概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(水戸動労不登用) |
事件番号 |
茨城地労委 平成 9年(不)第8号
|
申立人 |
国鉄水戸動力車労働組合他15名 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成12年 2月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、会社が、運転士発令において、運転士発令の事実上の前提となっている車掌経験者のうち組合員2名だけを運転士に発令しなかったこと、また、運転士資格を有する組合員13名を車掌にすら発令しなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、会社に対し、(1)組合員15名を運転士に発令したものとしての取扱い、及び、運転士として就労させること、(2)運転士発令において、組合に属することを理由に差別的取扱いを行うことによる支配介入の禁止を命じ、その余の申立ては(文書掲示等)棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7、同X8、同X9、同X10、同X11、同X12、同X13、同X14、同X15及び同X16を平成9年6月1日付けで運転士に発令したものとして取り扱い、運転士として就労させなければならない。 2 被申立人は、運転士発令において、申立人国鉄水戸動力車労働組合に所属する組合員に対して差別的取扱いを行うことによって、同組合の運営に支配介入してはならない。 3 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
人材活用センターへの配置は、持てる技術や技能を生かせる仕事も与えられず、新たな業務に就くための教育も行われなかったことが窺われ、その目的は、国労等の組合員を他の職員から切り離すと共に分割・民営化に反対する組合員に雇用不安と動揺を与えるという意味をもっていたとされた例。
3700 使用者の認識・嫌悪
会社は、国鉄と同様に分割・民営化に協力してきた現在の東鉄労と分割・民営化に反対してきた組合員らを峻別し、その組合及び組合員を嫌悪し、組合の弱体化を意図していたとされた例。
1200 降格・不昇格
3700 使用者の認識・嫌悪
国鉄および会社は、昭和62年3月から平成6年10月までに行った運転士発令において、国鉄の分割・民営化反対運動を積極的に行ってきた組合及び組合員を嫌悪し、その組合員を運転士に発令しなかったことは、不当労働行為意思の下に行われたものであるとされた例。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集116集383頁 |
評釈等情報 |
 
|