概要情報
事件名 |
本四海峡バス(懲戒処分等) |
事件番号 |
兵庫地労委 平成12年(不)第6号
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申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方神戸支部 |
被申立人 |
本四海峡バス株式会社 |
命令年月日 |
平成13年11月20日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、①職場秩序維持違反等を理由に副分会長らを出勤停止処分としたこと、②副分会長に転勤を命じたこと、③不利益な扱いを示唆して全港湾からの脱退勧奨を行ったこと、④組合事務所及び組合掲示板を貸与しないことが争われた事件で、①出勤停止処分の取消し及びバックペイ、②転勤命令の取消し及び原職復帰、③支配介入禁止、④組合事務所の貸与を命じ、その余の申立は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人本四海峡バス株式会社は、申立人全日本港湾労働組合関西地方神戸 支部の組合員X1及び同X2に対してなした平成12年5月12日付け各出勤停止 処分並びに同月22日付け各出勤停止処分をいずれも取り消し、同各処分がな かったならば同人らが受けるはずであった賃金相当額と既に支払った賃金の額 との差額を支払わなければならない。 2 被申立人本四海峡バス株式会社は、申立人全日本港湾労働組合関西地方神戸 支部の組合員X1に対してなした平成12年6月5日付け転勤命令を取り消し、 同人を原職(徳島営業所運転士)に復帰させなければならない。 3 被申立人本四海峡バス株式会社は、申立人全日本港湾労働組合関西地方神戸 支部の組合員に対し、申立外全日本海員組合以外の労働組合を認めない旨を表 明するなどして、同組合の運営に支配介入してはならない。 4 被申立人本四海峡バス株式会社は、申立人全日本港湾労働組合関西地方神戸 支部に対し、申立外全日本海員組合に貸与しているのと同等の事務所を速やか に貸与しなければならない。 5 その余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0110 結成行為の範囲とされた例
1401 労務の受領拒否
組合員2名に対する出勤停止処分は、いずれも処分の正当性が認められず、いったんは全港湾を脱退する意思を表明した2名が、最終的に全港湾を脱退しない旨表明してから間もないことに行われたものであること、しかも、2名が一度は全港湾を脱退する意思を表明しながら、その意思表明を撤回して全港湾に留まったことに対する報復としてなされた不利益扱いであり、また、全港湾の影響力を排除する目的で実行された支配介入であるから、労働組合法第7条第1号及び第3号にに該当するとされた例
1300 転勤・配転
副分会長に対する転勤命令は、申立外組合の会社に対する影響力が強化され、同組合に所属していた組合員が会社の代表取締役専務に就任するなど会社の新体制が発足して以降、全港湾と会社との対立が鮮明になってきた時期で、しかも各出勤停止処分の直後に転勤命令が突然発令されたこと、転勤命令により同人が受け取る乗務員手当等の額が大幅に減少したこと、同人自宅からの通勤を事実上困難にしたこと及び同人が全港湾の中心的な活動家であったことを併せ考えると、転勤命令は、同人が分会の服分会長であることを嫌悪して、同人が全港湾に留まったことへの報復としてなされた不利益取扱いであり、労働組合法第7条第1号に該当するとされた例。
1300 転勤・配転
会社が全港湾の組合員に対して行った新路線の乗務から排除する言動等は、全港湾の存在と活動を嫌悪し、その排除を図る意図の下に行われた一連の行為であり、全港湾の組合員に対する脱退観奨行為に該当し、労組法第7条第3号に該当する行為であるとされた例
1300 転勤・配転
会社が申立外組合に対して組合事務所を貸与しているにもかかわらず、全港湾に対して拒否していることは、全港湾との労使関係を一貫して拒否し続けた態度の表れであり、労組法第7条第3号に該当する行為であるとされた例
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合掲示板の設置については、会社と申立外組合との間の労働協約において、その設置が合意されたのは分会が結成される以前のことであり、実際には、申立外組合、全港湾のいずれに対しても設置場所が提供されていないことから、両組合間に取扱い上特別な差異がなく、不当労働行為に当たらないとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社が行った組合員2名に対する出勤停止処分に対する救済としては、会社に対し、出勤停止処分をその決定時点に遡ってなかったものとするとともに、出勤停止処分がなかったならば、受けるはずであった賃金相当額と既に支払った賃金との差額の支払を命ずるのが相当であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社は、申立外組合以外の労働組合を認めないと明言していることから、今後も脱退観奨による支配介入を行う蓋然性が高いので、会社に対し、支配介入の禁止を命ずるとともに、組合事務所の貸与問題に関しては、申立外組合と差別することなく、全港湾に対しても組合事務所を貸与することを命じるのが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
水運業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集121集277頁 |
評釈等情報 |
 
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