労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  ゴンチャロフ製菓 
事件番号  中労委平成3年(不再)第44号 
中労委平成3年(不再)第45号 
再審査申立人  ゴンチャロフ製菓  株式会社 
再審査被申立人  ゴンチャロフ労働組合 
命令年月日  平成 5年 7月 7日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)組合執行委員長X1を機械取扱業務から容器洗浄業務へ配置し、隔離された作業場において業務に従事させたこと、(2)組合員X2を度重なる無届欠勤を理由に解雇したことが争われた事件で、X1を、隔離された作業場で容器洗浄業務に専ら従事させたことは不当労働行為であるとして、会社に、従前業務への復帰と誓約文書の交付を命じたが、組合員X2に関する申立ては、度重なる無届欠勤が解雇の決定的理由であるとして棄却した初審命令を主文の一部を変更したほかはそれぞれの再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件各再審査申立てを棄却する。
ただし、初審命令主文第1項を次のとおり改める。
1 ゴンチャロフ製菓株式会社は、容器洗浄作業について、ゴンチャロフ労働組合執行委員長X1を、第1包装班の他の機械取扱業務従事者と同様に取り扱わなければならない。 
判定の要旨  0500 勤務成績不良
組合員X2に対する管理職らの反組合的姿勢があり、X2の心身の変調が無届欠勤の引き金となったものとも考えられるが、度重なる無届欠勤等からX2の解雇が組合の組合員であるが故になされたものと判断し難く、不当労働行為ではないとされた例。

1302 就業上の差別
組合委員長X1を隔離されたに等しい作業環境と、皮膚炎等に罹患するほどの作業条件のもとで容器洗浄作業に専ら従事させたことは、X1とその組合活動を嫌悪していた会社が、同人を不利益に取り扱ったものと認められた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合委員長X1を不利益に取り扱うことにより、他の従業員への見せしめとして、組合加入と組合活動の牽制を企画したものと判断されるので、組合の運営に対する支配介入にも該当するとされた例。

5200 除斥期間
組合委員長X1が初審申立て時において、他の従業員と異なる取扱いを現にうけていることの是正を求めているうえ、会社も配転ではなく作業指示の問題と自認していることから会社の「除斥期間」に係る主張は採用できないとされた例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集97集573頁 
評釈等情報  中央労働時報 平成 5年10月10日  864号 15頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
兵庫地労委昭和63年(不)第4号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 3年 7月30日 決定 
東京地裁平成 5年(行ウ)第250号 請求の棄却  平成 8年 2月15日 判決 
東京高裁平成 8年(行コ)第21号 控訴の棄却  平成 9年 1月27日 判決 
最高裁平成 9年(行ツ)第118号 上告の棄却  平成11年 6月29日 判決 
 
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