概要情報
事件名 |
イチモリ |
事件番号 |
中労委 平成15年(不再)第8号
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再審査申立人 |
有限会社イチモリ |
再審査被申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
命令年月日 |
平成15年11月 5日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、平成13年1月17日付けで発した中労委命令のうち、イチモリを相手方とする組合員の解雇及び団交拒否に関する救済申立てを却下した部分を取り消した判決が確定したことに伴い、中労委が審査を再開した事件で、中労委は、本件再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2130 雇用主でないことを理由
イチモリの代表者が一森の代表者を兼ねていること、イチモリは一森が生コン運送事業を遂行するに当たり使用していた土地やミキサー車等をそのまま引き継いでいること、イチモリ設立後、X1ら2名を初めとする一森に採用された生コン運転手らの給料等の支払やX1ら2名に対する解雇通告書がイチモリ名義で行われていること等からすれば、イチモリが全く実体のない会社であるとはいえず、また、イチモリは、X1ら2名を初めとするイチモリに採用された生コン運転手らについて、イチモリの業務に従事させていたのであるから、使用者としての地位にあったのであり、X1ら2名に対する解雇及びこれらに関連する組合からの団交申入れについて、イチモリは労組法上の「使用者」に当たると認められた例。
1700 偽装解散
イチモリの代表者であるY1が、イチモリ設立時から労働組合を意識した発言をしていたこと、組合から過積載などの運送業の違法を指摘されたわずか数日後にイチモリの解散を決意し、直ちにX1ら2名を除くイチモリの生コン運転手全員を企業組合に移籍させ、同人らを解雇したこと等に照らせば、X1ら2名に対する解雇は、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
2121 被解雇者
イチモリは、イチモリが解散した以上、労使関係は存在しない等として団交に応じていないが、組合がX1ら2名に対する解雇を争い、同人らの解雇撤回等を求めてこれを議題とする団交を申し入れているのであるから、未だイチモリと組合との間の労使関係は存在しているというべきなのであって、イチモリにはこれに応じるべき義務があり、これに一切応じていないイチモリの行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
4505 その他
本件における救済については、本件における事情に鑑みれば、イチモリに対して、X1ら2名に対する解雇をなかったものとして取扱うこと並びにYら2名に対する解雇及びこれらに関連する組合からの団交申し入れの拒否について、文書手交を命ずることが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2004年 3月10日 1023号 34頁 
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