概要情報
事件名 |
エッソ石油(東京) |
事件番号 |
中労委昭和63年(不再)第50号
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再審査申立人 |
X1 |
再審査申立人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合 |
再審査被申立人 |
エクソンモービル有限会社 |
命令年月日 |
平成17年 4月 6日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、昭和51年6月7日付で、組合の下部組織である本社支部の書記長ら4名を懲戒解雇したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。初審東京都労委は、救済申立てを却下した。 組合はこれを不服として、組合と4名のうちの書記長X1個人が再審査を申し立てたが、中労委は、本件再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
0420 その他の争議行為
0421 幹部責任
1400 制裁処分
組合の支部が50年春闘の2か月余の間に、会社本社の入居しているビルの玄関ガラスドアに断続的に11回にわたって組合旗を貼付したため、ビルの使用細則に違反するとして再三警告、注意したうえ、ビルの管理者が決まりにより撤去する旨述べた上で撤去しようとしたところ、支部役員X1らが実力をもって妨害したこと、支部が指摘する他の行為との対応の軽重、当否を比較するまでもなく、組合旗の貼付が甚だしい行き過ぎであることは明らかであること、会社とビルの管理責任者が意を通じて組合を嫌忌していたと認めるに足る疎明もないことから、支部役員がその行動により懲戒解雇責任を問われてもやむを得ないと判断した初審命令が誤っているとの支部の主張は採用できないとされた例。
0200 宣伝活動
0420 その他の争議行為
0421 幹部責任
0202 会社施設の利用
1400 制裁処分
組合の支部が50年春闘において、会社本社の入居しているビルの6階エレベーターホール壁面に6,600枚のビラを貼付したため、会社が再三警告、注意したうえ、会社が自ら撤去したことは対抗手段として是認でき、ビラ貼付が組合本部の指令によるとしても、組合支部がその責任と権限において会社の本社が入居しているビルにおけるビラ貼付を計画、実行したものと認められ、それに対する支部役員の企画・指揮責任が問題とされるのは当然であり、同行為が正当な争議権の行為に当たるとは到底評価できず、会社が懲戒解雇処分をもって対応したとしてもやむを得ないものとした初審命令の判断は結論において相当であるとされた例。
0200 宣伝活動
0420 その他の争議行為
0416 暴力の行使等
組合支部の「朝ビラ」配布は組合本部の指令により行われているが、具体的な計画と指揮は支部の権限と責任において行われており、会社本社の入居するビルの玄関付近でビラを配布していた書記長X1らが、別組合の組合役員に対して別組合を糾弾する発言を行い、暴力を振るっていることは最高裁の判決で確定しており、組合と別組合が鋭く対立していた事情をがあったからといって、別組合の組合役員らの会社への入構を実力をもって妨害したり、ましてや暴力を振るう行為は正当な組合活動とはいえず、組合の主張は採用できないとされた例。
0416 暴力の行使等
0600 暴力行為
1400 制裁処分
組合支部が会社の入居しているビルのエレベーターホールに貼付したビラを撤去しようとしたビルを管理する警備員と支部役員がトラブルとなり、その過程で支部書記長が暴力を振るったことは正当な組合活動に当たらず、X1のこの行為は懲戒解雇の事由とされてもやむを得ないというべきであり、さらに、会社がアルバイトによるビラ撤去作業を行わせることに問題はなく、組合とのトラブルに際し警備員が組合員に対して暴力行為をしたとの疎明もないこと等から、これらに係る組合の主張はいずれも採用できないとされた例。
0416 暴力の行使等
0600 暴力行為
1400 制裁処分
会社は組合の支部書記長X1らを懲戒解雇する前に、団交でこれらの行為を繰り返さないよう申し入れたり、警告書を発するなど、相当な手続を経た上で決定しており、X1の懲戒解雇事由とされた行為が明らかに正当な組合活動の範囲を著しく逸脱し、十分な懲戒解雇事由を備えていると判断できること、会社が組合の弱体化を目的としてあえてX1の懲戒処分を行ったとも認められないこと等から、会社が同人を就業規則に基づき懲戒解雇処分に付したことをもって、不当労働行為に当たるとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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