概要情報
		
			
				| 事件名 | 東海旅客鉄道 | 
			
				| 事件番号 | 大阪府労委平成15年(不)第20号 
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				| 申立人 | ジェイアール東海労働組合 | 
		
			
				| 申立人 | ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部大阪第二運輸所分会 | 
		
			
				| 被申立人 | 東海旅客鉄道株式会社 | 
			
				| 命令年月日 | 平成18年 3月20日 | 
			
				| 命令区分 | 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) | 
			
				| 重要度 |  | 
			
				| 事件概要 | 本件は、会社が、①分会の掲示板から掲示物を撤去したこと、②掲示物撤去にかかる地方苦情処理会議を開催しなかったこと、③列車遅延事故等を起こした乗務員の再乗務に際し行われる「フォロー試験」について、組合間差別を行ったこと、④セキュリティ対策として設置しているカメラの角度を変えたことを理由に組合の分会長を訓告処分に付したことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。 大阪府労委は、会社に対し、①分会長に対する訓告処分がなかったものとして取扱うこと及び同訓告処分を理由に年末一時金から減額した金額を支払うこと、②分会長に対する訓告処分及び掲示物撤去に関する文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。
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				| 命令主文 | 1 被申立人は、申立人ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部大阪第二運輸所分会組 合員X1に対する平成14年9月6日付け訓告処分をなかったものとして取り扱い、同組合員 に対し、同年年末一時金から同訓告処分を理由として減じた額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
 
 記
 
 年 月 日
 
 ジェイアール東海労働組合
 中央執行委員長 X2 様
 
 ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部大阪第二運輸所分会
 分会長     X3 様
 
 
 
 
 東海旅客鉄道株式会社
 代表取締役 Y1
 
 
 当社が行った下記の行為は大阪府労働委員会において労働組合法第7条第1項及び第3項に該当する不当労働行為であると認められました。
 今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
 
 (下記略)
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				| 判定の要旨 | 0200 宣伝活動 3020 組合活動への制約
 会社による組合掲示板の掲示物撤去は、基本協約に定める正当な撤去権限の範囲を超えているところからすると、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
 
 0200 宣伝活動
 3020 組合活動への制約
 組合掲示板に掲示した掲示物の一部には、個人の名誉毀損の観点から正当な組合活動の範囲を超えていると認められるから、会社がこれらの掲示物を撤去したこと、及び組合が主張する掲示物撤去の事実が認められない組合の申立てが棄却された例。
 
 3106 その他の行為
 地方苦情処理会議の開催は労使幹事の事前審理による合意を要するところ、掲示物撤去に係る苦情申告に対して会社側幹事が事前審理において、組合掲示物の内容が基本協約に違反するか否かは会社の判断事項と解されることを理由に合意に至らなかったため処理会議が開催されたものと認められ、会社が処理会議を開催しないことにより改めて支配介入を行ったとはいえないとされた例。
 
 1604 その他
 3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
 事故等を起こした乗務員の再乗務に際して行われるフォロー試験については、組合員であるか否かにより取扱いに差異がなく、業務に関連する内容のフォロー試験の実施に合理性が認められ、会社のフォロー試験に関する取扱いをもって不当労働行為といえないとされた例。
 
 1400 制裁処分
 会社はセキュリティー対策として設置しているカメラの撮影角度を変えたことを理由に分会長X1を訓告処分に付しているが、X1が非違行為を一貫して否認しているにもかかわらず、根拠を示さないまま処分を行い、同人の平成14年年末一時金を減額したことは、同人の組合活動等を理由に不利益に取扱い、もって組合の弱体化を企図したものといわざるを得ず、労組法第7条第1号及び第3号に該当するとされた例。
 
 
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				| 業種・規模 | 鉄道業 | 
			
				| 掲載文献 |  | 
			
				| 評釈等情報 |   
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