概要情報
事件名 |
ゴンチャロフ製菓 |
事件番号 |
東京地裁平成 5年(行ウ)第250号
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原告 |
ゴンチャロフ製菓株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
ゴンチャロフ労働組合 |
判決年月日 |
平成 8年 2月15日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、<1>組合執行委員長X1を機械取扱業務から容器洗浄業務へ配置し、隔離された作業場において業務に従事させたこと、<2>組合員X2を度重なる無届欠勤を理由に解雇したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、初審兵庫地労委は、<1>については不動労働行為であるとして従前業務への復帰と文書手交を命じ、<2>については棄却したところ、双方から再審査の申立てがなされたが、中労委は各再審査申立てを棄却した。 これを不服として、会社は東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、会社の請求を棄却した。 |
判決主文 |
1.原告の請求を棄却する。 2.訴訟費用は、補助参加によって生じたものも含め、原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
会社はかねてよりX1及びX3が中心となって結成した組合及びその組合活動を嫌悪しており、X1への容器洗浄作業の指示がX3に対する清掃作業の指示とほぼ時期を同じくしており職制の発言やX1に対する処遇に鑑みると、会社がX1に容器洗浄作用に専従させたのは業務上の合理的な理由がなく、X1の組合活動を嫌悪していたためにほかならない。
1302 就業上の差別
6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
X1の容器洗浄作業の実態が、他の作業場所から隔離された環境のもと、生産工程に直接関与しない単純な作業であるとともに皮膚炎などに罹患するほどの作業条件であったことを考慮すると同人に対する不利益な取扱いであることは明らかであり、労組法7条1号の不利益取扱いに該当する。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
会社のX1に対する不利益な取扱いは、他の従業員の組合加入及び組合活動を牽制するものであるから労組法7条3号の支配介入に該当する。
5200 除斥期間
5201 継続する行為
本件で組合がX1の容器洗浄作業に関して救済申立てを行った内容は、会社がX1に対して指示した行為だけを不当労働行為であるとしてその是正を求めているのではなく、他の従業員と異なる容器洗浄作業に継続して専ら従事させられている事案を主張し、その事態を是正することを求めていることが認められ、本件救済申立てにおいてはX1に対する会社の継続する差別的取扱いが不当労働行為に当たると主張されているのであるから、会社の行為は労組法27条2項の「継続する行為」に該当することが明らかである。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集31集72頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1996年7月10日 910号 48頁 
労働判例 1996年5月15日 690号 53頁 
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