子どものこころと向き合う

話を聞くときのポイント

自分が悩みを抱えているとき、どんなふうに話を聞いてもらいたいですか? アドバイスをされるよりも、まずはただ「そうなんだ、それは大変だったね、つらかったね」と受け止めてもらいたいのではないでしょうか。
家族や教職員として、心配な気持ちや「○○すべき」という意見、「○○してほしい」という考えがあるのは当然でしょう。しかし、それはちょっと脇に置いて、じっくりと子どもの気持ちに共感し、受け止めることが大切です。

具体的な声かけの例

子どもが話し始めたら、まずは聞き役に徹します。自分の考えや意見を差しはさむことや、それはダメだ、違うなどと否定することは避けましょう。
子どもはどんなふうに感じているでしょうか、どんな気持ちでいるでしょうか? 子どもの気持ちに共感するとは、子ども自身の感じ方を理解するつもりで聞くことです。そして、子どもの気持ちをしっかり受け止める姿勢が大切です。自分の気持ちを理解して話を聞いてくれる相手には、信頼してこころを開いてくれるはずです。
こころの不調が感じられる場合、病気はきっとよくなるということを伝えることも大切です。また親や周囲の人間がついている、一緒に乗り越えようというメッセージも大きな支えになります。


「I(アイ)メッセージ」で話すと気持ちが伝わりやすい

声をかけるときは「I(アイ)メッセージ」で話すことを意識するとよいでしょう。「I(アイ)メッセージ」とは、「あなた」ではなく「私」を主語にして話す方法です。

「あなた」を主語した言葉は、たとえば、「あなたは最近、学校を休んでばかりね」「あなた、成績が下がったわね。どうしたの?」という具合です。相手を非難しているように響きやすいでしょう。
一方、実際に起こっていることに対して、「私」を主語に素直な気持ちを伝えると、相手を責めるのではなく、自分も一緒に考えようとする姿勢が伝わります。
たとえば、「最近、学校をよく休むので、(私は)あなたのことがとても心配なの」「成績が下がっているので、(私は)気になっているの」と伝えれば、本人が受ける印象はずいぶん変わるでしょう。


答えやすい質問の仕方を

質問するときには、「はい」「いいえ」のどちらかで答えなければならない質問や回答を迫る質問をすると、本人は責められている、強要されていると感じやすいでしょう。たとえば、「宿題はしたの?」「明日の用意はできているの?」といった質問は、プレッシャーになりやすいでしょう。

一方、「どんなふうに思う?」など、答え方が限定されない質問のほうが、相手も話しやすくなります。「WHY?」よりも「HOW?」で聞きます。たとえば「○○については、どう?」「○○のときは、どんな感じだった?」という聞き方です。

 

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