事件名 |
千石外3社 |
事件番号 |
中労委 平成 9年(不再)第25号
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再審査申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
再審査申立人 |
有限会社イチモリ |
再審査申立人 |
大阪輸送企業組合 |
再審査申立人 |
株式会社一森 |
再審査被申立人 |
株式会社一森 |
再審査被申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
再審査被申立人 |
有限会社イチモリ |
命令年月日 |
平成13年 1月17日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
①建築資材販売等を営む千石、千石を荷主として生コン運送業務を
行っていた一森及び一森の代表取締役が設立したイチモリを相手方として、分会員X1らの解雇等に関する団交拒否、並びに、②
生コン運転手で組織する企業組合、千石及びイチモリを相手方として、X2ら3名が分会に加入した際に申し入れた団交拒否及び
企業組合の同人らに対する就労拒否が争われた事件で、①一森及びイチモリに対して、X1ら2名の解雇がなかったものとしての
取扱い及びバックペイ(年5分付加)、文書手交を、②一森に対してX1らの解雇等についての団交応諾を、X2ら3名の就労拒
否がなかったものとしての取扱い、バックペイ(年5分加算)、文書手交を命じ、その余の申立てを却下した初審命令を変更し
て、一森に対して分会員2名の解雇がなかったものとしての取扱い、バックペイ(年5分加算)、X1らの解雇等についての団交
応諾、文書手交を命じ、千石、イチモリに対する申立てを却下し、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文を次のとおり変更する。
1 株式会社一森は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部千石分会の組合員X1及びX2に対する平成5年4月
27日付け解雇がなかったものとして取り扱い、同人ら各自に対し、解雇の翌日から就労させるまでの間、同人らが得たであろう
賃金相当額及びこれに各月分の賃金支払日の翌日から支払済みまで年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。
2 株式会社一森は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の平成5年5月26日付けの団体交渉申し入れ書による
団体交渉申入れに対し、速やかに応じなければならない。
3 株式会社一森は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならな
い。
記
年 月 日
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 X3 殿
株式会社 一 森
代表取締役 Y1
下記の行為は、中央労働委員会において、労働組合法第七条第一号、第二号及び第三号に該当する不当労働行為であると認め
られました。
今後このような行為を繰り返さないようにします。
(1)貴組合員X1及びX2を平成5年4月27日付けで解雇したこと。
(2)貴組合から平成5年5月26日付け団体交渉申入れ書で申入れのあった団体交渉に応じなかったこと。
4 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の株式会社千石及び有限会社イチモリに対する救済申立てを却下し、その
余の救済申立てを棄却する。
II その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4916 企業に影響力を持つ者
X1ら2名の解雇は、一森の代表者の労働組合に関する発言、イチモリ解散の時期等からすると、同人が分会の結成を嫌い、無免
許営業、過積載等の違法状態を解消することを口実にイチモリを解散し、もって同人らを解雇したものというべきであり、一森に
よる労働組合法第7条第1号及び第3号の不当労働行為であるとされたれい。
4916 企業に影響力を持つ者
千石が本件生コン運転手らの労働条件や労務管理上の指揮監督を通して、X2ら3名の労働条件について実質的な支配力ないし影
響力を行使していたとは認められず、また、企業組合は千石、一森及びイチモリとは全く別個の独立した法人としての実態を有し
ており、千石が企業組合における本件生コン運転手らの処遇や労務管理等について支配力ないし影響力を行使できる立場にあった
とはいえないから、千石に対するX2ら3名に対する就労拒否に係る救済申立ては、却下するとされた例。
4908 営業譲渡後の譲受人
千石は本件生コン運転手らの労働組合法上の使用者ではないから、千石に対するX1ら2名の解雇等に関する団交申入れに係る救
済申立ては、却下するとされた例。
1401 労務の受領拒否
企業組合のX2ら3名に対する就労拒否は、企業組合員が同人らは同組合に組合員として加入した者であり従業員として雇用した
ものではないとしていたのに対し、X2ら3名は従業員としての就労を求める態度であったために行われたものであり、同人らが
分会に加入したことを嫌悪してなされたものということはできないとされた例。
4908 営業譲渡後の譲受人
一森の代表者が、本件生コン運転手に対しイチモリとの間の雇用関係に遺構することについて明確な説明も必要な手続きも行って
いない等の事情の下あって、X1ら2名の解雇等に関する団交申し入れは本件生コン運転手らの使用者である一森に対して行われ
たものであり、一森としてその申し入れに応ずるべきものであるから、一森がこれに応じないことは、労働組合法第7条第2号の
不当労働行為にあたるとされた例。
4908 営業譲渡後の譲受人
イチモリはX1ら2名の使用者ではないから、イチモリに対するX1ら2名の解雇等に関する団交申し入れに係る救済申し立て
は、却下すべきであるとされた例。
4908 営業譲渡後の譲受人
X2ら3名が分会に加入した際の団交申し入れは、千石に対してのみなされており、イチモリ及び企業組合には行われておらず、
千石は同人らの労働組合法上の使用者に該当しないから、同団交申し入れに対する救済申し立ては、却下するとされた例。
4908 営業譲渡後の譲受人
本件生コン輸送に関して、千石とイチモリ及び一森は非常に緊密な関係にあったことはうかがわれるが、千石が、一森及びイチモ
リの本件生コン運転手らの賃金の決定等の労働条件や労務管理上の指揮監督を通して同人らの労働条件について実質的な支配力な
いし影響力を行使していたという事実は認められず、千石は、本件生コン運転手らの労働組合法上の使用者であるとわいえないと
された例。
4908 営業譲渡後の譲受人
イチモリの設立によって本件生コン運転手らとの労働関係において変更が生じたのは給与等の振込に当たって一森に代えてイチモ
リの名義が使用されるようになったことのみであり、一森の代表者はイチモリとの間の雇用関係に移行することについて必要な措
置も手続きお行っていないことからすると、本件生コン運転手らの使用者はイチモリ設立後も依然一森であり、イチモリは、X1
ら2名との関係において使用者に当たるとはいえないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
別冊 中央労働時報1254号306頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2001年5月 983号 16頁
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