労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  中外臨床研究センター 
事件番号  都労委平成21年(不)第117号 
申立人  東京・中部地域労働者組合 
被申立人  株式会社中外臨床研究センター 
命令年月日  平成23年5月10日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人会社で平成21年12月31日までの1年を雇用期間とする雇用契約に基づき契約社員として就労していたX2は、同年12月3日及び9日、会社から契約期間を6か月とする新たな雇用契約を提示され、それを契機に申立人組合に加入した。本件は、会社が(1) X2の雇用等を議題とする団体交渉に応じていないこと、(2) 新たな雇用契約書にX2が署名しなかったことを理由に同人を雇止めとしたことは不当労働行為に当たるか否かが争われた事案である。
 東京都労委は、誠実団交応諾、文書掲示及び履行報告を命じ、その余の申立てを棄却した。  
命令主文  1 被申立人株式会社中外臨床研究センターは、申立人東京・中部地域労働者組合が、平成21年12月16日付けで申し入れたX2の雇用等を議題とする団体交渉に、誠実に応じなければならない。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に、下記文書を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
年  月  日
東京・中部地域労働者組合
委員長  X1 殿
株式会社中外臨床研究センター
代表取締役 Y1       

 当社が、貴組合からの平成21年12月16日付団体交渉申入れに応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。
 (注:年月日は文書を掲示した日を記載すること。)

3 被申立人会社は、前各項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
4 その余の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 会社が団体交渉に応じなかったことについて
 被申立人会社は、業務多忙であり、申立人組合のあまりに性急な申入れに対し、にわかに対応することが困難であったため、回答猶予を求めたにすぎず、団体交渉を拒否したものではないと主張する。しかし、会社は、組合に対して、業務多忙である旨を抽象的に挙げるのみで、その事情について誠実に理解を得ようとした事実は認められない。また、組合と事前協議などを行ってX2の雇用について事実上の調整に応じようとした事実も認められないばかりか、かえって、書面以外でのやり取りは拒否する旨を組合に通告した事実が認められる。さらに、組合が、団体交渉の開催が平成22年1月以降になった場合、X2のこれまでの雇用形態が継続されたものとして取り扱うよう求めたのに対し、これを当を得ないものとして一蹴している。これらの事実からは、会社が問題の本質的な解決のために時間をかけて対応を検討するなど、組合の要求に真摯に対応しようとしていたとみることは到底できない。
 会社は22年1月以降の回答において、繰り返し組合の法適合性への疑問を呈するとともに、組合からの交渉日時等に関する提案について全く応じられないとする一方、自ら具体的な提案を行った事実は認められない。これらの回答からは、団体交渉に応じようという姿勢は見られず、結局、会社は実質的に団体交渉を拒否したものということができる。
2 契約期間満了による雇止めについて
 会社が22年1月以降のX2の雇用についての方針を決定し、同人に提案したのは、同人が組合に加入する日よりも前のことであるから、その時点において会社が同人を組合員であると認識することはあり得ないことである。したがって、会社が同年6月30日をもって雇止めとする旨の雇用契約を提示したことがX2の組合加入又は組合活動とかかわりがあるということはできない。
 また、組合が団体交渉を申し入れた後に、会社が殊更にX2の組合加入を問題にしたことや同人の組合活動を理由に雇止めの方針を維持したことを裏付けるに足りる事実は認められない。
 したがって、X2の雇止めが同人の組合加入又は組合活動を理由とする不利益取扱いないし組合の運営に対する支配介入に当たるとまでいうことはできない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成23年(不再)第44・45号 棄却 平成25年1月16日
東京地裁平成25年(行ウ)第135号(甲事件)、(行ウ)第359号(乙事件)  棄却 平成27年7月10日
東京高裁平成27年(行コ)第281号 棄却 平成28年1月14日
最高裁平成28年(行ツ)第169号・平成28年(行ヒ)第179号 上告棄却・上告不受理 平成28年7月21日
 
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