事件名 |
岩井金属工業 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 3年(不)第46号
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申立人 |
岩井金属労働組合 |
被申立人 |
岩井金属工業株式会社 |
命令年月日 |
平成 8年 5月17日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、<1>組合青年部長X1を従業員集会での社長の発
言を妨害したこと等を理由に解雇したこと、<2>組合副委員長X2及び書記長X3を補助的な業務又は未経験の業務に配置転換
したこと、<3>会社職制らが組合員に退職を求める文書を作成して従業員の署名を集め、組合員に手渡したこと、<4>寮生で
ある組合員に退寮を要求したこと、(5)平成2年度年末一時金、同3年度夏季一時金及び同3年度賃上げについて組合員を非組
合員と差別したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
大阪地労委は、組合員に対する平成2年度年末一時金額、同3年度賃上げ額、同3年度夏季一時金額の是正及び差額の支給(年
5分加算)、上記<1>から<4>までに関する文書手交及び掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、次表記載の申立人組合員に対し、平成2年年末一時
金の額、平
成3年度賃上げ額及び平成3年夏季一時金の額をそれぞれ同表記載の金額のとお
り是正し、同金額と既に支払った額との差額及びこれに年率5分を乗じた額を支
払わなければならない。
平成2年年末一時金 平成3年度賃上げ額 平成3年夏季一時金
X2 365,563円 18,106円 429,839円
X3 342,228円 16,436円 373,504円
X1 425,486円 - -
X4 331,636円 16,538円 392,303円
X5 251,264円 11,891円 213,507円
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交するとともに、1メ
ートル×2メートル大の白色板に同文を明瞭に墨書して、被申立人会社の本社玄
関付近の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
記
年 月 日
岩井金属労働組合
執行委員長 X6 殿
岩井金属工業株式会社
代表取締役 Y1
当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7
条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。今後この
ような行為を繰り返さないようにいたします。
記
1 平成2年12月28日、貴組合青年部長X1氏を解雇したこと。
2 平成3年4月30日、貴組合副委員長X2氏を第1機械部門から第2
機械部門に、同書記長X3氏を第1機械部門から第1溶接部門に配置転換し
たこと。
3 平成3年1月14日、貴組合員に対し、「退職お願い」と題する書面に従
業員の署名を集めた上、手交したこと。
4 平成2年11月30日以降、寮内への寮生以外の者の入室を禁止し、寮生
である貴組合員X5氏及び同X4氏に対して、退寮を求めたり、両氏の
部屋に無断で入室したこと。 |
判定の要旨 |
0700 職場規律違反
従業員集会で社長に罵声を浴せ、また社長の発言を妨害したこと等4項目を理由に組合青年部長X1を解雇したことが7条1号及
び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合役員2名を配置転換したことが、会社が組合を嫌悪し、配置転換により同人らを困惑させ、組合の役員である同人らに不利益
を課し、よって、組合の弱体化を図るものとして7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
職制が「退職お願い」と題する書面を作成し、従業員の署名を集め組合員に手渡した行為は、組合員の組合活動を嫌悪し、組合員
を退職させることを企図して行った7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が会社の寮に居住する組合員に対した退寮を強要する行為を繰返し、また、急に寮内での寮生以外の者の入室を禁止したこと
等が、7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
平成2年年末一時金、同3年夏期一時金及び同3年度賃上げについて組合員を非組合員と差別したことが、それぞれ7条1号及び
3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4610 P.Nに併せて文書手交を命じた例
ポストノーティスに併せて文書手交を命じた例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集105集46頁 |
評釈等情報 |
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