事件名 |
東洋シート(組合事務所) |
事件番号 |
広島地労委昭和62年(不)第5号
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申立人 |
全国金属機械労働組合広島地方本部東洋シート支部 |
被申立人 |
株式会社 東洋シート |
命令年月日 |
平成 3年 1月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、別組合には組合事務所を貸与しながら申立人組合には貸与しなかったこと及び申立人組合の貸与要求を阻止する意図をもって別組合から組合事務所を返還させてこれを解体したことが争われた事件で、申立人組合に対する組合事務所の貸与、組合事務所の場所や広さなどについての誠実協議及び文書掲示を命じ、陳謝文の交付については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対して、本命令書交付の日から3カ月以内に、肩書地の本社構内に 組合事務所を無償で貸与しなければならない。 なお、組合事務所の場所、広さなどについては、被申立人及び申立人において、誠実に協 議すること。 2 被申立人は、本命令書交付の日から1週間以内に、縦1m×横1.5mの木板に、下記の文言 を楷書で明瞭に記載し、肩書地の本社正門の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければな らない。 なお、年月日の記載は、掲示の初日とすること。 記 平成3年 月 日 全国金属機械労働組合 広島地方本部東洋シート支部 執行委員長 X1 殿 株式会社 東洋シート 代表取締役 Y1 当社が、貴組合の存在を認めず、東洋シート労働組合には組合事務所を貸与しながら、貴 組合にはこれを貸与しなかったこと及び東洋シート労働組合から組合事務所を返還させ、こ れを解体したことは広島県地方労働委員会において不当労働行為と認定されました。 今後、このような行為は繰り返さないようにするとともに、これを機に正常な労使関係の 形成に努めます。 3 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
2901 組合無視
企業内に併存する一方の労働組合に組合事務所を貸与しながら申立人組合にはこれを貸与しなかったことが支配介入であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
2901 組合無視
企業内に併存する一方の労働組合に貸与していた組合事務所を返還させ、解体したことが、業務上の必要性に藉口し、申立人組合の貸与要求を阻止する意図をもってなした支配介入であるとされた例。
3800 行為の結果・その他
臨時組合大会での全金脱退決議が有効であるか否かに関係なく、会社内には事実上二つの労働組合が併存する状態となったもので、申立人組合は存在しないとの会社の主張が斥けられた例。
5201 継続する行為
別組合に対してのみ組合事務所を貸与している差別状態は、本件申立て時には継続していたので、申立期間徒過の問題は生じないとされた例。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集30頁 |
評釈等情報 |
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