概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(水戸動労不登用) |
事件番号 |
中労委平成12年(不再)第17号
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再審査申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査被申立人 |
個人X2外14名 |
再審査被申立人 |
国鉄水戸動力車労働組合 |
命令年月日 |
平成17年12月21日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、国鉄において運転士資格を取得した組合員X2ら15名を運転士に発令しないことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、茨城県労委は、平成9年6月1日付けでX2ら15名を運転士に発令したものとして取り扱い、運転士として就労させること、組合運営への支配介入の禁止を命じ、その余の申立ては棄却した。 会社は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、初審命令主文を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 Ⅰ 初審命令主文第1項及び第3項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人は、再審査被申立人X2、同X3、同X4、同X6、X7、X8、X9、 X10、X11、X12、X13、同X14、X16を平成9年6月1日付けで運転士に 発令したものとして取り扱い、本命令交付後、必要であれば再訓練を行い、遅滞なく運転 士として就労させなければならない。 2 再審査被申立人X5及びX15の救済申立てを却下し、この両名を除く再審査被申立人 らのその余の救済申立てを棄却する。 Ⅱ その余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3700 使用者の認識・嫌悪
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社は、運転士未発令者から運転士への発令は勤務成績によって行ったと主張するが、人事考課の結果等勤務成績を直接明らかにする資料を会社は一切提出しないなど発令の合理性について疎明があるとはいえず、かえって、発令についてみると、(1)組合員の発令者は皆無であること、(2)未発令者は組合員に集中していること、(3)組合脱退者は発令されていること、(4)発令者の中にも処分歴のあるものが存在すること、という事実があり、発令(選抜)の合理性を認めるわけにはいかず、X2ら13名を運転士に発令しないことは組合員に対する不利益取扱いであるとともに、組合嫌悪の念から発したものというほかなく、組合の弱体化を企図したものと認めざるえないので、労組法第7条第1号及び第3号に該当するとした初審判断は相当であるとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
組合員らは平成9年6月1日付けでの救済を求める意思が明らかであるので、当該日付で未発令者を運転士として発令したものとして取り扱い、遅滞なく運転士として乗務させることを命じられた例。
5142 申立意思の放棄
組合員X5及びX15の救済申立取下書が提出されたことは、労委規則第33条第7号により同人らの申立てを維持する意思を放棄したものと認められ、同人らの救済申立てを却下するとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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