概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
中労委昭和56年(不再)第78号
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再審査申立人 |
学校法人 倉田学園 |
再審査被申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
命令年月日 |
昭和58年11月16日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
組合のボーナス問題に関する団交申入れに対し、学園が被解雇者X1が交渉員として参加する交渉には応じられない、学校内では応じられないとして拒否したこと等が争われた事件で、初審はこれらを理由に団交を拒否してはならない旨を命じた。学園から再審査申立てがなされたが、中労委は文言の一部を手直ししたのを除いて、初審命令を維持した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文を次のとおり変更する。 被申立人学校法人倉田学園は、申立人香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合の昭和55年11月8日付け昭和55年度冬期ボーナスに関する要求について、(1)X1が交渉委員として出席することを理由として団体交渉を拒否することなく (2)団体交渉の開催場所を学校外とすることに固執することなく、資料を提出するなどして、誠意をもって団体交渉に応じなければならない。 2 その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2121 被解雇者
交渉委員に被解雇教員が入っているとして団交を拒否したことについて、同人は解雇について裁判で争っており、組合の副委員長でもあり、拒否するのに正当性はないとされた例。
2240 説明・説得の程度
学園側が学内での団交は教育上、施設管理上支障があるとして団交を拒否していることについて、校外での団交を提案すること自体不当といえないが、校内開催の場合の支障についての疎明が乏しいことなどからみて、学園の団交拒否は首肯しえないとされた例。
2240 説明・説得の程度
冬期ボーナスに関しては、誠実に団交に応じた結果、交渉が行き詰まりの状況に達したものであるとの学園側主張につき、組合要求どおり支給できない理由について具体的な説明を行っておらず、また、査定に関する団交申入れを拒否したり、考課表の公表を拒絶していること等から、いまだ、誠意をもって団交を尽くしたとも、団交が行き詰まり状態に至ったとも認め難いとされた例。
2300 賃金・労働時間
学園における労働条件は県立校並みということで自動的に決定されることとなっており、団交の余地はないとの学園の主張について、組合の交渉権を否定するもので採用できないとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
冬のボーナスは支給済みであり、交渉の余地はないとの学園の主張につき、組合の要求どおり支給できない理由などについていまだ何ら説明しておらず、前渡金の受領をもって問題が解決したとはいえず、団交を命ずる利益は存在するとされた例。
4825 その他
学校の生徒指導主事及び進路指導主事は使用者の利益を代表するものであり、2人が加入する組合は適法な組合とはいえないとの学園側の主張について、これらは雇入等に関して直接権限を有する地位にはなく、利益代表者にはならないとして斥けた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集74集849頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1984年2月10日 709号 28頁 
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