概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
香川地労委昭和57年(不)第4号
香川地労委昭和61年(不)第1号
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申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
被申立人 |
学校法人 倉田学園 |
命令年月日 |
平成 1年 9月 8日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
学園が、(1)組合員X1ら3名を就業規則の懲戒事由に該当するとして降職処分にしたこと、(2)組合員X1を雇止めとしたことが争われた事件で、(1)組合員2名の降職処分の撤回、原職復帰及びバック・ペイ(年5分加算)、(2)X1の雇止めの撤回、原職復帰及びバック・ペイ(年5分加算)を命じ、組合員1名の降職処分に関しては却下し、陳謝文の交付は棄却した。 |
命令主文 |
1.被申立人学園は、申立人組合組合員X1に対する昭和57年3月31日付降職処分がなかった ものとして取り扱い、同人を原職に復帰させるとともに、復帰する日までの間に同人が受け るはずであった賃金相当額(各一時金を含む。)から既に支給した額を控除した額及びこれ に各支払い期日の翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支 払わなければならない。 2.被申立人学園は、申立人組合組合員X2に対する昭和57年3月31日付降職処分がなかった ものとして取り扱うとともに、原職に復帰した日までの間に同人が受けるはずであった賃金 相当額(各一時金を含む。)から既に支給した額を控除した額及びこれに各支払い期日の翌 日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければならな い。 3.被申立人学園は、申立人組合組合員X3に対する昭和57年3月30日付雇止めの意思表示が なかったものとして取り扱い、同人を原職に復帰させるとともに、復帰する日までの間に同 人が受けるはずであった賃金相当額(各一時金を含む。)及びこれに各支払い期日の翌日か ら支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければならない。 4.申立人組合の組合員X3に対する昭和54年6月27日付降職処分に関する申立ては、却下す る。 5.申立人組合のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
非常勤講師の雇止めについては、その前提となっている降職処分を不当労働行為と認定し、教諭として在職すべきものと判断しているので、本件については、別個の救済は必要としないと判断した例。
1106 契約更新拒否
学園が降職処分により非常勤講師となった組合員X1を雇止めにしたことが不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
部活動顧問である組合員X1を、その部誌を学園に無断で発行し、業務上の秘密をもらし、かつ学園の信用を傷つけたとして、非常勤講師に降職処分にしたことが不当労働行為であるとされた例。
1200 降格・不昇格
組合員X2を勤務態度、授業態度等を理由に非常勤講師に降格したことが不当労働行為であるとされた例。
3601 処分の程度
組合員X2の行為につき、個々にみれば、勤務態度には反省を求むべき点があるが、全体的にみれば、雇止めにつながるおそれのある重い処分である降格処分に値するほどの重大かつ悪質なものとは認められないとされた例。
4403 解雇後の事情と原職復帰
組合員X2は、本件申立後、学園の教諭として復帰しているが、その身分は、仮処分決定を受けて、仮に教諭として取り扱っているものであることから、原職に復帰させるよう命じた例。
4825 その他
申立人組合は、いわゆる中間管理職などの使用者の利益代表者を組合員資格に含めており、申立人適格を欠くとの主張が斥けられた例。
5201 継続する行為
本件降職処分は、一個の独立した行為であり、この降職処分の結果として継続していた非常勤講師を雇止めにする意思表示とは、別個の行為であるから、継続する行為には当たらないとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集87集518頁 |
評釈等情報 |
 
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