概要情報
事件名 |
明治乳業 |
事件番号 |
中労委 平成 8年(不再)第39号
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再審査申立人 |
X1外31名 |
再審査被申立人 |
明治乳業株式会社 |
命令年月日 |
平成14年 1月 9日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、申立外組合支部の組合員32名を支部の他組合員と差別して昇給・昇格を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、東京地労委は、申立てを却下又は棄却した。 組合員32名は、これを不服として再審査を申立てたが、中労委は、初審命令を一部変更したほかは、再審査申立てを却下又は棄却した。 |
命令主文 |
初審命令を次のとおり変更する。 再審査申立人X1、同X2及び同X3の救済申立て並びに同3名を除く再審査申立人29名の昭和55年度ないし昭和58年度における昇給・昇格差別に係る救済申立てを却下し、その余の救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
5201 継続する行為
排斥期間について、仮に会社が各年度の昇給又は昇格に関する人事考課において、組合員の正当な組合活動を理由として、低く査定した場合、その差別的取扱いの意図は、当該年度の賃金支払い又は格付けにより具体的に実現されるものであり、各年度における会社の賃金又は昇格決定行為とこれに基づく賃金支払又は格付けは一体として一個の不当労働行為を構成するというべきであるから、賃金支払又は格付けが行われている限り、不当労働行為は継続することとなり、最後の賃金支払時又は次期昇格決定行為に基づく格付けの初日の前日から1年以内になされた救済申立ては、労働組合法第二七条第二項の定める期間内になされた適法なものであるとされた例。
4838 申立ての承継
5147 その他
再審査申立て後、再審査申立人のうち4名が死亡し、うち3名については、労働委員会規則第三四条第一項第七号の定める救済申立承継の申出をなしうる期間に承継の申出がなされなかったことにより、同3名については審査の対象とならないとされた例。
1200 降格・不昇格
1202 考課査定による差別
(1)新職分・賃金制度導入については、その趣旨、内容の公平性、明確性及び制度導入に当たっての手続の経過を考慮すると、会社が再審査申立人らに対して昇給・昇格差別を行う意図をもって制度を導入したとは認められないこと、(2)移行格付試験については、会社が再審査申立人らを排除して試験を実施したとは認められず、再審査申立人らが自らの意思で試験を受験しなかったものであること、(3)新人事考課制度による再審査申立人らの人事考課については、会社が再審査申立人らに対して人事考課制度を恣意的に運用したとは認められないことから、会社が他の組合員と差別して昭和59年度及び60年度の昇給・昇格を行い、組合支部の運営に支配介入したとはいえないとして、再審査申立てが棄却された例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集122集864頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2002年6月10日 999号 11頁 
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