ソリューションズ株式会社の取組
プロジェクト終了後にメトリックスを収集・分析し、それをプロジェクトの見積もりやプロジェクト体制作りにフィードバックする仕組みを確立しています。システムの種類や利用したフレームワーク等が類似した事例のデータを多数蓄積することによって信頼性の高い指標を持つことができます。

■東京海上日動システムズ株式会社の取組
チームにおける早帰りを実現する取組〈炎の早帰りプロジェクト〉
 チーム内で、あえて「時間がない」という制約を設けるため毎日18:00に帰宅することとし、生産性高く働くには何が必要かを考えました。
 取組みは、1stステージとして18:00帰宅を2週間実施し、その中で得た“ムダの削減”や“仕事のやり方の見直し”の知見を共有しました。その後、生産性を高める知恵や工夫を出し合う“小技自慢グランプリ”を開催し、2ndステージとして18:00帰宅を1カ月間実施しました。
 生産性を測る基準としては、稼働率(1月あたりの基準労働時間に対する実労働時間)と1日あたりのタスク(チケット)消化率の関係を見ることとしました。お互いに意識を変え、様々な工夫をすることで、取組みを実施した1ヶ月の生産性が最も高くなりました。
 この取組のポイントは、①個人の意識、②チームの雰囲気、③仕事のやり方の工夫、④仕組みでした。特に仕組みとしては、オープンソースのプロジェクト管理ツールを活用したタスクの見える化、タスクの期限管理、タスク消化率による生産性の定量管理にあります。

活動率とチケット数・生産性(1日8時間当たりのチケット消化数)

※2017年4月1日から9月30日の間に終了日が設定されている終了時の担当者が顧客チーム社員のチケットを対象。終了日をもとに、月ごとのチケット完了数を算出した。