労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  岩井金属工業 
事件番号  中労委平成5年(不再)第11号 
再審査申立人  岩井金属工業 株式会社 
再審査被申立人  岩井金属労働組合 
命令年月日  平成 6年 7月20日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、(1)組合掲示板の撤去に応じない執行委員長X1を解雇したこと、(2)青年部長X2を班長職から降格したこと、(3)管理職らが組合員らに組合脱退署名を求め、組合に組合費等返還請求書を提出させたこと、(4)組合が組合事務所として使用していたプレハブの建物を取り壊し、組合掲示板を撤去し、従業員への組合ビラの配布を妨害したこと、(5)組合の団体交渉開催要求を拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 初審大阪地労委は、(1)について原職復帰を、(2)について降格処分がなかったものとしての取扱い、(4)についてプレハブの建物の提供、組合掲示板の再設置、(5)について団交に速やかに応じることを命じ、また、(1)から(5)までについてポスト・ノーティスを命じた。
 初審被申立人はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は(4)の救済方法の一部分を変更したほかは再審査申立てを棄却した。
(注)初審(大阪、平成2年不45、平成5.2.12決定)別冊中央労働時報1125号参照 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。ただし、初審命令主文を次のとおり変更する。
(1) 第2項を次のとおり改める。
 2 再審査申立人は、再審査被申立人と協議の上、再審査被申立人に対し、再審査被申立人   が組合事務所として使用していたプレハブの建物と同程度のものを従前の場所あるいは   会社本社構内のいずれかの場所において提供し、使用させなければならない。
(2) 第6項の記の記の第6項を次のとおり改める。
 6 貴組合執行委員長X1氏が、貴組合が組合事務所として使用していたプレハブの建物に   立ち入ることを阻止したこと。 
判定の要旨  4400 原職相当職への復帰を命じたもの
組合委員長を解雇したことが不当労働行為とされた例。

3020 組合活動への制約
3103 労働協約締結をめぐる行為
組合事務所として貸与したプレハブの建物を破壊したこと、事務所の貸与に係る労使協定を一方的に解約したことが不当労働行為とされた例。

3020 組合活動への制約
3103 労働協約締結をめぐる行為
組合掲示板を撤去したこと、組合掲示板の貸与に係る労使協定を一方的に解約したことが不当労働行為とされた例。

4400 原職相当職への復帰を命じたもの
青年部長を降格処分にしたことが不当労働行為とされた例。

2241 他の係争事件の存在
団交拒否が不当労働行為とされた例。

2623 脱退届け作成・提出強要
管理職らが組合員らに組合脱退署名を求め、組合に組合費等返還請求書を提出させたことが不当労働行為とされた例。

4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
就業時間外の組合活動を認めた労使協定を、会社が一方的に解約し、従業員に組合ビラの受け取りを拒否したことが不当労働行為とされた例。

3020 組合活動への制約
組合委員長の組合事務所の立ち入りを拒否したことが不当労働行為とされた例。

業種・規模  金属製品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集100集860頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委平成 2年(不)第45号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  平成 5年 2月12日 決定 
東京地裁平成 6年(行ク)第76号 全部認容  平成 7年 9月19日 決定 
東京地裁平成 6年(行ウ)第302号 請求の棄却  平成 8年 3月28日 判決 
東京高裁平成 8年(行コ)第45号 控訴の棄却  平成 8年12月10日 判決 
最高裁平成 9年(行ツ)第65号 上告の棄却  平成 9年 9月18日 判決 
 
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