労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  都労委平成27年(不)第90号
昭和ホールディングス不当労働行為審査事件 
申立人  X1組合、X2組合 
被申立人  Y1会社、Y2会社、Y3会社 
命令年月日  平成29年4月4日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   Y1会社は、同社及び同社の子会社であるY2会社及びY3会社(「以下「子会社2社」という。」)の土地をC社に売却し、C社と20年間の事業用定期借地契約を締結した。
 組合は、このことに伴う従業員の雇用問題について、平成27年8月18日、同月27日、同年9月4日及び同月24日の4回にわたり団体交渉を申し入れたが、Y1会社は回答せず、子会社2社は組合が掲げる議題は義務的団交事項に当たらないとして交渉に応じなかった。
 本件は、①Y1会社が労働組合法上の使用者に当たるか否か、②Y1会社及び子会社2社が団体交渉に応じなかったことが正当な理由のない団交拒否及び支配介入に当たるか否かが争われた事件である。
 東京都労働委員会は、申立てを棄却した。  
命令主文   本件申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 Y1会社の使用者性について
 Y1会社が、子会社2社の従業員の基本的な労働条件について、単なる株主としての地位を越えて、雇用主である子会社と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配力を及ぼしていると評価することはできないし、本件土地売却について組合との団体交渉に応ずるべきであったともいえない。
 したがって、Y1会社は、本件団体交渉申入れに応ずべき労働組合法上の使用者に該当しない。
2 Y1会社及び子会社2社の団交拒否について
(1) 組合が、8月18日付申入書で申し入れた「B4工場土地約1万坪の譲渡に伴う雇用問題」、8月27日付申入書で申入れた「本件土地売却によって入手する資金を、雇用と賃金労働条件の確保と改善及びその基盤となるY1会社のゴム関連の事業の強化と経営の再建強化のために使うことを明確化すること。」及びその細目等の議題は義務的団交事項に当たらない。
(2) 9月4日付申入書及び9月24日付書面による団交申入れは、いずれも8月27日付け申入れと同様の事項を議題として団体交渉を申し入れるものといえるから、これら議題は義務的団交事項に当たらない。
(3) したがって、組合が申し入れた団体交渉にY1会社及び子会社2社が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否にも、組合に対する支配介入にも当たらない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成29年(不再)第31号 一部変更、一部救済 平成30年11月21日
東京地裁令和元年(行ウ)第274号昭和ホールディングス外2社不当労働行為救済命令一部取消請求事件 一部取消 令和3年3月24日
東京高裁令和3年(行コ)第108号 棄却 令和4年1月27日
最高裁令4年(行ツ)第172号・令和4年(行ヒ)第179号 上告棄却・上告不受理 令和4年8月9日
 
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