公益社団法人トレイディングケア
(愛知県高浜市)

自治体概要

人口:49,110人 面積:13㎢(※人口一人あたり面積:0.00026㎢)
小学校数:5  中学校数:2(令和3年2月1日時点)

多文化共生社会を実現するためのバディシステム

当法人のある愛知県高浜市は、総人口のうち外国人住民比が8.5%(2019年末)で、県下上位の外国人住民の多い地域です。外国人住民の多くは、日本人との交流を望んでいますが、地域住民との接点がなく、地域社会から分断され、孤立しています。一方で地域住民の中には、外国人住民との交流に興味があるといった人達も多く存在します。
当法人は、こうした人たちをベルギーのメヘレン市での移民を受け入れる取り組みからヒントを得た「バディシステム」という仕組みを導入し、外国人住民と地域住民をつなぎ、交流を行っています。バディには、次世代を担う子ども、その親、そして健康で元気な高齢者の方々などが参加し、国籍、年代を超えた関係づくりを心がけています。

ソーシャルディスタンスを取りながら、外国の人とウォークラリー
コロナ禍以前は、みんなで集まって、ごはんを食べたり、歌ったり、踊ったり

バディシステムとは

バディシステムとは、地域住民が外国人住民のバディ(相棒)になり、地域住民と外国人住民が交流をしながら、国籍、年代を超えた関係づくりをしていくしくみです。バディは、外国人住民に日常を通して、日本の生活やルール、文化を教えます。また地域住民は、彼らの文化も教わります。バディは一方的なサポートではなく、双方向、多方向の関係となります

国、性別、年齢を超えたつながりが地域を活性化する

バディは、外国人住民との関係づくりだけではなく、地域の高齢者や子どもなど、世代を超えた交流もでき、希薄になりつつある地域社会のつながりを活性化させる役割もあります。バディシステムで作られた関係は、平時はもちろんのこと、非常時にこそ力を発揮します。外国人住民たちは、日々必要な情報の入手が困難であり、サポートが受けにくい、いわゆる「情報弱者」です。地域社会では、外国人住民に対してのサポートがまだまだ少なく、彼らはどこにサポートを求めていいかわからないといった現状もあります。しかしバディは、日常から関係づくりをしているために、外国人住民に必要な時に必要な場につなぐことがます。

老若男女、国、世代を超えた人々の笑顔が見れます。

バディさんたちの声 1

70代男性
「自宅で採れた野菜をどうぞ」まちに住む、たくさんの外国の人にどうやって知り合っていこうかと考えていたところでバディを知りました。つながっていくとおもしろい。他の市に引越しても、顔を見せに来てくれて。ここ(高浜市)が彼らの日本の実家なんだよね。いつでも帰って来れる場所があるって安心だよね。

バディさんたちの声 2

10代女の子
「もっと話をしてみたい」
ベトナムの人のバディをして、楽しかった。私のまちを一緒にまわって、どうやったら日本語が伝わるかな?と考えながらお話しました。緊張したけど、楽しかった。今度はベトナム語を練習してもっと話してみたいなぁ。

子どもバディのママから
バディをすることで子どもが成長している場面を何度も目の当たりにしています。一生懸命、伝わるように話したり、緊張しながら声をかけにいったり。
子どもの成長に感動して涙が出てくることもあります。

バディさんたちの声 3

40代女性
「ミスコミュニケーションがおもしろい」
駅で待ち合わせをしました。電車降りて待っててねと伝えたら、ずっと降りて来なくて。私は改札出口で待ち、〇〇ちゃん(外国の人)は、電車を降りた ホームで待っていた。あぁ私の日本語が下手って思ったわ。でもいろいろ話すことが楽しい。世界が広がります。

外国の方たちの声

20代 インドネシアから来日
日本のみなさんが優しくしてくれてうれしいです。
バディさんたちは、買い物に一緒にいっていろいろ教えてくれたり、きれいなところに連れて行ってくれます。バディの子どもたちは私の姉妹といっしょです。いつも私たちに勇気を与えてくれます。日本に来て、もっともっと日本が好きになりました。

30代 ベトナムから来日したご夫婦
日本の人たちと友だちとなりたい!といつも思っていました。でも、どこで友だちになったらいいかわからなかった。高浜の日本語教室にいって、バディのことを知りました。
すぐに参加しました。いっしょにまちを歩きました。そこには私たちの知らなかったまちがありました。それはとても楽しい体験でした。ベトナムから来た仲間にも教えてあげようと思います。