概要情報
事件名 |
イハラケミカル工業 |
事件番号 |
中労委 平成 6年(不再)第1号
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再審査申立人 |
イハラケミカル工業 株式会社 |
再審査被申立人 |
女のユニオン・かながわ |
命令年月日 |
平成 7年 2月 1日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、独身寮の廃止に伴い雇止めとなる寮管理人である組合員X1の労働条件に関する団交申入れに応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 初審神奈川地労委は、誠実団交の実施及び文書手交を命じた。 会社は、これを不服として再審査を申し立てたところ、中労委は、初審命令主文の一部を変更したほかは、その再審査申し立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 ただし、初審命令主文を次のように改める。 1 再審査申立人は、再審査被申立人の申し入れたX1に係る団体交渉に誠実に応じなければ ならない。 2 再審査申立人は、本命令交付後速やかに下記の文書を再審査申立人に手交しなければなら ない。 記 当社が、貴組合から申入れのあったX1に係る団体交渉を拒否したことは不当労働行為で あると中央労働委員会から認定されました。 よって、当社は、上記団体交渉を誠実に行い、本件の早急な解決に努力します。 平成 年 月 日 女のユニオン・かながわ 執行委員長 X2 殿 イハラケミカル工業株式会社 代表取締役 Y1 印 |
判定の要旨 |
2211 団交ルールの先議
組合の申込書の記載、執行委員からの電話におけるやりとりによれば、労働組合からの団体交渉の申入れがあったと認めるのが相当であるとされた例。
2242 回答なし
組合の申込書が「労働組合」、「団体交渉」の用語を使用していないことを口実として組合との団体交渉を拒否したものと認めざると得ないとされた例。
2121 被解雇者
組合は組合員であるX1の従業員たる地位の喪失を争って「解雇を含む労働条件」について団交を申入れているのであるから、嘱託契約終了後においても組合が団交当事者としての地位を失うものではないとされた例。
2301 人事事項
嘱託に対して退職金を支給する制度が会社の規定上は存在しないとしても、組合がこれを要求し、これをめぐって団交を求めることを否定する理由は認められないとされた例。
2301 人事事項
要求事項が会社の制度上認められないという理由で団体交渉を拒否しうるという会社の主張は採用できないとされた例。
2242 回答なし
会社が組合の要求を不当なものと考えていたとしても、そのことを理由として当初から団交を拒否すべきでなく、とりあえず団交に応じ、交渉の中で組合要求の当否を論ずべきものであるとされた例。
2249 その他使用者の態度
仮に会社が初審及び当審における審査の過程で自らの主張、言い分を尽くしていたとしても、会社が誠意ある団交義務を尽くしたとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集101集804頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 平成7年5月10日 891号 16頁 
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