概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
中労委 平成 1年(不再)第100号
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再審査申立人 |
学校法人 倉田学園 |
再審査被申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
命令年月日 |
平成 7年 5月24日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
学園が(1)バドミントン部部誌を無断で発行し配布したことを理由として、組合員X1を教諭から非常勤講師に降職処分したこと、(2)生徒に対するアンケートを無断で実施したこと等を理由として、組合員X2を教諭から非常勤講師に降職処分したこと、(3)指導に従わない生徒の殴打を理由として、組合員X3を教諭から非常勤講師に降職処分とし、その後雇止めとしたことが争われた事件で初審の香川地労委は、(1)X1に対する降職処分の撤回、原職復帰及びバック・ペイ、(2)X2に対する降職処分の撤回、原職復帰及びバック・ペイ、(3)X3に対する雇止めの撤回、原職復帰及びバック・ペイを命じ、その余の申立て(X3の降職処分の撤回、陳謝文の掲示)は却下ないし棄却したところ、これを不服として学園から再審査の申立てがなされ、中労委は再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
学園のX1に対する降職処分(教諭から非常勤講師へ)が、学園がX1の本件部誌はその内容からみて学園の名誉又は信用を傷つけたものとまでは認められないことから、同人を嫌悪してなした不利益取扱いであるとともに、組合の弱体化を企図した支配介入であるとされた例。
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
学園のX2に対する降職処分(教諭から非常勤講師へ)が、学園がX2の授業が騒しく校長の指導に従わなかったことは処分の1年半前の事由であり、事由の発生直後には何ら処分を行っていないこと、生徒への無断アンケートはその内容からみて学園の印象を傷つけるものとはいえず、同人を嫌悪してなした不利益取扱いであるとともに、組合の弱体化を企図した支配介入であるとされた例。
1106 契約更新拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
学園の非常勤講師X3に対する雇止めが、X3は給与等の処遇においては常勤講師に等しい扱いを受けており、X3は勤務態度に問題がなかったにもかかわらず行われたものであり、学園が契約期間の満了を口実に同人を嫌悪してなした不利益取扱いであるとともに、組合の弱体化を企図した支配介入であるとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
学校の生徒指導主事及び進路指導主事は使用者の利益を代表する者であり、2人が加入する組合は適法な組合とはいえないとの学園側の主張について、これらは雇入等に関して直接権限を有する地位にはなく、利益代表者にはならないとして斥けた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集102集604頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 平成 7年 9月 895号 16頁 
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