概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(東京運転所脱退勧奨) |
事件番号 |
東京地労委 平成 4年(不)第14号
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申立人 |
ジェイアール東海労働組合新幹線地方本部東京運転所分会 |
申立人 |
ジェイアール東海労働組合 |
被申立人 |
東海旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 7年 5月 9日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被申立人である会社の新幹線本部人事課長が申立人東京運転所分会所属のX1に対して行った申立人組合からの脱退勧奨の言動、同会社が東京運転所の助役と通謀し、この助役が申立人東京運転所分会所属のX1及びX2に対してストへの不参加を使嗾するなどによって脱退勧奨を行うことを容認していたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 東京地労委はこれを労働組合法第7条第3号に該当するとし、支配介入の禁止及び文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人東海旅客鉄道株式会社は、新幹線鉄道事業本部管理部人事課長に、申立人ジェイ アール東海労働組合傘下の申立人ジェイアール東海労働組合新幹線地方本部東京運転所分会 所属の組合員に対して、ジェイアール東海労働組合からの脱退を勧奨する言動を行わせるこ とによって、また、東京運転所の助役がなす、申立人東京運転所分会所属の組合員に対し て、ジェィアール東海労働組合からの脱退を勧奨する行為を容認することによって、申立人 組合の組織運営に支配介入してはならない。 2 被申立人会社は、本命令受領の日から1週間以内に、50cm×80cm(新聞紙2頁大)の白紙 に、下記文書を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社本社正面玄関、新幹線鉄道事業本部お よび東京運転所の従業員の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 記 平成 年 月 日 ジェイアール東海労働組合 中央執行委員長 X3 殿 ジェイアール東海労働組合 新幹線地方本部東京運転所分会 分会執行委員長 X4 殿 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 平成4年3月16日に当社新幹線鉄道事業本部管理部人事課長が貴組合所属の組合員X1氏 に対して、ジェイアール東海労働組合からの脱退を勧奨する言動を行ったこと、また同日、 当社東京運転所の助役が貴組合所属の組合員X1氏および同X2氏に対してなした、ジェィアー ル東海労働組合のストへの不参加を使嗾するなどによって、ジェイアール東海労働組合のか らの脱退を勧奨する言動について、これを容認したことは、当社の不当労働行為であると東 京都地方労働委員会において認定されました。 今後このようなことを繰り返さないよう留意します。 3 被申立人会社は、前第2項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなけれ ばならない。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
人事課長のX1に対する言動が、同課長が会社の意を体して、Y2と通諜して、JR東海労からの脱退を勧奨したものであり、会社の不当労働行為に該るとされた例
2700 威嚇・暴力行為
対立関係にある組合の組織部長であるY2のX1及びX2に対する言動が、JR東海労のストに参加しないよう牽制するとともに、人事上の不利益による威嚇や利益誘導をもって脱退勧奨を図ったものであり、会社の不当労働行為とされた例。
4613 P.Nのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
ストに参加しないよう働きかけたことが、一連の脱退勧奨の言動の一部とみるのが相当であって、その会社を脱退勧奨ととらえ、脱退勧奨の禁止のほか、ポスト・ノーティスを命じ、社内報への掲載は認めなかった例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集102集26頁 |
評釈等情報 |
 
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