労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委平成29年(不再)第31号
昭和ホールディングス外2社不当労働行為再審査事件
再審査申立人  X1組合、X2組合 
再審査被申立人  Y1会社、Y2会社、Y3会社 
命令年月日  平成30年11月21日 
命令区分  一部変更、一部救済 
重要度   
事件概要  1 本件は,会社らが、組合らが4回に渡って申し入れた、会社らの製造工場及び事務所の所在する土地の売却等を議題とする団体交渉にいずれも応じなかったことが不当労働行為であるとして、救済申立てがされた事案である。
2 初審東京都労委は,救済申立てを棄却したところ、組合らは、これを不服として再審査を申し立てた。 
命令主文  初審命令を次のとおり変更した。
1 Y2会社及びY3会社が8月18日付け団交申入れに応じなかったことについて、Y2会社及びY3会社に文書交付を命じる。
2 その余の救済申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 争点1(Y1会社は、労組法上の使用者に当たるか)について
 Y1会社は、子会社2社(Y2会社及びY3会社)の経営について一定の支配力を有していたとはいえるものの、それは、持ち株会社としてグループ内子会社に対する経営戦略的観点から行う管理・監督の域にとどまるものといえ、その域を超えて、子会社2社の従業員の基本的な労働条件等について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配をしていたとまでは認められず、子会社2社の従業員との関係において、労組法第7条の使用者には当たらない。
(2) 争点2(会社らが本件各団交申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団交拒否及び組合に対する支配介入に該当するか)について
ア Y1会社の団交拒否について
 Y1会社は、上記.のとおり、本件会社分割後は子会社2社の従業員との関係において労組法第7条の使用者には該当しないから、その余の点について判断するまでもなく、Y1会社が本件会社分割後に組合が申し入れた団交に応じないことは、正当な理由のない団交拒否に当たるとは認められず、支配介入にも当たらない。
イ 子会社2社の団交拒否について
(ア)  8月18日付け申入書に係る団交事項について
 8月18日付け団交申入れに係る事項は、従業員の労働条件に関するものとして、義務的団交事項であると認められ、子会社2社は、本件工場等で勤務する組合員の雇用主として、本件土地売却による当時の時点における組合員の勤務地、労働条件の影響の現実的可能性の有無、事業用定期借地権の法的性質等については回答する必要があったというべきであり、子会社2社が応じなかったことは、正当な理由のない団交拒否であり、不当労働行為が成立する。
(イ) 8月27日付け申入書に係る団交事項について
 8月27日付け団交申入書に係る具体的な団交事項は、子会社2社の処分可能あるいは説明可能な事項であるとはいえないし、直接に組合員の労働条件に係る問題であるともいえないから、義務的団交事項には当たらず、子会社2社の不当労働行為は成立しない。
(ウ) 9月4日付け申入書及び9月24日付け申入書に係る団交事項について
 9月4日付け申入書及び9月24日付け申入書に係る団交事項は、いずれも子会社2社に処分可能あるいは説明可能な事項とはいえないため、いずれも義務的団交事項には当たらず、子会社2社の不当労働行為はいずれも成立しない。
ウ 会社らが、本件各団交申入れに応じなかったことは、組合に対する支配介入に該当するかについて
(ア) Y1会社について
 本件各団交事項との関係で、Y1会社は労組法第7条第2号の使用者には当たらないので、労組法第7条第3号の不当労働行為が成立する余地はない。
(イ) 子会社2社について
 本件当時労使関係が緊張状態にあった中、子会社2社は、8月18日付け団交申入れを拒むと同時に、あえて従業員宛てとしてその団交事項に係る内容について書面での回答を行うことは、組合を弱体化させるおそれがある対応というべきである。よって、子会社2社が8月18日付け団交申入れを拒否したことは支配介入に当たり、不当労働行為が成立する。
 8月27日付け、9月4日付け及び9月24日付け各団交申入れを拒否したことは、前記イ(イ)(ウ)で不当労働行為には当たらない旨判断したところ、その他に子会社2社の上記各団交申入れの対応が組合に対する支配介入となるような事実ないし事情は認められないため、不当労働行為に当たるということはできない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
都労委平成27年(不)第90号 棄却 平成29年4月4日
東京地裁令和元年(行ウ)第274号昭和ホールディングス外2社不当労働行為救済命令一部取消請求事件 一部取消 令和3年3月24日
 
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