事件名 |
岩井金属工業 |
事件番号 |
東京地裁平成 6年(行ク)第76号
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申立人 |
中央労働委員会 |
被申立人 |
岩井金属工業 株式会社 |
申立人参加人 |
岩井金属労働組合 |
判決年月日 |
平成 7年 9月19日 |
判決区分 |
全部認容 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)組合掲示板の撤去に応じない執行委員長X1
を解雇したこと、(2)青年部長X2を班長職から降格したこと、(3)管理職らが組合員らに組合脱退署名を求め、組合に組合
費等返還請求書を提出させたこと、(4)組合が組合事務所として使用していたプレハブの建物を取り壊し、組合掲示板を撤去
し、従業員への組合ビラの配布を妨害したこと、(5)組合の団体交渉開催要求を拒否したことが不当労働行為であるとして争わ
れた事件である。
初審大阪地労委は、(1)について原職復帰を、(2)について降格処分がなかったものとしての取扱い、(4)についてプレ
ハブの建物の提供、組合掲示板の再設置、(5)について団交に速やかに応じることを命じ、また、(1)から(5)までについ
てポスト・ノーティスを命じた。
会社はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は(4)の救済方法の一部分を変更したほかは再審査申立てを棄却し
た。会社は、再審査命令の取消しを求めて東京地裁に行政訴訟を提起したところ、中労委は、同地裁に緊急命令の申立てを行い、
東京地裁は中労委の申立てを認容した。 |
判決主文 |
1 被申立人は、被申立人を原告、申立人を被告とする当庁平成6年
(行ウ)第
302号不当労 働行為救済命令再審査申立棄却命令取消請求事件の判決の確定に至るまで、申立人が中労委 平成5年(不再)第11号事件について発した平成6年7月20日
付命令のうち、
(1)被申立人は、申立人補助参加人岩井金属労働組合と協議の上、当該組合に対し、組合が 組合事務所として使用していたプレハブの建物と同程度のものを従前の場所あ
るいは会 社本社構内のいずれかの場所において提供し、使用させなければならない、
(2)被申立人は、申立人補助参加人岩井金属労働組合に対し、当該組合と協議の上、撤去した組合掲示板(従来評議員会が利用していた掲示板を含み、第3物流センターに設置
されていた掲示板を除く。)を、従前の場所又はこれと同等の場所に設置しなければならない、
との部分に従わなければならない。
2 申立費用は被申立人の負担とする。 |
判決の要旨 |
7230 必要性の審査
組合事務所と組合掲示板の貸与を命ずる本件命令の適法性には重大な疑義は認められず一応適法かつ有効というべきであり、ま
た、組合の団結権を保障し、正常な労使関係の回復のためには緊急命令を発することが必要であるとされた例
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集655頁 |
評釈等情報 |
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