より良いシステムを顧客に提供することはITエンジニアとしての誇りです。
しかし、それが行き過ぎると、仕様を過度に超えた品質(つまり「過剰品質」)を作り込むということが往々にして起こります。
当然のことですが、過剰品質を作りこむには多くの時間が必要とされます。
それが長時間労働を生む大きな原因の一つなのです。
「限られた予算のなかで(お金)」「決められた期日までに(時間)」という制約のなかで、「何を」「どの様に」「いつまでに」作るのかという諸要素の組み合わせを決める。
これが開発スコープですが、「何を」に関わる品質は開発スコープのなかで決められます。
つまり実現すべき品質には絶対的な基準はなく、開発スコープのなかで相対的に、つまり予算、納期等とのバランスを考えて決められるものです。
ですから、「過剰品質」の開発は予算、納期等の他の要素に、予算を超えてしまう、納期が遅れる等の形で犠牲を強いることになります。
長時間労働はそのなかの一つの犠牲なのです。