労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  光仁会 
事件番号  長崎県労委平成16年(不)第9号 
申立人  全国一般労働組合長崎地方本部長崎地区合同支部 
被申立人  医療法人光仁会 
命令年月日  平成18年 6月 5日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  本件は、夏季一時金交渉中に組合が病院敷地内に組合旗を掲揚したところ、病院が、(1)組合旗の撤去を要請したり、日の丸の掲揚や横断幕の掲示、ビラ配布等を行ったこと、(2)組合旗の掲揚等を理由として、組合分会長を停職3箇月の懲戒処分に付したこと、(3)同懲戒処分に関して、事前に組合から申入れのあった団体交渉を拒否し、事後に開催された団体交渉において誠実に対応しなかったことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。
 長崎県労委は、本件申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判定の要旨  0211 その他の組合活動
1400 制裁処分
組合が組合旗を掲揚したことを理由に病院が分会長X1に対して懲戒処分を行ったことは不利益取扱いであると組合は主張するが、組合は、病院が、経営状況が厳しい中、病院の存続を図るため前理事長の破産管財人から土地・建物を買い取ろうとしていたことを知りながら、団体交渉中に組合旗を掲揚したのであり、本件組合旗の掲揚に、組合活動としてやむを得ない必要性を認めることはできず、これをもって正当な組合活動とは認められないので、本件懲戒処分は不利益取扱いの問題とはなり得ないとされた例。

2249 その他使用者の態度
2305 労働協約との関係
組合と病院の間に、懲戒処分にかかる事前協議を定める労使協定の存在は認められないことから、病院が処分前に団体交渉に応じなければならないものではなく、また懲戒処分を議題とする処分後の団体交渉においては、病院が経営状況や組合旗掲揚によるダメージ、X1の処分理由などについて説明を行っていることから当該団体交渉が不誠実であるとまではいえず、病院の対応は労組法第7条第2号に該当しないとされた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合は、組合旗掲揚期間中に病院が行った行為が、組合弾圧及び組合への支配介入に当たると主張するが、病院が組合による組合旗掲揚後、組合へ組合旗撤去の要求をしたこと、組合は労組法第7条第3号に規定する支配介入の不当労働行為であるとのより具体的な主張及び疎明を行わなかったこと等を総合的に勘案したとき、本件病院の行為は労組法第7条第3号に規定する不当労働行為であるとは認められないとされた例。

業種・規模  医療業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
中労委平成18年(不再)第39号 一部変更 平成19年9月19日
東京地裁平成19年(行ウ)第680号 棄却 平成21年2月18日
東京高裁平成21年(行コ)第121号 棄却 平成21年8月19日
最高裁平成21年(行ツ)第356号・平成21年(行ヒ)第467号 上告棄却、上告不受理 平成22年9月2日
 
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