労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  南労会(懲戒解雇等) 
事件番号  大阪地労委平成 7年(不)第41号 
申立人  全国金属機械労働組合港合同南労会支部 
申立人  全国金属機械労働組合港合同 
被申立人  医療法人南労会 
命令年月日  平成10年 2月27日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、病院が、支部組合員らが勤務時間変更、診療所看護科の婦長職導入に反対する活発な活動を行っている状況下で、(1)執行委員X1が、診療介助業務中の婦長の腰部を殴打し、診療を一時中断させたことを理由に懲戒解雇したこと、(2)副委員長X2が、組合の要請行動の際に婦長の臀部につかみかかり、これを注意した事務次長に暴行を働いたこと等を理由に7日間の出勤停止処分としたこと、(3)分会長X3ら5名が、医師一人を取り囲んで行き過ぎた要請行動を行った上、これを阻止しようとした事務長らともみ合いになったこと等を理由に減給処分としたこと、(4)上記(1)乃至(3)の処分を決める賞罰委員会開催に当たり、事前の団交申入れを拒否したこと等が争われた事件で、大阪地労委は、執行委員X1に対する懲戒解雇の取消しとバックペイを命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人ら組合員X1に対し、平成7年6月2日付けで行った懲戒解雇がなかったものとして取り扱い、同日から就労させるまでの間、同人が就労しておれば得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。
2 申立人らのその他の申立ては棄却する。 
判定の要旨  0600 暴力行為
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
病院が、執行委員X1に対し、診療業務介助中の婦長の腰部を殴打し、診察を一時中断させたことを理由に懲戒解雇としたことは、その後の診察が継続されたこと、X1の行為が診察自体の妨害を意図して行われたとは認められないこと、同時に処分が決定された他の者と比較して処分が重いこと、及び当該行為を行った直後のX1に対する理事長の発言も併せ考慮すると、同人及び組合らの組合活動を嫌悪する余り懲戒処分の相当性の範囲を超えた処分を課したものであり、労働法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に該当するとされた例。

0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
1401 労務の受領拒否
病院が、副執行委員長X2に対し、組合の要請行動の際に婦長の臀部につかみかかり、これを注意した事務次長に暴行を働いたこと及びX3分会長ら5名とともに医師一人を取り囲んで要請行動を行った上、これを制止した事務長らともみ合いになったこと等を理由に7日間の出勤停止処分としたことは、X2らの行為が正当な組合活動の範囲を逸脱するものと判断され、X2の行為は当該行為に加わった他の組合員の行為と比較して情状が重いと認められることから、当該処分には理由があり、病院の組合嫌悪を考慮しても不当労働行為とはいえないとされた例。

0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
1201 支払い遅延・給付差別
病院が、X3分会長ら5名に対し、医師一人を取り囲んで要請行動を行った上、これを制止した事務長らともみ合いになったこと等を理由に減給処分としたことは、X3らの行為が正当な組合活動の範囲を逸脱するものといわざるを得ないことから、それぞれの処分には理由があり、病院の組合嫌悪を考慮したとしても不当労働行為とはいえないとされた例。

業種・規模  医療業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集110集237頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成10年(不再)第11号・第12号 一部変更 平成18年1月18日
東京地裁平成18年(行ウ)第584号 棄却 平成21年1月14日
東京高裁平成21年(行コ)第69号 棄却 平成21年11月30日
最高裁平成22年(行ツ)第114号・平成22年(行ヒ)第126号 上告棄却、上告不受理 平成22年5月19日
 
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